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レーヴァティン

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第七十一話 南の港町その二

「そうなっていたし」
「本当に危険が一杯だね」
「そんな航海だったから」
「危ないことは事実だね」
「ええ、夢はあってもね」
「ううん、夢には危険が伴う場合もある」
「それもまた世の中よ。それにこの島は広くても」
 清音は自分達が今いる島のことも話した。
「そこまでの冒険にはならないわよ」
「コロンブスみたいな」
「そうした島じゃないわよ」
「そうだよね」
「もう何処に何があるかもわかってるし」
「だからだね」
「漂流することはね」
「まずないね」
「大西洋とか太平洋とかね」
 清音はこうした自分達の世界の大海のことを話した。
「そういう大海もないし」
「広いいっていっても湖でね」
「何日か進めば絶対に陸地に着くから」
「漂流の心配はない島だね」
「そこは助かるわ。しかも羅針盤もあるし」
 清音はこの道具の名前も出した。
「正確な海図と」
「その二つがあると大きいね」
 剛も清音に応えて言った。
「航海に」
「そう、だからね」
「この島では大航海時代みたいなリクスもないね」
「それはかなり助かってるわよ」
「その通りだね、若しもね」
 剛は清音に応えてこうも言った。
「そうしたものがなかったら」
「羅針盤や正確な海図が」
「この島でもね」
 自分達の世界の様に大海がなく数日で陸地に着ける様であってもだ。
「かなりね」
「安全な航海が出来る様になってるわ」
「そうだよね」
「この場合は航海じゃなくて航湖だけれど」 
 淳二はこう訂正した。
「それはその通りだね」
「そうでしょ」
「バイキングでも海図っていうか湖図と羅針盤は持って行ってたぜ」
 そのバイキングの芳直の言葉だ。
「その二つはな」
「絶対によね」
「ああ、持って行かないとな」
 それこそというのだ。
「船で動くなんてな」
「出来るものではないわね」
「そうだったよ」
 こう清音に話した。
「本当にな」
「そこが私達の世界のバイキングと違うわね」
「あっちのバイキングはそういうのなかったよな」
「正確な海図も羅針盤もね」
「それで欧州中暴れ回ったんだったな」
「新大陸にも行ったそうね」
 荒れる北海を踏破してだ。
「そうしていたらしいわね」
「凄いよな、そう考えると」
「そうね、あのバイキング船でね」
「どれだけタフなんだよ、けれどそうした航海もな」
「危険と隣り合わせだったわよ」
「だよな、むしろ大航海時代の時以上だったな」
「船の大きさが違うからね」
「そうだよな、海の冒険も危険と隣り合わせってことだな」
 芳直はあらためて言った。
「つまりは」
「そうよ、新大陸に行くことも胡椒を手に入れることも」
「バイキングだってな」
「どれもね」
 まさにと言うのだった。 
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