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オズのエリカ

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第一幕その七

「心配だからよ」
「これだけ大勢一緒なの」
「そうよ。アン王女に臆病ライオンと腹ペコタイガーがいて」
 まとめ役と頼りになる二匹の獣達にです。
「ジョージ達も一緒ならね」
「それでっていうのね」
「心配はいらないわ」
「やれやれね。私はそんなに心配なのね」
「貴女だけじゃ放っておけないわ」
 とてもというのです。
「だから言うのよ」
「本当に難儀な話ね」
「難儀も何もね」
 それこそというのです。
「貴女はよ」
「困った娘だっていうの」
「そうよ。もっと大人しくて静かだったら」
 そうした猫ならというのです。
「私も心配しないのに」
「私も同じよ」
 オズマも言ってきました。
「貴女位よくも悪くも猫らしい猫はいないから」
「心配だっていうのね」
「貴女だけで冒険に行かせられないわ」
 そうだというのです。
「だから今回のメンバーを集めたのよ」
「全く。どうしたものかしら」
「どうしたものかしらじゃなくて少しは大人しくすることよ」
 このことがエリカにとって必要だというのです。
「貴女はね」
「何度も言うけれど心配無用よ」
「とてもそうは思えないわ」 
 何度でも言うと言わんばかりのオズマでした、そうしたお話をしているうちに木挽きの馬が王宮に戻ってきました。その背中にはアン王女がいます。
 そしてそのアンが馬から降りてオズマに敬礼してから言いました。
「今回は誘ってくれて有り難う」
「ええ。じゃあ悪いけれどね」
「カドリングに行くのね」
「グリンダのところにね」
「この娘の建国の承認ね」
 アンはここでエリカを見ました、それでこの娘も言うのでした。
「この娘が女王になるのね」
「猫の国のね」
「大丈夫かしら」
「あら、貴女もそう言うのね」
「言うわよ。だって貴女はね」
 それこそというのです。
「悪戯好きで気まぐれで我儘で飽きっぽいから」
「だからっていうのね」
「本当に大丈夫かしらってね」
 その様にというのです。
「思うわ」
「杞憂ね。皆に言うけれど」
「杞憂じゃないわね」
 アンはそこはきっぱりと否定しました。
「私も貴女の性格はよく知ってるから」
「それでそう言うの」
「そうよ」
 その通りだというのです。
「建国はいいとして国家元首はね」
「別の猫がいいっていうのね」
「そう思うわ。他の誰かにね」
「私が建国するから私が女王になるのは当然でしょ」
「やれやれね。まあとりあえず今からね」
 アンはエリカのあくまでそう言うことにやれやれと思ってそれでまずは冒険の旅に出発することにしました。
「グリンダさんのお城に向かいましょう」
「待って、もう夕方だから」
 ここでオズマが止めました。
「だからね」
「それでっていうの」
「ええ。出発はね」
 それはというのです。 
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