空に星が輝く様に
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77部分:第七話 二人の仲その二
第七話 二人の仲その二
「それでさ」
「よく知っておられるんですね」
「西堀だってそうだろ?」
そして月美にも問うのだった。
「好きだったらやっぱりよく知っているよな」
「はい、それは」
「好きこそものの上手なれっていうしさ」
「そうですね。自然と知りたいと思うようになって」
「それでなんだよ。俺もそうなんだよな」
陽太郎はにこにことした顔で話してきた。
「それでジャニーズだってさ」
「それでなんですね」
「そうさ。じゃあ俺は」
「斉宮君は?」
「これだけれど」
こう言ってであった。彼もCDを出してきたのだった。それは。
「嵐ですか」
「アルバムだけれどどうかな」
こう月美に問うのだった。
「よかったら聴く?」
「いいんですか?」
月美はその陽太郎に対して問い返した。
「あの、それは斉宮君の」
「いいさ。俺はもう何度も聴いたし。それに」
「それに?」
「もう一枚持ってるから」
だからいいというのだった。実際に鞄からもう一枚出してきた。それはジャニーズではなかった。それとは別のアイドルのCDであった。
「これさ」
「それは」
「モーニング娘。も好きなんだよな」
「あっ、モーニング娘。もいいですよね」
「古いって言われるかも知れないけれどさ」
こう前置きはした。しかしであった。
「けれどそれでも好きなんだよな」
「私は石川梨華さんが好きでして」
「じゃあ美勇伝かな」
「はい、大好きです」
彼女がというのだった。
「ですから」
「そうか。俺はメンバーじゃないけれど松浦亜弥がさ」
「そうですか」
「好きなんだよな。やっぱりさ」
「成程」
「じゃあさ、これさ」
こう言ってまたCDを見せたのだった。そうしてだ。
月美も微笑んでだ。そのCDを受け取った。
そのうえでディスクプレーヤーに入れて聴いてみる。その感想は。
「いいですよね。ダンスが見られないのが残念ですけれど」
「そうだろ?いいだろ」
「はい」
こんな話をしていた。二人は次第に仲をよくさせていた。だがしかしである。月美は学校に行くとクラスでは相変わらず一人であった。
クラスに入る時はいつも一人だった。そして星華達の冷たい視線を受ける。それが朝練が終わった後のいつものはじまりだった。
だがすぐにだ。椎名がクラスに来る。そうして彼女の傍に来るのだった。
「おはよう、つきぴー」
「おはよう、愛ちゃん」
椎名は表情に乏しいが月美はにこりと笑う。これもいつものやり取りだ。
星華達はそれを見てだ。苦々しい顔になる。これもいつもだった。
「また来てるし」
「ずっと休み時間はいるしね」
「そうよね。他のクラスなのに」
「言っても帰らないし」
四人はその椎名を見ながら不平を言うだけだった。しかしそれ以上は何もできはしなかった。月美はいじめられたりすることはなかった。
そしてだ。授業が終わるとだ。月美は部活に行く。そこには部員達がいる。彼女達は少なくとも彼女に対して悪いことをすることはなかった。
「ねえ月美ちゃん」
「ここどうするの?」
「どうしたらいいの?」
それどころか彼女にあれやこれやと聞くばかりだった。
彼女は二段だけの実力はあった。その技は見事なものであった。鋭く見事なものである。居合のその他のことも見事であった。
しかも同じ道場には陽太郎もいる。彼女は皆に支えられている形だった。
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