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人徳?いいえモフ徳です。

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二十五匹目

シュリッセル邸の風呂はとてつもなく大きい。

何故か? と問われたらこの家の主、つまり白面金毛九尾御前または玉藻御前と呼ばれていた転生者が無類の風呂好きだからだろう。

それ故か住み着いているヴァンニクも多く、広さと清潔さを両立している。

「シラヌイ様、かゆい所ないですか?」

「はふぅ……」

その風呂で、シラヌイは溶けていた。

周りにはメイドが三人。と風呂妖精が数人。

メイド長エリザとシェルムの専属メイド二人だ。

メイド二人はシラヌイの左右に密着して体を……特に尻尾と耳を洗っている。

エリザはシラヌイの正面でそれを見守っている。

「うきゅぅぅ……ふゃ……」

尻尾と耳を丹念に洗われ、シラヌイは完全にリラックスしている。

「貴女達、もう少し優しくしてあげた方が……。
シラヌイ様のお顔が少々危険な感じに…」

「大丈夫ですメイド長。シェルム様から許可を頂いてます」

「タマモ様が玩具にしていいと」

メイド二人はドヤ顔で答えた後、再びシラヌイを啼かせ始めた。

「メイド長もシラヌイ様を触りたいんですか?」

「やってみますか?」

「いえ…私は…」

とエリザが言った所でメイドの一人がシラヌイの尻尾から背中にかけてにツゥーッと指を這わせた。

「んひゃっ!?」

シラヌイの中をゾクゾクとした感覚が駆け抜ける。

その感覚に耐えようとするシラヌイの顔は……エロかった。

「あっ貴女達!」

「とか言いつつメイド長もやりたいんでしょ~?」

「うっ…!」

「今ならお風呂のお世話の名の下にやりたい放題ですよー?」

「うっ…くっ……!」

メイド長、陥落寸前である。

エリザがそっと手を伸ばし、シラヌイのピンとたった耳に触れる。

「んぅっ……ん……」

ゴクリ、とエリザが生唾を飲む。

「んゅ……えりざぁ……」

「はっ!? 私は何を!?」

「「チッ…もう少しだったのに…」」

この後もシラヌイはメイド二人によって弄ばれた。










なんとなく肌が艶々した三人とぐったりとしたシラヌイが風呂場から出てきた。

「あ、危なかった…もう少しでタマモ様から首を跳ねられる所だった…」

「メイド長、シラヌイ様の股間ガン見でしたよね?」

「もしかしてそういう趣味ですか?」

「違うっ!」

エリザはシラヌイの体を拭いてやりながら否定する。

「へぇー…まぁ、いいですけど」

「私達はこれからずーっとシラヌイ様の体を触り放題ですしね」

エリザはシラヌイに素早くバスローブを着せると、手を引いて脱衣場を後にした。

トテトテと手を引かれてシラヌイが向かったのは、ドレスルームだ。

「わはぁ~! 御坊っちゃまかわいぃ~!」

ドレスルームに待機していたメイド達はバスローブ姿のシラヌイを見て目を輝かせた。

「さぁさぁ!御坊っちゃま! お着替えしましょうねぇ…!」

明らかにヤバげな顔のメイド達がドレスやら網タイツやら…まともな衣服半分いかがわしい服半分を持ってくる。

「なんで全部女物なのさ?」

「御坊っちゃまの誕生日にアリエーソ商会から贈られてきたプレゼントです」

「チクショウ…あの時センマリカに一発入れとくべきだったか」

どうにもなりそうにないと悟ったシラヌイは、メイドに進められるままにドレスを着た。

「…………網タイツの必要あるのか?」

まず着せられたのは黒いドレスだ。

「大変似合っておりますよシラヌイ様」

と後ろに立つエリザが言った。

「あっそ……」

そこでメイドが一人出てきた。

網タイツを持ってきたメイドだ。

「しっシラヌイ様」

「なに? 君はだれ?」

そのメイドの頭にはふさふさとした長い耳がはえている。

「ラビット・ピープルのアリシア・ミラージュです!」

「で、どうかしたのアリシア?」

シラヌイが尋ねた。

「わ、私を踏んでくださいっ!」

アリシアは整った顔立ちに綺麗な茶髪で、スタイルもいい。

だがシラヌイはと言うと……。

「却下。そこで見てろ雌豚」

と養豚場の豚を見る目で言った。

「んんはっぁん!? やばい…いけない扉開いちゃうっ!」

「もう開いてんだろうが」

「んんっ………! ふぅ……」

明らかに明らかなその様子を見たシラヌイは…

「…このマゾヒストが」

「んんんっ…!?…………はぁ…はぁ…」

そこでいい加減見かねたのか他のメイドがアリシアを連れて行った。

「なんだったんだアイツは……」

エリザがシラヌイの服を脱がせ、他のドレスを着せた。

「なぁ、女物しかないのは仕方ないとしてさ、これはどうなのよ?」

次に着せられたのは真っ赤なワンピース。

ただし、その背中が大きく裂け、背中が露になっている。

「つーかもうお尻見えてない?」

「ええ、獣人用の物ですから。あとは翼人の方も着れるそうですよ」

「なるほどねぇ……」

シラヌイがふりふりと尻尾を動かす。

「うん。いいねコレ」

エリザは目の前で尻尾を振る狐ショタを見ていた。

その染み一つないシルクのような背中が露になっている。

エリザは指先に魔力を集め……

シラヌイの尻尾の付け根にあてがった。

ツゥーッ……………。

「あひゃぅんっ!?」

「「「「「「「「!?」」」」」」」」

力が抜け、ぺたんと座り込むシラヌイ。

シラヌイは座ったままエリザを睨み付けた。

「ぅー…うー…」

メイド一同はサッと目を反らした。

そらさねば自分が何をしてしまうか解らない、と。

「ぅー…」

「も、申し訳ありませんシラヌイ様…」

「ぅー……次やったら家出するからねっ!」


結局、シラヌイの服はフリッフリの白ロリになった。
 
 

 
後書き
エリザ・エルバキー
種族 ケットシー
シュリッセル家メイド長。
タマモの腹心の部下。
シェルムとも仲がいい。
元アサシン。
獲物は鋼糸で土属性魔術師。


メッサー・フォルモント
種族 ヒューマン
シュリッセル家唯一の執事。
シェルムの腹心。
過去にシェルムに助けられた恩がありシェルムを崇拝している節がある。
恋愛感情は一切持っていない。
ブライの事も慕っている。
獲物は投げナイフなどの投擲系と暗器。
土属性魔術師で瞬間錬成のプロ。



精霊種族
精神が主体の種族。
基本的に女性型を取る。
寿命と知性はピンキリ。
概念を司る物もある。
デミヒューマンとの境界が曖昧な者も多い。


ヴァンニク
風呂やサウナに住み着く妖精。
大きさは30センチほど。
風呂やサウナを勝手に使う代わりに掃除や管理を手伝ってくれる。
シルキーの亜種とされている。
『教育に悪い』と追い出す家もあるがシュリッセル家は気にしていなかったりする。 
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