オズのガラスの猫
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第十二幕その十一
「どんなことになっても」
「ええ、そうよね」
「あたし達がいて切り抜けられたピンチもあったりして」
「そう、あたし達がいてこそね」
「そうしたこともあったしね」
「それだけの力が最初から備わっていたのよ」
「そういうことね」
二人で納得してお話をします、そのお話をエクレアを食べつつ聞いてです、ナターシャは思うのでした。
「貴女達みたいになりたいとね」
「思ったのね」
「ええ、確かに貴女達の活躍は大きいから」
「そうでしょ」
「選択次第で困ったことになっても」
「それを乗り越えるだけの力を備えることよ」
「そのことも大事ってことね」
ナターシャは納得した顔で頷きました。
「そうね」
「その通りよ」
ガラスの猫も頷いて答えます、そうしたお話をしつつです。
皆はデザートも楽しみました、そしてでした。
楽しいお食事の後は今度は夜まで踊って歌って演奏をしてのパーティーでした。両国のそれぞれの人達が歌やダンスや演奏を披露します。それが終わったら皆ぐっすりと寝てです。
翌朝オズマは両国の人達に笑顔で言いました。
「では仲直りも出来たし」
「これで、ですね」
「姫様は都に帰られるんですね」
「そうさせてもらうわ」
こう言うのでした。
「また機会があればね」
「はい、いらして下さい」
「もう喧嘩はしないですから」
「是非楽しくです」
「遊びましょう」
「そうしましょうね、じゃあまた」
オズマ達も両国の人達も笑顔で挨拶をしてでした、そのうえでお別れをしてです。
一行は都への帰路につきました、もう都までは黄色い煉瓦の道を歩いていくだけでした。
一行はウィンキーの国を横断して都に着きました、するとドロシーが皆を笑顔で迎えてそのうえでこう言ってきました。
「仲直り出来たのね、両国は」
「ええ、最高の形でね」
オズマはドロシーににこりと笑って答えました。
「出来たわ」
「それは何よりよ、都はね」
「どうだったのかしら」
「平和だったわ」
こうオズマに答えるのでした。
「最高にね」
「そう、それは何よりね」
「皆も助けてくれたお陰で政治もね」
こちらもとうのです。
「無事にね」
「出来たのね」
「ええ、そうよ」
こうオズマに言うのでした。
「よかったわ」
「それは何よりね、もっとも貴女だけでもね」
「私だけでも?」
「充分だったと思うけれど」
ドロシーならというのです。
「私の代わりが充分に出来た筈よ」
「そうかしら」
「ええ、貴女ならね」
「私はそうは思わないけれど」
「それは謙遜よ、貴女ならね」
「出来たのね」
「一人でね、それでだけれど」
ここでお話を変えたオズマでした。
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