オズのガラスの猫
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第十二幕その十
「一旦目を閉じてね」
「そうしてよね」
「開いて見たものをね」
「食べればいいのね」
「そうすればいいのよ」
「もうそれでいいのね」
「食べるのならそれでいいでしょ」
そうして決めればというのです。
「もうね」
「そういうことね、しかしね」
「しかしっていうと?」
「貴女は本当にいつも迷わずに動くのは」
「そうよ、色々あったらそうして決めるかね」
「勘でなのね」
「決めるから、どっちの決め方にするかは」
それはといいますと。
「もうその時の気分でなのよ」
「決めてるのね」
「そうしてるわ」
「何か貴女みたいに決められたら」
「いいでしょ」
「迷わないならね」
「迷ってもどうせ結果は大して変わらないのよ」
ガラスの猫は平然として言いました。
「あれこれ悩んで考えてもそれがいい結果になる?」
「悪い判断が悪い結果にもなるわよ」
「そっちに行ってもあたしは悪い結果にしない自信があるの」
「そうなの」
「そう、あたしならね」
今度は自信を以て言うガラスの猫でした。
「それが出来るのよ」
「そうした自信があるから」
「あたしはそうして決められるの」
「成程、そうなの」
「あたしらしいでしょ、このことも」
「ええ、本当にね」
「それで困ったこともないしね」
それもないというのです。
「ピンチでこそ迷ったら駄目なのよ」
「すぐに決めて」
「すぐに動くべきよ、あんたは雨が降ったらどうするのよ」
「傘をさすか雨宿りをするわ」
「そうよね、迷わないわよね」
「迷ったら濡れるわ」
「だったらよ、迷わないことよ」
ピンチでこそというのです。
「絶対にね」
「そういうことなのね」
「そう、まああたしはそれが出来るけれど」
どんな選択をしても悪い結果にしないことがです。
「あんた達は違うのね」
「ええ、どうしてもね」
「それはもうね」
「もう?」
「あんた達が実力をつけるしかないわね」
「どんな選択をしても困ったことにはならない位の」
「そうした力を備えるしかないわね」
こうナターシャに言うのでした、ここでナターシャはエクレアを食べ終えました。そしてまたでした。
目を閉じて開いてです、今度はマカロンを手に取りました。そうしてからガラスの猫に対して言うのでした。
「努力してなのね」
「そう、力を備えることよ」
「そうなのね」
「あたしは最初から備わっていたけれどね」
「というかあたし達って何時でも何とでもなってるのよね」
つぎはぎ娘がくるくると踊りつつ言ってきました。
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