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こんなチートでもありですかい?そうですかい。

作者:わいわい
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第22話。変人と『錬金』術師。

 
前書き
イタリア編第2話。ちょっとねつ造話あり。 

 

結構な距離を歩いて着いたそこは中々立派な洋館だった。

まぁアインツベルンが誇る城とまではいかないが、凛ちゃん家よりデカイかな?

3mぐらいの見上げるような門を開けようとして見るが、当然の如く開かない。

めんどくさいが、ジャンプ一番。全く、なんだって金持ちは何でも大きくするのかね?やべっダジャレいっちった。

屋敷の扉は開いていた。ざっと気配を調べてみるが人ナシ、確実に二十七祖クラス1、死徒っぽいの1、グール一杯。

でも死徒っぽいのは殺さんでいい判定が出ている『同類』な変な死徒だからついてるっちゃぁついているな。

しかし、ほんとに出来たよ遭遇戦。アレか、たいがーの運はここまであるのか。やべぇなたいがー。

ガチで尊敬できるレベルですよ。ぜってー幸運EXとかもってるだろ。・・あいつとは絶対に賭けごとしないようにしよう。

死徒っぽいのは1階の少し先に居るようだ。よし、いつもの如くステルスシンゴでいってみよー。





・・・・只今ステルスシンゴ展開中の晋吾です。まぁ、任意発動じゃないく初見殺しなんだけどね。

何故か4回目、5回目と会う回数が増えるうちに効きづらくなるみたい。シロちゃんには全く効かないしね。

んで、死徒っぽい人?に近づいたんですが、あれですよ。グール蹴散らしてるんですよその人。

まぁ見た目を軽く説明すると、紫の三つ編みにした髪に紫の服にミニスカート。

はい。シオンさんですねわかります。

俺の持ちキャラキターーーーーーーーーー!!

くぅ・・ゲーセンに入り浸った大学時代が懐かしいす。

てかなんでここにいるの?え?もしかしてここに居る二十七祖ってタタリ?いやいやいや。原作崩壊もほどがあるでしょ。

思考に耽っていたら、ふと顔を開けると突然ホールに大量にあふれ出すグール。うわぁ・・きもいぃい。

しかしシオンさんは堪ったものじゃない。大変そうだ。なので手伝うことにした。

相棒・・エス○リボ○グを取りだす。グールの集団に突撃し、一人一人きっちり撲殺していく。

バットで、足で、拳で、的確に脳天を捕えた一撃により、醜い音をあげながら下品な死体をさらす。ざっと十数秒と言ったところ。

ハッハッハ。自分のことやけどチートも大概にせい。って感じですねー

シオンさんは驚愕の表情でこちらに気づく。

「どうも、隣の突撃晩御飯ですー。」
「?もう食べましたが?」

真面目に返された。流石シオンさん。パネェっす。

「こんなところに子供?」
「所がどっこい、タダの子供やないんよ。」
「当たり前です。あれだけのグールを一瞬で倒す子供が、普通であったら堪りません。」

意味はよくわからないが、ナチュラルに会話をしていることに、戸惑いの表情を浮かべながら会話をするシオン。

「ところでの、ここに死徒二十七祖?いるやろ。」
「・・・・」
「手伝わせてくれんかの?二十七祖殺し。」

シオンにはその少年が何者なのか、計り知れなかった。





side シオン・エルトナム・アトラシア



二人は晋吾による先導で二十七祖の元に向かう。何故かは知らないが、この少年はどこにいるかが分かる様子。

はっきりした足取りがそれを証明しているようであった。

シオンは晋吾との会話をしながら時々出てくるグールを蹴散らしつつ、彼女の持つ分割思考の一つを使い、この少年について考えていた。

話をしていくつか入った情報は日本人であること。旅行でここローマに来て、散歩がてら、死徒の匂いがしたので潰しに来たと言っている。

散歩がてらとか、死徒の匂いなどと言っている時点で普通ではないコトは容易に分かるが、一番不可思議であるのは・・この『空気』だ。

初対面でなおかつ、二十七祖に列ねる死徒がいるであろう屋敷に侵入している状況にも関わらず、こうもリラックスが『できる』こと。

この少年が来てからのこの『安心感』。魔術を使っているようには感じられない。異能か何かか?

こっそりとエーテライトを用意することを決意する。会話の中で視線を使い、前方に注意を向かせた隙に脳の『ハッキング』を試みる。





見えてくる。

煌々と光る星々。無限に広がる宇宙そら。金色の髪をした少女。その後ろにいる銀髪の男性。白い世界。

そこは何もかも、自分でさえ白く――――





SIDE OUT



「ねーちゃん。おーいねーちゃーん。」

いきなりボーっとし始めたシオンさんのほほをぺちぺちとはたく。

「なんやー。いきなりどないし・・・・なんやこれ?」

なんかシオンさんから俺の頭に伸びていた細い糸を取る。

「ハッ!」
「おっ。気づきよったわ。」

・・・・これはあかんわ。エーテライト使われてたお。やべぇ超焦るわー。

幼女神と会った時のうん十倍焦るわー。

これは高校の時に、青い扉で青い壁のトイレに入って行ったら女子トイレだったときと同じぐらいの焦り具合だな。

「いきなりどうしたん?大丈夫かい?」
「いえ、大丈夫です。・・・・少し気が抜けたみたいです。」

極力冷静さを保とうとしているようだけど、戸惑いの様子を隠せないシオンさん。マジで何を見た?

ぐあー、しかし俺に気づかれないようにエーテライト使うとは流石過ぎる。悔しいが、何とか話題を変えて空気を濁すしかない。

「そういえばの。」
「・・・・なんでしょうか?」
「名前聞くの忘れてたの。」
「・・そう言えばそうでしたね。私はシオン・エルトナム・アトラシアです。」
「シオンさんな。」
「別に敬称はいりませんよ?」
「そか。俺はシンゴ・エミヤや。よろしゅう。」
「ええ。よろしく。」

フッ、少し空気が入れ替わったぜ。さて、気を取り直して先を進むぞ。





歩いているうちに少しシオンさん改め、シオンについて聞いた。まぁほとんど知っているがな。

アトラス院の錬金術師。いつも思いが、人体を演算装置として事象を変換って、なんじゃそりゃ?

つうか『錬金』術師っておかしいだろ?異議あり!姉ちゃんの実家見たいならまだ分かるけどさ。

てかね、あのメルブラの空中移動とかもその事象の『錬金』らしい。

実際に見て、2段ジャンプすんな!とか空中走るの禁止!とか色々突っ込みたくなった。

チートの俺でも出来ないことを平然とやってのけるシオンに脱帽。?

べっ・・別に憧れてなんか居ないんだからねっ!!

つい凛ちゃんの真似をしてしまったよ。

んでもって、二十七祖の死徒とどうやって勝つつもりだったの?って聞いたら出てきた例の弾。

タタリの残骸から作ったものはどうでもよかったが、もう一つのアレはヤバいわ―。

銃身がレプリカなのが救いだが、多分俺も喰らったらきつい。まぁ当たればの話だがね。

当たらなければどうということはない!!

あとね。絶対に見えないスカートは計算なんですか?って聞きたいけど聞けない。

ちなみにここに来た理由はやはりタタリ絡みで、最近ここローマで、炎に抱かれて歩く人の噂が飛びまわっていたからとか。

え?何ソレ?殺人鬼の再来なんかより怖いんですけど?

「しかし、凄いですね。」
「お?」
「あなたのその魔力硬化でしたか?ひどく興味を引かれます。」
「マジで?」
「ええ。ぜひ研究させて欲しいですね。」

恐れていたことが現実に!?

「いやいや。俺も研究することあるから遠慮してもらいたいわ。」
「研究?なにかしているのですか?」
「おお。ロボット的なことをの。」
「こんな魔力を持っていて科学側ですか。なんてもったいない。」
「いやなに、俺はこんなんおまけ的にしか考えてないからの。」
「・・・・フッ、面白い人ですね。」

鼻で笑われたわー。お兄さんショックー。

「おっ、この部屋やで。」

他のと比べ、やたらとデカイ扉の前に立つ二人。まさにいかにもという所だ。

「ここにタタリが・・・・」

ぎゅーっと拳を強く握り、目つきがきつくなるシオン。

「まぁ落ち着きや。それに、タタリとは限らんかもしれんしの。」
「?それはどういう・・」
「異様にグールが多すぎやない?タタリってこんなんだっけ?」
「・・・・確かにそうでしたね。なるほど、飄々としているようで、あなたはなかなか冷静なのですね。」

なんか褒められた。

照れ隠しに、何もなかったかのように扉を開ける。

だだっ広い部屋の中に、椅子に座った金髪の男が一人。そしてその目の前で何かを燃やしているようだ。

「・・・・貴様らが余の鑑賞の時間を邪魔するものか。」

火に向けていた目をこちらに向けて不快感をあらわにする男。

「あなたは・・・・」?

男は再び目を火の方に向けると火は勢いよく燃え上がり、燃やしていた何かを灰に変える。

「余はスフィア・ヘリオポーズ。」
「スフィア・ヘリオポーズ!死徒二十七祖の紅蓮皇帝!!」

シオンは焦った。彼は死徒の中でも人間に対する興味が高い。それも悪い意味で。

彼は人を燃やすことに一種の美を感じている。

「・・・・シオン。」

晋吾も困った表情を浮かべる。目の前の死徒の力量を感じたのか?





「せめて英語で話して?私イタリア語わかりませーん。」





「・・・・」
「・・・・」

二人の冷めた目線を受けている晋吾です。ションベンちびりそうです。

いやな、しゃーないじゃん?知らない言葉で盛り上がられても訳が分からん。

でも言葉分からなくても潜水艦映画とかならいけるよ?何言ってるのか分からないのにドキドキする臨場感は異常。

「人間・・いや人間もどきの少年よ。これでいいか」

金髪の男は英語で話してくれた。感謝です!!

「いやーありがたい。話についていけなくて困ったわー。あと普通じゃないけどこれでも人間なのでよろしゅう。」
「あなたって人は・・。いえ、晋吾がどういう人間か分かってきた気がします。」
「人間でなく人間である存在。・・・・なるほど。フッフッフ。久しぶりに燃やしがいのある人間に会えた。貴様の魂がどのように燃えるか興味がある。」

興味を持たれてしまった。つーか若干気づかれてるのはなんでだ?

「いやはや、那由他の彼方から態々ご苦労なことだ。そんな器で使命を果たせるのか?」
「おう。最高級のモノにしてもろうたからの。・・・・試してみるか?」
「クックック。楽しくなってきたぞ。余の炎技。とくとご覧あれ!アポストロスよ!!」

勢いよく立ちあがり、両手を振うと現れる炎が一つ。驚いた表情のシオンを小脇に抱え横に避ける。

着地とともにシオンを手放し、両手で『相棒』を握り、突貫。

上段で構え、振り下ろす瞬間に左手を外側に開き、軌道をずらす。

すると脳天をガードしていた右手を避け、首筋の左側に直撃する。

しかし、死徒二十七祖の肉体ポテンシャルは高いらしく、釘部分が刺さらない。

予定と違ってしまった晋吾はいったん距離を取る。

「いやー。こいつは骨が折れるのー。」
「ぐっ・・。肉の器に閉じこもっても使徒は使徒と言うことか・・・・。」

今ここに、使徒と死徒の戦いが始まる。 
 

 
後書き
ちなみに他のメルブラ勢の空中移動術の方法については特に考えてない。
 
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