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オズのエリカ

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第六幕その一

               第六幕  蜂蜜の農家
 一行は森でのお話通り晩御飯にお寿司を出しました、そうしてエリカがお寿司を食べつつこんなことを言いました。
「一つ思うことはね」
「思うことは?」
「ええ、握り寿司食べてるけれど」
 エリカは今実際にそれを食べています。
「それでもね」
「それでも?」
「巻き寿司も欲しいわね」
「それも出してるじゃない」
「いやいや、納豆巻きがないでしょ」
 このお寿司がというのです。
「それを食べたいんだけれど」
「それじゃあ出すわね」
 早速こう言ってでした、そのうえで。
 アンは実際にテーブル掛けの上に納豆巻きを出しました、エリカはその納豆巻きを見てそうして言いました。
「これよ、これ」
「貴女納豆巻き好きだったの」
「あの独特のねばねばした感じがね」
 まさにというのです。
「隙なのよ」
「そうなのね」
「そう、それでね」
 さらに言うエリカでした。
「私お寿司っていうとね」
「納豆巻きがないとなの」
「もの足りないのよ」
「そうなのね」
「そう、そしてね」
「納豆巻きを食べて」
「満足するのよ」
「ううん、納豆巻きはね」
 ここで言ったのはジョージでした、彼は普通の鮪の握りを食べています。
「美味しいけれどね」
「匂いがね」
 神宝はハマチの握りを食べています。
「凄いからね」
「あれは慣れるには相当に時間がかかったよ」
 カルロスは鮭の握りを食べつつ苦笑いになっています。
「僕達全員ね」
「ええ、恵梨香は別にして」
 ナターシャは秋刀魚を食べつつ言いました。
「私達にとっては辛かったわ」
「私も最初その匂いにびっくりしたわよ」
 恵梨香はその納豆巻きを手に取っています。
「幼稚園の時にはじめて食べたけれど」
「僕も最初びっくりしたよ」
「そうだよね」
 臆病ライオンと腹ペコタイガーも言いました、納豆について。
「あの匂いには」
「どうにもね」
「最初何かって思って」
「食べものかってね」
 そこまでだというのです、ですが。
 二匹も納豆巻きを食べてそして言うのでした。
「味はいいんだよね」
「これがね」
「そう、納豆巻きはね」
 まさにと言うエリカでした。
「お寿司の中でも絶品よ」
「貴女は最初から好きみたいね」
「ええ、大好きよ」
 アンにもこう答えます。
「だから食べてるのよ」
「そうなのね」
「そう、それでね」
「お寿司を食べる時は」
「これもないと駄目なのよ」
 納豆巻きもというのです。
「是非ね」
「そうなのね、私も一個いえ」
「そう、一貫でしょ」
 エリカは寿司の数え方について言いました。 
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