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こんなチートでもありですかい?そうですかい。

作者:わいわい
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第21話。変人の旅行。


12月の中頃、そろそろ2学期も終わりに近づいた頃。

シロちゃんに夕飯の買い出しを頼まれて、商店街に買い物をしに来た。

「あらめずらし!今日は士郎君じゃないのかい?」
「おうおばちゃん。相変わらずテンション高いの。」

基本俺はここには来ない。

シロちゃんはここでも人気者らしく、その兄であるからか、やたらとハイテンションで話しかけてくるので、相手にするのが疲れるためあまりこないのである。

「はい毎度あり!」
「あんがと、おばちゃん。」

買うもの買ってサッサと帰ろう。次は八百屋だ。

「そうそう。これは忘れてた。」
「なによ。」
「はい。福引券。」

福引券?

「商店街で今やってるのよ。福引。」
「ほ~。」
「一等は何と!イタリア旅行チケット!!」
「イタリア?マジで?スゲぇな商店街。太っ腹や。」
「みんなでお金出し合ったのよ~。2組までだからチャンスは2倍よ!」

確かにここの商店街は毎日のように人であふれてるが、ずいぶん金周りのいいものだ。

「まぁええわ。ありがたく貰っておくで。」

その後八百屋でも同様に貰って、2枚になった福引券。どうしよう。俺くじ運あまりないんだよね。

「あっ、晋吾だ。」
「げぇ。」
「げぇじゃないでしょー。」

頬をふくらませてブーブーいうたいがー。・・・・はっ!!

「たいがー。・・・・なにするし。」

何故かチョップを受ける。そして痛そうにしているたいがー。

「タイガーいうな~。いたい~。お姉ちゃんなんだぞー。」

痛そうに手をさするたいがー。流石チートボディ。堅かったのか。

「鍛えてますから。」
「ふーん。そうなんだー。」

アホでよかった。

「商店街で買いもんしたら福引券もらったんよ。」
「へー。商店街福引なんか始めたんだ。」
「そいでな。俺の代わりに引いてほしんよ。くじ運とかええやろ?」









「2等や2等の神戸牛を狙うんや。」
「福引って狙えるもんじゃないでしょ?」

いやいや、たいがーの運を信じてるんだって。

ゆっくりと抽選器(たしかガラポンって言ったか?)を回すたいがー。

そして出てくる金色の玉。

「何等?」
「おめでとございます!!一等です!」

カランカランと鐘の音とともに熨斗のついた封筒を貰うたいがー。え?一等ってこんな簡単に出るもんなのか?

マジかよ・・・・今度宝くじやらせてみよう。

「もう一枚あるんやけど、これも頼むわ。今度は2等な。」
「おねーちゃんにまーっかせなさい!!そりゃー!」

一等を当てて調子に乗ったのか、掛け声とともに勢いよく回すたいがー。

そして当然の如く出てくる一等の証のゴールデンボール。どんな確立だし。





「って言うことで買い物行ったらイタリア旅行券を貰って帰ってきた。」
「珍しく買いものに行かせたらこれかよ・・・・」
「シロちゃんなんか言った?」
「いや、なにも。」

たいがーとともに帰ってきていつものように夕ご飯。もはやたいがーの存在がデファであることに驚きはない。

「イタリア旅行か~。行きたいけど部活があるんだよな。」
「何いっとるんやシロちゃん!ヨーロッパ旅行なんて中々出来るもんやないんやで!?」
「この間ドイツ行ったばかりじゃん。」
「たしかし。」
「部活も休めないしね。」

これだから体育会ってやつは!!

「とりあえず、俺とたいg・・藤ねえ?は行くやろ。」
「なんで疑問形なのよ。私もいってもいいの?」
「当たり前やがな。お前さんが当てたんやからのぉ。」
「ねぇねぇシンゴ。ナポリってどんなところ?何が有名?」
「行く気まんまんやな姉ちゃん。」
「イリヤが行くなら僕も行かないとね。」
「え?切嗣さんも!?・・・・(小声で)キター。」
「親父もいくん?うろうろしたらあかんで。」
「アレ?それって僕のセリフだと思うんだけど。」
「どっちもだな。」
「士郎の意見に激しく賛成だ。」

シロちゃんも舞弥姉ちゃんもヒドイぃ!!

「それなら親父に姉ちゃん、ニイさんに藤ねえの4人で行くのか?・・・・かなり不安なメンバーだ。」
「何言ってるのよ士郎。おねーさんに任せなさい!」
「何いっとるんじゃ。おめーさんが一番問題やがな。」
「どっちもどっちだと思うぞ。」

と、言うことでこの4人でイタリアに行くことになった。・・・・大丈夫なのか?









2学期も終わりクリスマスの数日後、イタリアに出発するため空港にきた。

「絶ッッッッ対に問題起さないでね!」
「何いっとるんやシロちゃん。俺がそんなことさせるわけなか。」

ニイさんが一番不安なんだ。と喉まで出かかって飲み込む士郎。どうせ分かってわくれまい。

「旅行の間、セブの世話頼んだで?」
「ペットじゃないんだからさ。」

ちなみに例のホムンクルスの名前はセバスチャンにした。愛称はセブ。

グリードで行く気満々だったのだが、姉ちゃんとシロちゃんの猛烈なダメ出しを喰らった。

後におもったんだが意味が『強欲』とかどこの厨二だよ。黒歴史だわ~。もう少し考えてから言えば良かった。鬱だ。

結局、姉ちゃんの『ドイツ産』なんだからドイツ人ぽい名前にしなさいって意見が入り、俺がふと浮かんだ名前にした。

今はペット兼置物(まだ達磨状態)として俺の研究部屋に置いてある。

「ほな、行ってくるで。」
「うろうろ行っちゃダメだからな!」

全くもーシロちゃんは心配症やな。





「晋吾。」
「お?」
「『アレ』の運搬は成功したよ。」
「おお。流石親父。外国は物騒やからのぉ。『武器』がないとな。」
「晋吾。せっかく隠語にした意味がないじゃないか。」
「むっ。そうやった。」

とりあえず『相棒』がいればどんなトラブルもイチコロだぜ。

「晋吾ー。切嗣さーん。」
「おー。今行くでー。」

危ないなら武器を持って行こう。という誰かさんみたいなテロリスト的思考回路になっていることを億尾も感じない晋吾であった。





約半日のフライトを経てイタリア・ローマへ。ここで2泊する予定。

たいがーは長時間フライトでへろへろ。姉ちゃんはそんなんでもないが疲れたみたい。

親父はよく外国を行ったり来たりしていたので余裕とのこと。オレ?愚問だな。

仕方がないのでホテルにて就寝。まぁ、こうなることを予想してたしな。

2日目。前日に俺と親父で決めた一般的な観光プランに沿って観光することに。

まずはスペイン広場にスペイン階段。有名らしい。

「なんでイタリアなのにスペインなの?」
「近くにスペイン大使館があるからだよ。」

ほー。まさか親父に教わるとは思わなかったぞ。

しばらく歩き、小舟の形をした噴水を発見。姉ちゃんがきゃっきゃと水で遊んでいたので

「ほれ。」
「きゃ!!」

軽く押して掴んだ。涙目で追いかけてくるので逃げることにした。

適当に逃げ廻って巻いたと思ったら迷子になったと思ったのか、姉ちゃんが泣きながら俺と親父の名前を呼んでいた。

悪いコトしたなと姉ちゃんを抱き上げてあやしていたら思いっきりつねられた。

「ごめんな姉ちゃん。」
「・・・許さないもん。」

結構前に教えてもらった魔力の探索・察知とかで親父を探してみることに。分かりにくかったけど見つかった。

たいがーと親父はカフェでお茶をしていて、たいがーはいかに親父がカッコよく押し売りから自分を助けてくれたかを俺らに話したが、

はいはいよかったねーと軽くながした。

腹も減っていたのでこのカフェで食べることに、親父がぺランぺランのイタリア語で注文していたのをカッコいいと不覚にも思ってしまった。

たいがーのね?ね?カッコいいでしょ?的な目線を向けてくるのではいはいよかったねーと軽くながした。

外国の紙幣を払う時にいつも思うが、日本の札と比べてペラペラしていて頼りなく思うのは自分だけか?

しばらく歩いて着いたのがトレビの泉。

親父曰く、後ろ向きで泉にコインを投げると、またローマに帰ってこられると言う伝説があるらしい。

ワクワクとやりたそうにしていたたいがーと姉ちゃんを後ろ目に

「俺、日本に帰りたいから止めとくわー。」

っていったら興をそぐようなことはヤメテ!っと怒られた。スイマセン。

次の場所へ歩いて移動。至る所に彫刻やら噴水やらがあって中々趣のある町である。

あの彫刻の手の上に登りて―と思うもぐっと我慢。噴水の噴水口を手で押さえたくなってもぐっと我慢。

流石イタリア。俺の感性をこうも刺激するとは・・やるなぁっ

疲れてきた姉ちゃんを肩車して、ようやくコロッセオについた。

「俺、ドラゴンとかは知らないけど、虎とかなら貫けると思うんだ。・・・・人指し指で。」

海賊王的に指銃でも圓明流的に指穿でもどっちでもおk。

「晋吾だったら無敗の剣闘士になれたんじゃない?」
「それじゃあ人指し指じゃなくって虎刺し指よ。」

虎刺し指・・なんかかっけぇ。やるな姉ちゃん。年々レベルがあがってるじゃないか。

コロッセオに入るまではなっがぁああい列を1時間ほどで消化し、ようやく入れた。

正直、俺がべちゃくちゃ喋ってなければ姉ちゃんもたいがーもすぐに飽きたであろう。

けど1時間並んだだけあってコロッセオは素晴しかった。

約5万人収容出来たらしく、構造も鉄骨を用いないものも火山灰を利用したコンクリートで出来ているため、現代のスタジアムにタメ張っている。

その大きさと歴史に大いに満足し、帰りは電車で帰る。姉ちゃんは親父の背中でもうおねむの様子。

ホテルについて夕飯。まぁ、普通でした。

いつも思うのだが、普段のシロちゃんの料理がうまいから、こういうところに来ると本当においしいものしか美味いと思えないのは不幸なのか?

お腹一杯になったら姉ちゃんとたいがーはもう限界らしく、部屋で就寝。

「まだ8時とか眠れん。食後の運動がてら散歩してくるわ。」
「わかったよ。気をつけ・・無くても大丈夫かな?」
「当たり前やがな。一応『相棒』連れてくで。」

と、言うことで夜のローマを歩く。ん、夜風が気持ちいい。

しかし近くにバチカンがあるせいかなんか変な感じ。だって教会なのに死徒の匂いがぷんぷんするとかそれどうよ?

あと町外れにスッゴイ臭いの居たなぁ。死徒より濃厚な匂い。姉ちゃんが言っていた死徒二十七祖って奴か?

とりあえず、突撃だ。昼間に色々と我慢した鬱憤を晴らしてやんよ!! 
 

 
後書き
次回は死徒二十七祖戦。しかしオリジナル二十七祖とかになりそう。
やっちまった感は否めないが、楽しんでくれると幸いです。
 
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