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繰リ返ス世界デ最高ノ結末ヲ

作者:エギナ
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03.過去語
ー双子と王様ー
  過去語ー双子と王様ー 二

 偵察部隊が出撃し、一時間。いよいよ緊張した空気が流れる。
 静かに整列し、偵察部隊の帰りを待つ構成員。戦闘になったとしても、一時間以内に帰って来るようにと命令が出ている。

「偵察部隊から連絡は……」フランがそう呟いたところで、ザザッと無線機が鳴る。そして、か細い声が入る。

《……首領………やられ、まし……ぐあっ》
「如何為た? 誰にやられた」
《黒華………琴、葉………で…………》

 それ以降、偵察部隊の声が聞こえることは無かった。代わりに、楽しそうな少女の声が入ってくる。

《あはは、こんにちは……じゃなくて、お早う御座います。黒華です-。偵察部隊は此方で全て消させて頂きました。現在残骸の上ですー。それじゃあ、此方でお待ちしておりますねー》
「待て。君はその情報を白猫に………」
《渡すわけ無いじゃないですか。質問は其れだけですか》

 無線機越しでも分かる殺気。躰が勝手に震え出す。

《では、お待ちしております》

 ブツッと乱暴に通信は切れ、それきりとなった。

「……此れより、作戦を開始する」

 集まった構成員、様々な種族の王族、貴族が一斉にヘリに乗り込む。


「敵構成員、そして黒華琴葉を殺せ」


  ◇ ◆ ◇


「真逆、ホントに来るとは」

 少女は一面真っ白の花畑が広がる場所に一つだけある、大きな岩に腰を掛け、空を見上げる。其処には黒いヘリが何機も居て、其処から黒い外套を羽織った何かが落ちてきていた。
 少女は岩から飛び降りて、白い外套のポケットに手を入れ、不気味な笑みを浮かべる。

「お早う御座います、吸血鬼の王様」満面の笑みを浮かべ、フランを見る少女。毛先が白い、黒髪に、同色の瞳。小さい躰。
「お早う、可愛らしいお嬢さん」フランも笑みを浮かべ、少女を見る。後ろに降り立った構成員達が、其れを見て武器を構える。「君が黒華琴葉君だね?」

 少女、黒華琴葉は、ポケットから手を出して、優雅に一礼をする。

「初めまして。白猫幹部、黒華琴葉です。では、サヨウナラ」

 琴葉がそう呟いた直後、白い花が赤く染まった。

「へぇ……驚いたね」ゆっくりとフランが後ろを見ると、フランと共に降りてきた構成員は、血だけを残して消えていた。「人間の子供にこんな力があるなんて。"出来損ない"何て、デマだったのかな?」
「へぇ。出来損ない……一つ言っておきますけど、私は"出来損ない"ではなく、"役立たず"と呼ばれています。其処だけ訂正していただければ、と」ニコニコと、貼り付けたような笑みを浮かべ、琴葉は言う。「なので、私の任務は此の戦いで人外を足止めすることでは無く、此処で死ぬことです。ので、殺していただいて構いません。抵抗はしますが」

「君の所の構成員が何人集まっても殺せない様な、此の上級構成員達を一瞬で殺したんだ。そう簡単に殺せるとは思っていないよ」フランは溜息を吐く。其のタイミングで、作戦の参加者が全て地上に降り立った。その中にはアリサとユリアも居た。

「おお! 王様や貴族が沢山! 嬉しい限りですねぇ」其れを見ても琴葉は動じること無く、逆にへらへらと笑っていた。


「全員、ヤツを殺せ」


 戦争が始まる。

 
 

 
後書き
琴葉の頭が可笑しいのは相変わらず。 
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