ドラゴンクエストビルダーズ:アレフガルドを復活させられてます(新リュカ伝)
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第2章:リムルダール編
10:今日のワンコ
(リムルダール・旅の扉青地方)
リュカSIDE
シャア専用ザコ……じゃなくって、ザッコをリムルダールに送り届け三度舞い戻る。
取り敢えず先刻まで行っていた鉱物採取を一旦止め、青の旅の扉地方を散策する。
何処へ行けば良いのか分からないから、ドラゴンの杖を垂直に立て、手を離して倒れた方角へ行くことに……
山を登り、暫く進むと……
凄く大きな建物を発見する。
内部からは複数の気配が……何、ここ?
何の気無しに建物内へと侵入。
するとそこには、大勢のワンコが正拳突きやらの練習をしていた。
このワンコは『リカント』と言うモンスターだ……と思う。
一番奥の高い場所(上座的な場所)には、このワンコ等の親玉みたいのが腕を組んで仁王立ちしている。何か偉そう……
面倒臭い事になるのも嫌なので、シカトして役に立ちそうな物を物色しようと彷徨く。
すると……
「ほほぅ……我等リカントの一団を見ても恐れず室内を歩き回るとは、見上げた度胸の人間だな。して、何用で我等がキラーリカントの道場へやって来た?」
勝手に話し掛けられた。
「別に用事なんかねーよ。建物があったから入っただけ……もしかしたら中に使える物があるかもしれないだろ。まぁ何も無いシケた場所だけど」
もうちょっと町の発展に役立つ物を置いておけよ。
「ふっふっふっ……わぁーはっはっはっはっ!」
な、何だ……急に笑い出しやがって!?
この犬っころの笑いのツボが解らん。でも凄ー尻尾振ってるから懐いてるって事か?
「気に入ったぞ人間! 我等屈強なキラーリカントを前にしても怯まぬその根性。さぞ人間等の中でも猛者と呼ばれる部類に入っているのであろう?」
「猛者じゃねー。イケメンだ……イケメンビルダーだ」
「ほぅビルダーとな?」
「ビルダーじゃねー……イケメンビルダーだ!」
頭悪ぃー犬だな。
「噂は聞いた事がある……この滅びかけたアレフガルドの地を復活させようと、多様な物を作り出して奮闘している。滅びたメルキドも短時間で復興させたとか」
「僕は物作りをしただけで、復興はそこに住もうとする人々の努力の賜だ」
「うむ……殊勝な事だ。ではその物作りの能力を活かし、一つ頼まれてくれぬか?」
えぇ……何か面倒臭そう。でも黙ってりゃ可愛いワンコだしなぁ……
「一応聞くけど……何?」
「実はな……最近この近辺に我等キラーリカント族の敵、リカントマムルが出現してな。我等に攻撃をしてくるのだ……むろん返り討ちにして居るが、奴等の爪には相手を混乱させる成分が分泌されておって、その所為で些かの苦戦を強いられておる。そこで貴殿に頼みがある! 奴等から攻撃されて混乱したときのために、それを治す薬を作ってくれ」
うわぁ……
予想以上に面倒臭い。
どうしよう……『仲良くしなきゃダメでしょ!』とか言って無視しようかな?
でもその混乱ワンコがリムルダールに攻め込んでくるかもしれないなぁ……
KYNとかが被害に遭うのは問題無いけど、エルとかが其奴等の毒牙にかかるのは避けたいなぁ……
「よし、このイケメンビルダーが作ろうじゃないか!」
「おおぅ、やってくれるか!?」
「おう、超特別だからな。感謝せよ! んで、その混乱の元凶は?」
「先程申したであろう……この近辺を徘徊しておるから、おヌシで確保せよ」
「そこから!? なにそれ? 上から目線で人に頼み事しておいて、何の準備もしてないの!?」
「仕方なかろう、貴殿が来るなんて思いもしなかったのだから」
だからって丸投げかよ!
ムカつくから一発殴ってやろうと思ったんだけど、無邪気な顔でこちらを覗き込む犬みたいで、殴るに殴れない。尻尾パタパタ振ってるし。
一旦帰ったら、KYNあたりを殴ろう。
でもその前にリカントマムルから混乱の元を採取しなければ……
犬小屋から出て辺りを見渡すと、直ぐに例のワンコと遭遇する。
ちょっと爪の垢を貰えないか頼もうとしたら、有無を言わさず攻撃して来やがった。
頭きたから、カウンターで屠りさる。
早速こいつから混乱の元を採ろうと手を掴むが、この汚らしい爪の垢をほじくる事に嫌悪感があり、手首から切り取って持ち帰る事に……
気持ち悪い作業はジジイに任せよう。
リュカSIDE END
(リムルダール)
ノリンSIDE
またもリュカが帰ってきた。
今日は随分と出入りが激しい……
それだけ色々と発見してるって事だろうか?
俺の依頼は後回しと言っていたし、多分まだ何も進展してないだろう。
そうは思ってたんだがゲンローワの爺さんに何かを手渡し指示を出すと、俺の姿を見付け近付いてくる……
もう俺の依頼を完遂したのかと期待をしてると、途中で会ったエルさんに近付きイチャイチャ始めた。
「ワシに用事を押し付けておいて何をしておるか!」
だが一旦薬局へ戻りかけたゲンローワの爺さんに見つかり怒鳴られた。
俺の釣り道具は?
「うっせーな。テメーはサッサと薬を考えろ」
「も、もう考え付いたわい! 教えてやるからコッチに来い!」
何時もの見慣れた遣り取りなのだが、俺の釣り具が気になる。
暫くして薬局からリュカと爺さんが出てきた。
何かを完成させたのか、リュカの手には薬らしき物がある。
次は俺の用事を終わらせるのだろうと期待したが、リュカはまた旅の扉へ向かってしまった。
俺は思わずリュカへ近付き……
「リュ、リュカ……お、俺の釣り具……は?」
と尋ねてみた。
すると……
(ポカ!)「痛ぇ!!」
「お前の依頼は後回しだって言っただろが! こっちは忙しいんだよ」
と言って後頭部を殴られた。
な、何だよ……
何で一度俺の方に向かってきたんだよ……?
ノリンSIDE END
(リムルダール・旅の扉青地方)
リュカSIDE
図らずもKYNを殴る事が出来た。
流石に理由も無く殴るのは如何なものかとエルの乳を揉みながら思ったのだが、アイツが相変わらず空気読めない男だったから、気持ちよく殴る事が出来た。
まぁそれはそれとして、サッサとワンコの下へ行くとしよう。
きっと待ちわびてるに違いない。
尻尾を盛大に振ってお出迎えかな?
「よう、ご所望の薬を作ってきたぜ」
「おお、随分と早かったな!」
ふっふっふっ……案の定パタパタと尻尾を振ってやがるぜぇ(笑)
「ほら、これだ」
「おおぅ、では早速飲ませて貰おう」
……は?
「ほほぅ……これは効くなぁ。名前は何という薬なのだ?」
「え? あ、あぁ……“天使の気付け薬”だ」
あれ? 先刻まで振ってた尻尾が止まったぞ。
「いやぁ……リカントマムルの攻撃を受けてしまってな、何とか根性で理性を保たせてたんだが、尻尾だけは言う事を聞かなくなってしまって……がっはっはっはっはっ!」
「え? 尻尾振ってた理由って……それ?」
んだよ!
ワンコらしく人間に懐いてるのかと思ったじゃん!
ちょっとは可愛いと思ったのに、何かムカつく。
「おおそうだ。良い薬を作ってくれた礼に、これを授けようぞ」
「ん……何だ、この指輪?」
それなりに綺麗な指輪を渡された。
「それは“理性のリング”と言ってな。それを装備しておけば、敵からの混乱攻撃を防げるのだ」
「はぁ!? じゃぁ俺に薬作らせないで、これを身に着ければ良かったじゃんか!」
何この無駄?
「そうしたいのは山々だったのだが、その指輪を見て見ろ。如何見ても人間用で、我等キラーリカントの指には嵌まらんだろう」
「指に嵌められなくても、チン○になら装備出来るんじゃねーの? どうせそんなもんだろ、お前の太さなんて!」
周りのワンコもゲラゲラ笑っている。
「馬鹿者ぉ! ワシのそれは極太じゃい。何なら見せてやろうか?」
「いいよ! 見たくねーよ!!」
犬小屋内のワンコ等と共に下ネタで笑い合う。
うん。
何かここ気に入ったね。
もっとこの地域が安定したら、エル等を誘って遊びに来よう。
でも……それまでに『お手』くらいは教え込んでおかなきゃ。
リュカSIDE END
後書き
次話、
ノリンがランクアップします。
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