英雄伝説~灰の軌跡~ 閃Ⅲ篇
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外伝~想定外(イレギュラー)の戦い~ 後篇
~星見の塔・屋上~
「風よ――――我が力となれ!」
「セリカ様、私達に御力を―――――英雄領域の付術!!」
「応えよ―――――トリプルオーダー!!」
戦闘開始時アリオスは気功で自身の身体能力を強化し、シュリは魔術で味方や自分の集中力を、エルミナは攻撃、防御に加えてブレイクダメージを高めるブレイブオーダーを発動してオルディーネと戦う味方の様々な能力を上昇させた。
「喰らうがいい―――――クリミナルエッジ!!」
そこにオルディーネが周囲を薙ぎ払う強力な一撃でルイーネ達目がけて襲い掛かかったが
「みんなを守ってください~!神護の結界~!!」
「何………っ!?」
サリアがドーム型に展開した絶対障壁がオルディーネの双刃剣を受け止め、結界によって攻撃を受け止められたオルディーネの操縦席にいるジークフリードは驚いた。
「狙いは外さないよ――――それっ!」
「ぐっ!?」
サリアがオルディーネの攻撃を防ぐとマリーニャが人間離れした跳躍力でオルディーネの頭の位置まで跳躍した後無数の短剣をオルディーネの両目目がけて放ち、短剣が両目に命中した事でオルディーネのダメージがフィードバックしたジークフリードは怯んだ。
「―――零距離、もらいました。ファイアー――――ッ!!」
「あんたに見切れるかい!?――――旋転斬!!」
「何………っ!?」
オルディーネが怯んでいる間に距離を詰めたアルはオルディーネの右足から超至近距離で関節部分目がけて連射し、パティルナは投刃で左足の関節部分を攻撃した後更にサマーソルトキックを叩き込んでオルディーネの態勢を崩し
「崩しました!」
「私も続くわ♪――――私の剣、見えるかしら?シューティングスター!!」
「崩したよ!」
「続きます!―――走れ―――ダブルサーキュラー!!」
オルディーネの態勢が崩れるとそれぞれとリンクを結んでいるルイーネが目にも止まらぬスピードで突撃して細剣を繰り出し、エルミナは突撃して双剣を極僅かな時間差で繰り出す連続攻撃で追撃した。
「原初の炎に焼き尽くされるがよい――――メル=ステリナル!!」
「セリカ様、邪悪なる者達に裁きの焔を――――贖罪の聖光焔!!」
「みんな……もえ、ちゃえ………メル=ステリナル。」
「ぐああああああっ!?」
ルイーネ達がオルディーネに接近戦を仕掛ける事で後衛の魔術の詠唱時間が確保され、詠唱を終えたレシェンテとシュリ、ナベリウスはそれぞれ灼熱の炎と聖なる炎を発生させる最高位魔術をオルディーネに叩き込み、三つの最高位魔術によって発生する炎をその身に受けたオルディーネは大ダメージを受けると共に、更に操縦席にいるジークフリートも全てを塵も残さず焼き尽くす炎が機体に叩き込まれたため、フィードバックによるダメージと機体越しに伝わる熱さを感じたことで悲鳴を上げた。
「御雪さん~、お願いします~!」
「凍え死になさい………!」
「うおおおおおおおおおっ!?」
三つの魔術による炎が消えた事で哀れにも蒼き機体が黒焦げの状態のオルディーネが現れるとサリアが東方風の白い着物を身にまとっていることからまるで”雪女”のような姿をした女性――――”氷魔神”御雪を召喚し、召喚された氷魔神は猛吹雪を発生させてオルディーネとジークフリートを苦しめた。
「秘技――――裏疾風!ハアァッ!!」
「一点集中!――――乱れ突き!!」
「ぐうっ!?」
そこにアリオスがカマイタチを纏った電光石火の連続攻撃で、マリーニャは両手に持つ短剣でオルディーネの右足を目にも見えぬ速さで一点集中攻撃してオルディーネに追撃をし、灼熱の炎と猛吹雪を連続で受けた事による激しい温度差の影響でゼムリアストーン製であるオルディーネの装甲は脆くなっており、関節を攻撃されていないにも関わらず関節を攻撃された時のような痛恨のダメージを受けてしまった。
「クッ………まさか生身で僅かな時間でオルディーネにこれ程のダメージを与えるとは完全に敵の戦力を見誤っていたな………神気発動!」
ジークフリートは立て続けに受けた機体のダメージを回復するために霊力を取り込んで機体のダメージを回復させたが
「すごいの、いきますよ~!ルン=アウエラ~!!」
「ごろごろ……どっかーん………リーフ=ファセト。」
「身も心も凍てつくがよい――――ユン=ステリナル!!」
「ぐがああああああああっ!?」
サリアとナベリウス、レシェンテが放った3種類の最上位魔術が命中した為、回復したダメージは無駄になった。
「凍って下さい!!」
三人の魔術が終わるとシュリは両手に持つ魔導銃から冷却属性の魔導弾をオルディーネの両足目がけて無数に放ち、シュリのクラフト―――凍結拡散撃ちによってオルディーネの足元は氷に包まれた為身動きが取れなくなった。
「二の型――――疾風!!」
「あたしのナイフ捌き、見切れるかしら!?ハァァァァァァ――――乱れ斬り!!」
「暗黒魔力集束――――深淵剣!まだです―――フェア・バティス!!」
「うふふ、踊りなさい――――パラレル・スティング!カドラプル・ペイン!!」
「薙ぎ払え―――エンド・リボルバー!!」
「唸りな――――烈震斬!さあ、暴れるよ!乱舞!!」
オルディーネの動きが一時的に封じられたことを好機と判断したアリオス、マリーニャ、アル、ルイーネ、エルミナ、パティルナは一斉に襲い掛かって次々とオルディーネに攻撃を叩き込んだ。
「なななななななっ!?な、生身でオルディーネ――――”騎神”相手に……!」
「まさに一方的な試合と言ってもいい圧倒的な戦いを繰り広げていますわね………」
「そ、それに………魔術師と思われる方々が放つ魔術はあまりにも圧倒的すぎます……!」
「あんな威力、近代兵器どころか、新型の”ドラグノフ級列車砲”でも絶対出せないわよ………」
「そうね……それこそベルフェゴール達と比べても遜色ない”化物”っぷりね。ソロモンの”冥門侯”と思われる娘はわかるけど、後のメイド達は見た目は人間でありながらあんな”人外”じみた魔術を平気で次々と撃つとか一体何者なのよ………」
ルイーネ達の戦いを見守っていたマキアスは驚きのあまり混乱し、シャロンは目を丸くし、信じられない表情をしているエマと表情を引き攣らせているアリサの言葉に同意したセリーヌは疲れた表情で呟き
「ハハ、マリーニャさん達が相変わらずの強さなのは理解していたが、まさか噂に聞く”六銃士”の面々までマリーニャさん達と比べても遜色ない強さだったとはね………」
(さすがはかの”神殺し”の”使徒”達といったところですか。)
(ええ…………それに”六銃士”が戦闘している所も初めて見ますが………彼らも古のメルキアが発展するきっかけとなった戦争を生き抜いた猛者達だけあって、メンフィル軍(我々)の将軍や元帥クラスと遜色ない戦闘能力ですね。)
「そういえばエリゼのお師匠様は確か今”劫焔”という執行者と剣を交えているセリカさんという方に元々お仕えしている方との事だけど………もしかしてその方もマリーニャさん達と同じ存在なのかしら?」
「ええ。そしてエクリア様はセリカ様の使徒達の纏め役でもある”第一使徒”よ。」
「うふふ、あの蒼いガラクタ、”終わった”わね。」
「ふふふ、彼らは果たして”操縦者”を生かすのでしょうかね?」
オリビエが苦笑しながら、サフィナとセシリアが真剣な表情で戦いを見守っている中あることを思い出したアルフィンに訊ねられたエリゼは静かな笑みを浮かべてある人物を思い浮かべ、戦いがどうなるかわかっていたベルフェゴールは暢気な様子で呟き、リザイラは静かな笑みを浮かべてアリサたちに視線を向けた。
「………………」
「あれが”風の剣聖”と”六銃士”の”力”…………」
「凄い……まさかミッシェルさんも遥かに超える魔法の使い手があんなにたくさんいるなんて………」
「私達……夢でも見ているのでしょうか……?」
「クク、メイドの連中やチビ蝙蝠娘も見た目とは裏腹に相当イカれた連中だな。」
「フフ、さすがはクロスベルの”切り札”といった所でしょうか。(あのような凄まじい使い手達を味方にできる”こちらの世界の私”が羨ましいですわね。)」
「相変わらず”化物”じみた方々です。」
一方機甲兵から降りて仲間たちと共に戦いを見守っていたユウナはルイーネ達の圧倒的な強さに口をパクパクさせ、クルトとゲルド、リーゼアリアは呆け、アッシュは不敵な笑みを浮かべ、ミューズは静かな笑みを浮かべ、アルティナは疲れた表情で呟き
「皆さん、相変わらずの強さですわね……あの様子ですとオルディーネは間違いなくルイーネ皇妃陛下たちに破壊されるでしょうね。」
「ああ、問題は”蒼のジークフリード”と名乗っている仮面の男をどうするかだな………」
「クスクス、それと今も静観している”蒼の深淵”に対してヴァイスお兄さんたちはどうするかも気になるわね。」
(フフ、こんな”想定外”、結社、地精双方共に想定もしていなかったでしょうね。いえ、それどころか”あの男”にとっても―――――………それにしても”嵐の剣神”、だったかしら。確か彼が盟主を討った仇の一人だそうだけど…………フフ、中々いい男ね。”劫焔”すらも歯牙にもかけない戦闘能力でレオンと似た雰囲気を纏っていながら多くの女性を囲っているなんて、私個人としても”色々な意味”で興味深い人物ね。)
苦笑しているセレーネの推測にセリカ達の戦いの間にヴァリマールから降りたリィンは同意した後複雑そうな表情でアリサたちに視線を向け、レンは興味ありげな様子で戦いに介入することなく静観し続けているクロチルダに視線を向け、クロチルダは意味ありげな笑みを浮かべて戦いを見守っていた。
「ハア、ハア………ぐっ………まさか俺達が生身相手にここまで追いつめられるとは………こんな事になるのであれば、イレギュラー共の挑発に従ってあの場を撤退すべきだったな……」
ルイーネ達との戦闘によって蓄積されたダメージでオルディーネは既に追いつめられており、操縦席にいるジークフリートもオルディーネが受けたダメージによって瀕死の状態で操縦しつつ、カンパネルラとマクバーンもそれぞれ自分同様追いつめられている様子が目に入った。
「”蛇”の方も劣勢か………恐らくイレギュラー共は蛇ごと地精(俺達)も”狩る”つもりだな……だが、このジークフリート、ただで狩られると思うな……!」
そしてジークフリートはせめてルイーネ達に一矢を報いるためにダメージ無視の捨て身の一撃を放つ為にルイーネ達に突撃しようとしたが
「汝、美の祝福賜らば、我その至宝、紫苑の鎖に繋ぎとめん!――――――アブソリュートゼロ!!」
「贖罪無き罪は罰と化し……裁きの時を呼び寄せる……ペイルフレアー。」
「がああああああああああっ!?」
普段よりも長い詠唱を必要としている”大魔術”の詠唱を終えたレシェンテは世界をも凍てつかせる程の極寒の猛吹雪を発生させる大魔術を、ナベリウスは骨も残さず焼き尽くす冥界の炎を呼び寄せる大魔術を発動し、2種類の大魔術によるダメージに耐えきれなかったジークフリードは悲鳴を上げ、オルディーネは地面に膝をついた。
「セリカ様――――裁きの槍を!メギドの神槍!!」
「古の深淵よ、我が槍に滅びの力を―――――ソロモンの魔槍!!」
「全部、貫いてやっつけてください~!アウエラの槍~!!」
「ぁ――――――」
そこにシュリとアル、サリアが放った神聖、暗黒、そして純粋の三属性の最上位魔力が込められた槍がオルディーネの双刃剣目がけて襲い掛かり、三種類の最上位魔力が込められた槍が双刃剣に命中すると凄まじい大爆発が起こった後ゼムリアストーン製の双刃剣は木端微塵に砕け散った!
「受けて見よっ!滅びの太刀!!ハアアアアアアアア――――――ッ!!」
「あたしの本気―――――ついてこれるかしら!?ハァァァァァァ………!秘技!稲妻奇襲!!」
その時Sクラフトを発動したアリオスは全身に膨大な闘気を纏って跳躍し、マリーニャはまるで稲妻になったかのような凄まじい速さでオルディーネを中心に縦横無尽に駆けながら無数の斬撃を叩き込み始めた。
「エルちゃん、パティちゃん♪久しぶりに一緒にいきましょうか♪」
「はい、ルイーネ様!」
「オッケー、お姉さま!――――まずはあたしから!」
一方ルイーネ、エルミナ、パティルナの三人はそれぞれ視線を交わして頷いた後パティルナが自身の得物を勢いよく投擲してオルディーネを怯ませ
「次、私が続きます!」
パティルナの攻撃の間にオルディーネに詰め寄っていたエルミナがパティルナの攻撃が命中した後にすぐに双剣で切り付けてそのまま駆け抜け
「うふふ、次は私ね♪」
エルミナの攻撃が命中するとルイーネが細剣による怒涛の連続突きを放った後神速の突進攻撃で追撃すると共に駆け抜け
「これが!」
「”三銃士”の!」
「”力”よ♪」
そして三人は三方向から同時に突進攻撃を行って駆け抜け、3人が駆け抜けるとオルディーネを中心に大爆発が起こった!
「「「三銃士の協撃!!」」」
「があああああああああっ!?」
かつて”三銃士”と呼ばれたルイーネ達の協力技――――三銃士の協撃によってオルディーネの四肢はもがれた!
「絶――――黒皇!!」
そこに空高くへと跳躍したアリオスがオルディーネの頭上から襲い掛かり、太刀に凄まじい風のエネルギーを纏わせたアリオスはそのままオルディーネを真っ二つに斬りながら核に到達した後オルディーネから離れた。すると核を中心に風のエネルギーの大爆発が炸裂し
「ガハッ!?」
風の大爆発の炸裂によって核が粉々に砕け散った事で、核の中にいたジークフリートは爆発による衝撃で吹き飛ばされ、地面に叩き付けられた!
「我が覇道についてくるがいい――――覇王陣”勇敢”!!」
リセル達と共にカンパネルラとの戦闘を開始したヴァイスは味方を加速させ、更にブレイクダメージを圧倒的に上昇させるブレイブオーダーを発動し
「レイ=ルーン!!」
「わわっ!?」
ヴァイスのブレイブオーダーによって詠唱も加速させたエルファティシアは片手から極太の魔力レーザーをカンパネルラに放ち、カンパネルラは慌てて回避した。
「逃がしません――――精密砲撃!!」
「あいたっ!?」
エルファティシアの魔術を回避したカンパネルラだったが、回避の瞬間を狙っていたリセルがカンパネルラ目がけて精密な砲撃をし、リセルの武装である砲剣の砲口から放たれた導力砲弾はカンパネルラに命中すると爆裂してカンパネルラを怯ませ
「崩しました!」
「もらったわ!リーフ=グラオス!!」
カンパネルラが怯むとリセルとリンクを結んでいるエルファティシアが炸裂する自然の魔力が込められた球体を放って追撃した。
「燃えちまいなぁっ!――――豪炎斬!!」
「あぶなっ!?お返しだよっ!」
闘気による炎を纏わせた大剣で襲い掛かったギュランドロスのクラフトを後退して回避したカンパネルラは指を鳴らしてギュランドロスの周囲にカマイタチを発生させて反撃したが
「オラアッ!」
「な―――――け、剣の一振りでカマイタチを全て吹き飛ばすとか無茶苦茶だよ……」
ギュランドロスは自身の武装を軽く振るってカマイタチを吹き飛ばし、それを見たカンパネルラは表情を引き攣らせた。
「ま、その男が無茶苦茶な男なのは否定せんよ。――――剛震突き!!」
「!?ぐ……っ!?」
その時リセル達の攻撃の間にカンパネルラの背後へと回ったヴァイスが自身の武装である大剣でカンパネルラ目がけて突き刺し攻撃を放ち、ヴァイスの奇襲を転移で回避したカンパネルラだったが、転移する寸前に脇腹に突きが命中していた為、転移した後のカンパネルラは表情を僅かに歪めて脇腹から血を流していた。
「魔力凝縮―――――爆ぜよ、サヴァンの爆発!!」
「!うああああああっ!?」
そこにエルファティシアが魔術を発動させ、エルファティシアの魔術によってカンパネルラを中心に魔力が凝縮した後大爆発が起こり、大爆発が起こる瞬間結界を全身に覆って直撃を防ごうとしたカンパネルラだったが、ルーンエルフ族の女王であったエルファティシアの魔力による高位魔術の前では全く意味を成さず、カンパネルラの結界は易々と破壊されてカンパネルラは大爆発の直撃を受けたことで悲鳴を上げた。
「貫け――――剛進突破剣!!」
「いたっ!?」
エルファティシアの魔術による爆発が終わった直後にリセルは衝撃波と共に突進してカンパネルラとすれ違った瞬間斬撃を叩き込んで追撃し
「行くぞ―――薙ぎ払え!!」
「クク、纏めてぶった斬ってやらあっ!!」
「ぎゃああああああああっ!?」
リセルの追撃が終わるとヴァイスがカンパネルラの背後から、ギュランドロスがカンパネルラの正面からと、カンパネルラを挟み撃ちにする形でそれぞれの大剣で薙ぎ払い攻撃を放ち、二人の薙ぎ払いによってカンパネルラは腹と背中から大量の血を出血させながら悲鳴を上げた。
「ハア、ハア………”六銃士”が相当な実力者であることは知っていたけど、まさか最低でもレーヴェクラスだなんて完全に想定外だよ………しかも、皇妃の二人も全員最低でもレーヴェクラスでないと対抗できないレベルの戦闘能力とか、勘弁してほしいよ………」
転移魔術で一端ヴァイス達から距離を取ったカンパネルラは満身創痍の状態で息を切らせつつ、周囲を見回すとそれぞれの相手に一方的に押され続けているマクバーンとオルディーネに気づいた。
「不味い――――!マクバーンもそうだけど、”蒼”にも今倒れてもらうわけには―――――クッ…………まだ霊力も回復しきっていない状況で”アレ”を撃ちたくはなかったけど、やむをえないね……!」
二人の劣勢に血相を変えたカンパネルラは表情を厳しくした後一気に勝負を決めるためにSクラフトを発動させた。するとカンパネルラはのの頭上に”塩の杭”を模倣した巨大な”杭”が顕れた。
「ルリエンよ、汝の裁きを今ここに―――――」
するとカンパネルラが大技を仕掛ける事を悟ったエルファティシアは自身の頭上に凄まじい魔力が集束した事によって槍の姿へと顕させ
「全部、塩になっちゃえ!!」
「ルリエンの裁き!!」
カンパネルラが巨大な”杭”を放つと同時に”槍”を放った!すると”杭”と”槍”がぶつかった瞬間、槍は”杭”を易々と貫いてカンパネルラ目がけて襲い掛かり、貫かれた”杭”は真っ二つになって空中で消滅した!
「な―――――あぐっ!?くっ………」
自身の大技が易々と無効化された事に驚いたカンパネルラは襲い掛かる槍に気づくと咄嗟に側面に跳躍して直撃は回避したが、槍が地面に刺さった瞬間に起こった光の大爆発に巻き込まれ、ダメージを受けた後”ブレイク”状態になって、致命的な隙ができた。
「リセル、共に行くぞ!」
「はい!どこまでもお供します、ヴァイス様!」
カンパネルラにできた隙を見逃さないかのようにヴァイスはリセルと視線を交わした後カンパネルラに強烈な斬撃を叩き込んで一端下がり、ヴァイスの一撃離脱と入れ替わるようにリセルは怒涛の連続砲撃で追撃し、砲撃を終えた後ヴァイスと同時にカンパネルラに斬り込んだ!
「「ロードストライク!!」」
「うあああああああっ!?」
ヴァイスとリセルが放った連携突撃技を受けたことでカンパネルラは二人に斬られた場所から大量の血を出血させながら悲鳴を上げた。
「こいつで止めだ。――――――沈めやぁっ!」
「へぶっ!?――――あぐっ!?」
そして止めにギュランドロスがカンパネルラに詰め寄って剛腕をカンパネルラの顔目がけて振るい、ギュランドロスの剛腕を防御する余裕もなくまともに受けたカンパネルラは殴られた際に折れた鼻から血を流しながら吹っ飛ばされ、柱に叩き付けられた!
「飛燕の如く――――飛燕陣!!」
「マーズテリアよ、我らに御身のご加護を――――防護の聖域!!」
マクバーンとの戦闘を開始したセリカはあらゆる攻撃手段の威力を上昇させるブレイブオーダーを発動させて自分とロカを強化し、ロカは魔術で自分とセリカの防御能力を上昇させた。
「燃えちまえっ!」
「「!!」」
マクバーンは敵の身体能力の上昇状態を打ち消す効果もあるクラフト―――ギルティフレイムをセリカ達に放ったが、二人は軽やかな動きで左右に跳躍して回避した。
「行けっ!」
「ハッ、そんなもんが効くかよ!」
マクバーンの攻撃を回避したロカは反撃に自身の魔導鎧から神聖属性が込められた魔導砲弾をマクバーンへと放ち、マクバーンへと放たれた砲弾はマクバーンが振るった炎の剣によって焼き斬られた。
「沙綾―――――」
「クク、来いやぁっ、嵐の剣神!!」
そこにセリカがマクバーンへと襲い掛かり、襲い掛かるセリカを見たマクバーンは不敵な笑みを浮かべて炎剣を構えて迎撃しようとしたが
「身妖舞!!」
「な―――速――――チッ!?」
一瞬で6度も振るったセリカの高速剣を見切れず、セリカが放った斬撃全てを受けてしまった。
「雷光―――円舞剣!!」
「ガッ!?」
「崩れた!」
「隙あり!壊山槍!!」
「ガアッ!?」
続けて放たれた魔剣に雷光を纏わせたセリカの薙ぎ払い攻撃を受けたマクバーンが怯むとセリカとリンクを結んでいるロカが聖なる魔力を纏わせた槍で山をも崩壊させたと言われる強烈な一撃を繰り出し、亡霊である為聖なる魔力に弱いマクバーンはロカの一撃を受けると思わずうめき声をあげた。
「走れ、黒き雷―――――黒ゼレフの電撃!!」
「そんな雷、喰らってやるよ―――ヘルハウンド!!」
セリカが高電圧の黒い電撃を放つとマクバーンは黒き焔の狼を放ってセリカの電撃を飲み込もうとしたが、”神殺し”であるセリカの魔力の前では結社最強の一人と恐れられていたマクバーンの莫大な魔力を嘲笑うかのように易々とセリカの電撃はマクバーンの炎の狼を一瞬で消滅させた後マクバーンへと襲い掛かり
「何っ!?」
「マーズテリアよ、邪悪なる者達に裁きの炎を――――贖罪の聖炎!!」
「があああああああっ!?」
自身のクラフトが易々と飲み込まれた事にマクバーンは驚きつつも回避したが、続けて放たれたロカの魔術によって発生した神聖なる炎を受けてしまい、思わず悲鳴をあげる程のダメージを受けてしまった。
「雷光――――滅鋼斬!!」
ロカの魔術によってマクバーンが苦しんでいる間にマクバーンとの距離を詰めたセリカは雷光を纏わせた魔剣による強烈な一撃を放ち
「舐めん――――じゃねぇっ!」
セリカの追撃に気づいていたマクバーンは自身の異能によって形成された焔の剣による強烈な一撃―――ヘルフレアを放って対抗した。すると二人の剣がぶつかり合った瞬間、セリカの魔剣はマクバーンの焔の剣を真っ二つに切り裂いてそのままマクバーンへと襲い掛かった!
「な――――ぐああああああああッ!?」
自身の異能によって作られた焔の剣が易々と斬られた事に驚いたマクバーンはすぐに回避行動をとったが、高速で放たれたセリカの強烈な一撃には間に合わず、セリカの雷光を纏わせた強烈な一撃は焔の剣を持っていたマクバーンの腕を”霊体ごと”斬り、霊体ごと腕が斬られたマクバーンは片腕を失った状態で悲鳴を上げ
「薙ぎ払え――――斬!!」
「ガアッ!?」
更にロカが側面から聖槍による薙ぎ払い攻撃で追撃し、マクバーンに更なるダメージを与えた。
「ハア、ハア………!ク、クク……俺が……また、負ける―――いや、殺される……?”英雄王”達にリベンジもできずに……?」
セリカ達との戦闘によって満身創痍の状態のマクバーンは不敵な笑みを浮かべ
「そんな事……ありえる訳がねぇだろうが―――――――ッ!!」
やがて全身に膨大な黒き焔を纏わせる咆哮―――――オーバーヒートを発動させてダメージや霊力を回復させた。
「俺の”全部”、耐えられるものなら耐えてみろ!オォォォォォ―――――――ッ!!ヘル――――ハザードッ!!」
全身に膨大な黒き焔を溜めたマクバーンは残った片腕から巨大な黒き焔の球体をセリカ達目がけて放った!
「枢孔―――――紅燐剣!!」
対するセリカは刀身に真空の刃を創り出して広範囲を攻撃する飛燕剣の剣技―――――”紅燐剣”の最上位技を解き放った!すると解き放たれた無数の真空の刃は黒き焔の球体を”木端微塵に斬り裂いた!”
「な……あ……っ!?」
剣技によって自身の最大技が防がれるという信じられない出来事にマクバーンが目を見開いて驚いたその時!
「マーズテリアよ、あらゆる穢れの浄化の光を今ここに――――――天界光!!」
「ぐがあああああああああああああああああああっ!?」
ロカがあらゆる穢れを消滅させる究極の神聖魔術を発動させ、天より顕れた究極の神聖魔術の光の柱を受けたマクバーンは悲鳴を上げて大ダメージを受け
「終わりだ。飛燕―――――」
「!!」
そこにセリカがマクバーンに向かって神速で飛び込んで一瞬で無数の斬撃を叩き込み
「姫神恍舞!!」
「ガ……ア………ッ!?ク……ソ……”最高の祭り”が……始まる前に……俺が死ぬ……だと…っ…!?クソ―――――――――――ッ!!」
そしてマクバーンの背後に立ったセリカが魔剣を一振りするとマクバーンの霊体はバラバラになり、マクバーンは瀕死の状態の霊体ごと無数に斬り裂かれた事によって、自身が魂ごと抹消される事に悔しさの咆哮を上げながら消滅した!
「――――だから、言っただろう。”リウイよりも上の俺の実力”にすら気づかないお前のような”雑魚”如きでは、リウイには決して届かないと。」
マクバーンの消滅を確認したセリカはマクバーンの無謀さに呆れながら魔剣を鞘に納めた―――――
後書き
という訳でオルディーネとマクバーンはここで退場ですwwもう、現時点で結社、地精共にかなり戦力が削られているような気がw
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