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レーヴァティン

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第七十三話 出発その一

               第七十三話  出発
 美奈代を加えた一行はまずはセビーリャを後にした、しかしここで清音は久志に顔を向けて尋ねた。
「出発したのはいいけれど」
「それでもっていうんだよな」
「ええ、問題はね」
「最後の一人の手掛かりか」
「それはあるにはあっても」
「不確かなんだよな」
 久志は清音に微妙な顔になって述べた。
「これが」
「そうなのよね」
「ああ、セビーリャから北か」
「ロンドンに凄い人がいる」
「凄い人っていってもな」
 それこそとだ、久志は清音に微妙な顔で述べた。
「それが俺達の仲間とは限らないんだよな」
「ええ、そうよ」
「どんな奴かもわからないしな」
「だからロンドンに行っても」
 それでもと言うのだった、清音にしても。
「実は違ったとかね」
「普通にあるよな」
「そうよ、どうなのかしら」
「難しいな、じゃあな」
「もっと情報を集める必要があるわね」
「セビーリャでも情報は集まらなかったしな」
 最後の十二人目のそれはというのだ。
「どうもな」
「だからね」
「ちょっと他の場所に行って情報集めるか」
「それがいいわね」
「大きな街に入って」
 人の往来が多い、即ち情報が集まる街にというのだ。
「そうしてな」
「そのうえでね」
「最後の一人の情報集めるか」
「そうしましょう」
「それでな」
 さらに話した久志だった。
「確かな情報が手に入ってからな」
「そうしてね」
「あらためて動くか」
「それがいいわね」
「ほなマルセイユかパリに行こか」
 清音はロンドンに行く前に情報収集で大きな街に寄ると聞いてこうした街の名前を即座に挙げた。
「そうしよか」
「どっちかか」
「セビーリャからロンドンに行く途中はこの二つの街が大きいねん」
 だからとだ、美奈代は久志に話した。
「どっちかか両方でな」
「情報仕入れてか」
「それから決めたらええわ」
「それじゃあな」
 久志は美奈代の話を聞いて決めた、そのうえで仲間達に言った。
「どっちかに行くか」
「それならですね」
 良太は既に地図を開いていた、その地図を見つつ久志に話した。
「まずはマルセイユですね」
「ここからはその街の方が近いか」
「はい、そうです」
「よし、じゃあまずは近場からな」
「行かれますね」
「あそこに行ってそれからな」
 マルセイユ、そこに入ってというのだ。
「パリに向かうか」
「そうされますか」
「それでこの二つの街で情報を手に入れてな」
 そうしてと言うのだった。
「そのうえでな」
「次はですね」
「情報を見極めてな」
「最後の一人がロンドンにいれば」
「行こうな」
 その街にというのだ。
「そうしような」
「それでは」
「よし、決まりだよ」
 これでとだ、久志は完全に決めた。そうしてだった。 
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