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レーヴァティン

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第七十四話 マルセイユからその九

「やっぱりロンドンにいるみたいね」
「ああ、そうだな」
 久志が留奈のその言葉に応えた。
「あそこにな」
「凄い娘がいるっていうわね」
「その凄い娘が問題だな」
「ええ、何でもね」
「魔術師か」
「そうらしいわね」
「魔術師でありながら闘技場で百戦百勝、しかも」
 久志はベーコンとオムレツを食べつつ言った、勿論酒も飲んでいるがその酒は赤ワインだ。
「どんなモンスターにもな」
「人はおろかね」
「勝つっていうな」
「それもドラゴンも」
「それな、ドラゴンに一対一で勝つか」
 それを言うのだった。
「とんでもない強さだな」
「私達並にね」
「しかも凄い武器を持ってるか」
「だとしたら」
「ほぼ決まりだな」
「その娘はね」
「俺達の仲間だな」
 オムレツを食べた後赤ワインを飲んでだ、久志は言った。卵料理と酒もよく合う。
「十二人目だな」
「最後の一人ね」
「ああ、しかし魔術師でな」
 それでもとだ、久志は首を傾げさせて言った。
「闘技場にいるのか」
「それはかなり珍しいね」
 剛も言ってきた。
「やっぱり」
「ああ、相当にな」
「普通闘技場は」
「魔術師とかはいないな」
「珍しいな」
 正もこう言った、彼はロールポークを食べている。
「俺もはじめて聞いた」
「うん、戦士やモンクならともかく」
「魔術師で闘技場にいるとかな」
「いないよ」
 剛は正に応えた。
「普通は」
「どんな術の使い方しているんだ」
「そこも気になるね」
「闘技場で闘うってな」
 久志が言うには。
「それこそな」
「そうだな、剣や斧で闘うな」
「襲い来る相手とな」
「そんな風だろ」
「それで、か」
 久志は飲みつつ考える顔になって述べた。
「術をそう使うか」
「想像出来ないな」
「どうにもな、術は戦う仲間を後ろから援護する為に使うからな」
「それが普通の使い方だな」
「それをどうして使っているんだ」
「気になるな」
「どうしてもな」
 二人で話した、そしてだった。
 ここでだ、久志はこうも言った。
「すぐにロンドンに行きたくなったな」
「うん、そうだね」
 淳二が久志の今の言葉に応えた。
「早速ね」
「そうしてな」
「その魔術師に会いたいね」
「一体どんな奴か見たいぜ」
 久志はハムを食べつつ述べた、淳二はベーコンエッグだ。 
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