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レーヴァティン

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第七十四話 マルセイユからその一

               第七十四話  マルセイユから
 久志達は肉料理とビールが美味い村からマルセイユに向かった、その途中は確かに平地で街も村も多くモンスターも少なかった。
 それで行き来は楽だった、馬で行くと順調だった。それで久志は馬上から今自分達の左右に拡がる畑を見て言った。
「のどかだな」
「この辺りはそうだな」
 正も久志に馬上から応えた。
「平和でな」
「畑もいい感じだな」
「モンスターもいないみたいだな」
「いてもな」 
 それでもとだ、正は畑で働いている百姓達を見て言った。
「大した強さじゃないな」
「だからだな」
「お百姓さん達も畑仕事に専念出来るんだよ」
「見れば実際にな」
「ああ、専念しているな」
「そうだな、いい感じでな」
 その農園の風景を見て言うのだった。
「外には警戒していないな」
「それがわかるな」
「犬はいても」
 その犬達もだ。
「特にな」
「警戒もしていないな」
 見れば殆どの犬がのどかに寝ている、起きている犬も別に警戒しておらず飼い主達の方を見ているか餌を食べている。
「そうしたところを見るとな」
「この村の辺りはか」
「平和なんだよ」
「モンスターも賊も殆どいないか」
「だからな」
「平和だな」
「そういうことだな」
「この辺りは一度来たことがあるわ」
 清音が言ってきた。
「それでこの村も見たけれど」
「その時もか」
「こんな感じでね」
「平和だったんだな」
「ええ、そうだったわ」
 こう久志に答えた。
「この通りね」
「そうか、じゃあな」
「この平和は守られるべきね」
「モンスターは減らして賊はな」
 盗賊達はというと。
「どんどんな」
「倒していくのね」
「そうだよ、それで政もよくしていけば」
「賊になる連中もいなくなって」
「余計にいいからな」
 それでと言うのだった。
「いい政なら食いっぱぐれる奴もいない」
「そう、それよ」
「政がいいとな」
「平和になって仕事も安定していて」
「その分賊も減る」
「だから賊を減らすにはね」
 その為にはというのだ。
「いい政よ」
「その通りだな、それでか」
「この辺りは領主さんがいいのよ」
「それでその領主さんが善政敷いていてか」
「元々豊かで暮らしやすい土地だけれど」
 その善政もあってというのだ。
「この通りね」
「平和で豊かなんだな」
「そうよ」
 こう久志に話した。
「前からね」
「相当にいい領主だな」
「それで評判よ、だからここの領主さんは」
「味方につけたいな」
「有能な領主さんはすぐに味方につけていく」
 清音は真剣な面持ちで述べた。 
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