転生とらぶる
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機動戦士ガンダム
2180話
月の様子も一段落した――あくまでも以前と比べての話だが――のを確認した俺は、久しぶりにハワイに降りてきていた。
ハワイまでやって来た理由は幾つかあるが、その中でも最大の理由はやはりHLVの打ち上げ施設についてだった。
……そう、作り始めてからまだ半月も経っていないのに、既にハワイではHLVの打ち上げが可能な状態となっていたのだ。
これも、文字通りの意味で24時間態勢で働いていたメギロート、バッタ、コバッタ、量産型Wといった連中の能力のおかげだろう。
勿論、あくまでも今はHLVが発射可能になったというだけであって、まだこれから宇宙港は拡張されていく事になる。
ともあれ、折角HLVの打ち上げ施設が完成したのだからという事で、その第一陣の発射を見る為にやってきたのだ。
除幕式とか、そんなニュアンス的な感じでいいのか?
ともあれ、ルナ・ジオンに移住を希望する為にクレイドルに向かう人数は、かなりの数になる。
この打ち上げ施設は出来たばかりだが、恐らくこれから暫くは寝る間もないくらい忙しくなるだろう。……まぁ、ハワイの住人の雇用という目的では、そこまで悪い話ではないのだろうが。
ともあれ、その最初の打ち上げも終わり……俺の姿は、ハワイを治めているルナ・ジオンの基地の中にあった。
そして俺の前では、ゲラートが深刻な表情を浮かべながら俺の方に数枚の写真を渡してくる。
そこに映し出されているのは、数機のザク。
それもただのザクではなく、陸戦型……いわゆる、J型と言われるザクだ。
それはいい。元々地球侵攻作戦の為にジオニック社で開発されていたというのは聞いているし、ルナ・ジオンにやって来た技術者からデータも貰っているのだから。
だが、この写真で問題なのは……
「模擬戦って訳じゃないよな?」
「ああ。それは機体が実際に被害を受けているのを見れば分かるだろう」
ゲラートの言葉に、俺は再び写真に視線を向ける。
そこに写されているのは、間違いなくJ型同士が戦っている光景だった。
それも模擬戦の類ではなく、お互いに実弾を使った本当の意味での実戦で。
「連邦が動いた、か」
「だろうな。ジオン軍のパイロットも、別に全員が全てジオン公国に対して忠誠心を持っている訳ではない。……特に今は、ルナ・ジオンもいるしな」
「だからこそ、連邦としてはパイロットと一緒に降伏させる事も出来る、と」
恐らく今までに何機ものMSやパイロットが連邦に降伏したり寝返ったりといった真似はしている筈だ。
ただ、この場合問題なのは……ザクを、しかも地上戦闘用に開発されたJ型を実戦に出しているという事だろう。
今の連邦軍の立場なら、MSという標本は幾らあっても足りない筈だ。
それこそ、連邦軍でMSの開発をするのだから、その手本になるようなのは少しでも多くあった方がいいのは間違いない。
だというのに、こうして実戦に出してきたという事は……
「連邦軍でもうザクは資料として必要なくなったのか、もしくは資料として必要十分な数を入手した後で、戦力として使い始めたのか」
「恐らく後者だろうな。同時に、MSパイロットをやっている者に実戦経験を積ませるという意味もあるだろう」
ゲラートの言葉に、そう言えば……と納得する。
ルナ・ジオン軍に所属しているMSパイロットは、元ジオン軍の精鋭が多いからこそ、MSの操縦に戸惑うという事もない。
……ジン、シグー、ストライクダガーに関しても、操縦系統の違いから若干戸惑ったものの、機種転換訓練そのものは特に問題なく終わっていた。
だが、それはあくまでもジオン軍でMSに搭乗してからからこその話であって、それが連邦軍となれば違う。
連邦軍に投降したMSパイロットから、色々と情報を……それこそ、MSパイロットとなる為にはどのような訓練をしているのかとか、そういうのは聞き出していると思うが、それは人聞きの情報でしかない。
シミュレーションしかやった事のないパイロットが実戦で役に立つかと言われれば、それはちょっと難しいだろう。
であれば、やはりここで必要になるのは実際に戦いを経験したパイロット。
それも、信頼性からジオン軍から投降してきたパイロットではなく、連邦軍の軍人での話だ。
また、連邦軍とジオン軍ではMSを含めて軍隊としての形も色々と違う。
そうである以上、ジオン軍の編成とかMS運用のノウハウがそのまま使える訳でもない。
となると、その辺りも実戦を経験していく事で連邦軍に相応しい形に仕上げていく必要がある。
また、その際にジオン軍に被害を与えるような事が出来ればよりベストな結果……といったところか。
「となると、連邦もいよいよ本格的に……って訳じゃないけど、動き出したって事か」
「だろうな」
俺の言葉に、ゲラートが若干憂鬱そうに呟く。
「どうした? ジオン軍と連邦軍の戦いが激しくなるのは、前もって分かっていた事だろう? なら、今の状況でそこまで憂鬱になる必要はないと思うが。連邦軍でもMSを開発しているってのは、前もって分かっていた事だし」
とはいえ、ルリやラピス対策にコンピュータそのものにデータを残さないといった手段をとられたので、現在連邦軍のMS開発がどこまで進んでいるのかというのは、はっきりとは分からない。
だが、こうしてザクを戦場に出してきたという事は、そちらの方も1歩進んだと、そう思ってもおかしくはないだろう。
「それは分かってるんだがな。ただ、俺が予想してたよりも随分と早い。これは……やはりルナ・ジオン……いや、シャドウミラーの影響ではないのか?」
そう言い、ゲラートの視線がこちらに向けられた。
ゲラートにしてみれば、俺達の存在が悪影響を与えたのではないかと、そう言いたいのだろうが……それは否定出来ない。
シャドウミラーの機体を見た連邦軍としては、ザクだけではなくそれを見て何らかの参考にした可能性は否定出来なかった。
……連邦軍にしてみれば、ジオン軍の突撃機動軍を1機だけで蹂躙したニーズヘッグというのは、それこそ喉から手が出る程に欲しいだろうし。
もっとも、ニーズヘッグはあくまでも俺専用の機体であって、もし普通のパイロットが乗っても、ほぼ間違いなくGによって重傷……場合によっては死ぬ事になるだろう。
まぁ、それ以前にT-LINKシステムが反応しないから、機体を起動させる事も出来ないだろうが。
「それは否定しない。ただ、シャドウミラーの機体を目指しても……それこそ、一足飛びに俺達のような機体が作れるとは思わないけどな」
シャドウミラーの機体、特に主力量産機のシャドウは、それこそシャドウミラーにいる技術班の天才達が開発した機体だ。
それを連邦軍やジオン軍が幾ら開発しようとしても、技術力そのものが足りない。
それに……もし開発出来たとしても、そこにはコストの問題が関わってくる。
シャドウミラーの場合は、キブツという反則的な装置があるからコストをそこまで気にする必要はない。
それこそ、スペースデブリやゴミ、BETAの死骸といった物がキブツに投入され、資源に変える事が出来るのだ。
だからこそ、本来ならゲシュペンスト・タイプRVのようなカスタム機並の高コストな機体を量産出来ている。
「そうかもしれないな。だが、連邦やジオンには具体的にどれくらいの技術が必要なのかは分からない。それこそ、出来るだけすぐにそのような機体を開発しようとしても、おかしな話ではない。……いや、寧ろ当然の事だろうな」
そう告げるゲラートの表情は、どこか悪戯っぽい笑みが……いや、悪ガキと評すべき笑みが浮かんでいる。
ホワイトスターに行って、直接どのような技術レベルを持っているのかを実感したゲラートにしてみれば、ジオン軍にしろ連邦軍にしろ、そう簡単にシャドウミラーの使うようなMS――正確にはPTだが――を作れる訳がないと、そう理解しているのだろう。
「ともあれ、だ。シャドウミラーの機体の事はともかくとして、連邦軍がMSの開発を本格化させたのは間違いない。そうなると、これまでのようにジオン軍の連戦連勝という訳にはいかないだろうな」
そう言うが、地球では既に連邦軍が幾つか勝利を収めつつあるという話は、俺も知っている。
宇宙であればMSが最強の兵器と言っても間違いないのだが、地球での戦いとなると、連邦軍以外に重力とも戦わなくてはならなくなる。
宇宙であれば3次元的な動きをする事が出来るが、地上では基本的に2次元の動きしか出来ない。
いや、MSも一応跳躍は出来るので、必ずしも3次元的な動きが出来ない訳ではないのだが、宇宙での行動に比べれば自由度は格段に劣ってしまう。
そうである以上、運動性という点で宇宙に比べると地上では劣ってしまい、しかも地球は連邦軍にとってのホームグラウンドだ。
個々の性能ではザクに敵わずとも、61式戦車のように大量に用意して一斉に発射し、回避する隙間を与えなければ、それで十分なのだ。
……もっとも、実際にそれをやるのは簡単ではないのだが。
ともあれ、そんな感じで地球でなら連邦軍とジオン軍は、ジオン軍が有利ではあるが、宇宙程に圧倒的という訳でもない。
「実際、連邦軍のパイロットの操縦技術はどうなんだ? 何か情報は入ってないのか?」
「技量という点では、かなり高い。……連邦だって、折角入手したMSを腕の悪いパイロットに与えて破壊されるなんて真似はして欲しくないだろうしな」
「それは否定しない。となると、技量の高いパイロットを集めている、か」
「ああ。ただし、基本的にMSパイロットの候補は戦闘機乗りから選ばれているらしい」
「その点はそこまでおかしくはないだろ」
MSという未知の兵器に乗るパイロットを選ぶのだから、精鋭を揃えるのは当然だ。
そして、連邦軍においてそれは戦闘機パイロットだったという事だろう。
戦車のパイロットとかも、可能性としてはあるのだが……連邦軍にとって、MSというのは戦闘機の方がより近いと判断されたという事か。
とはいえ、戦闘機のパイロットだからといって無条件でMSのパイロットになれる訳でもない筈だ。
だとすれば、希望者が選抜され、そうしてJ型のパイロットになっている訳か。
「ジオン軍にとっては厄介だな」
「いや、ジオン軍だけじゃない。こっちにとってもだ」
「……何?」
ゲラートの口から出たのは、俺にとっても少し予想外の言葉だった。
何故ここで俺達までもが厄介だと、そう認識するのか、それが分からなかったからだ。
「俺達の拠点はこのハワイ諸島だが、このハワイ諸島から近いオーストラリアやメキシコ、日本……といった場所で、J型の姿がこれ見よがしに見つかる事がある」
「それが、連邦軍の仕業だと?」
「可能性としてな」
俺の言葉にゲラートはあっさりとそう告げる。
ハワイというのは、周囲を海に囲まれており、大陸までの距離もかなりある。
そんな状況である以上、オーストラリアやメキシコ、日本といったように、ゲラートが言った場所にMSが姿を現しても、おかしな話ではない。ないが……違和感はある。
オーストラリアはコロニー落としの影響があるが、それでいながらジオンが援助物資を渡している関係でジオンの勢力は大きい。
日本や東南アジアに関しても、オーストラリア程ではないにしろ、ジオンの影響力はそれなりにある。
だが……メキシコ。
ここでMSが発見されたのは、怪しい。
北米はジオン軍の手に落ちたものの、メキシコがあるのは非常に南米に近い位置だ。
そして南米には連邦軍の本部たるジャブローが存在し、北米からのジオン軍の侵入を阻止している。
勿論完全に阻止している訳ではない以上、メキシコにザクがいてもおかしくはないのだが……それでも、違和感があるのは間違いなかった。
そもそも、ザク同士で戦っているという時点で明らかにおかしいのだが。
「連邦軍がジオン軍の振りをして、俺達を挑発している?」
「可能性は否定出来ないな。連邦軍にしてみれば、ルナ・ジオンとジオン公国の関係が悪化するのは、寧ろ望むところの筈だ。そうである以上、そのくらいの工作をしてもおかしくはない。……もっとも、連邦軍がMSを手に入れて、そのテストのために動かしているのを、こちらがそのように誤解した……という可能性も否定は出来ないが」
「……やっぱり、連邦軍の中でも地位のある奴と一度くらい会っておいた方がいいかもな」
「それが出来れば問題はないだろうが、そう簡単にそんな真似が……」
「取りあえず、ジャブローに行ってみるのもいいかもしれないな」
「待て待て待て。そもそも、連邦軍の誰に会うのかも決まってないだろう。であれば、もっと慎重に動くべきだ」
慌てたように言うゲラートの言葉を聞きながら、俺は誰に会うべきなのかの情報をどうやって集めるべきか考えるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:235
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1435
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