転生とらぶる
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
機動戦士ガンダム
2151話
高機動型ザクⅡとビグロのデータを見終わった後、俺は改めてニーズヘッグの尻尾の先端から伸びているウルドの糸を使い、基地全体にハッキングを仕掛ける。
ルリやラピスがやるように圧倒的なハッキングとはいかないが、それでもこのUC世界においてはハッキングとかの類に対する防衛策がまだそこまで発展していないのか、特に問題なくハッキングは完了する。
そうして……この基地の司令部との間に通信が繋がり、映像モニタに向こうの様子が映し出された。
まず目に入ったのは、部下に指示を出していると思しき女。
その女も突然映像モニタに俺の顔が表示されたからか、俺に気がつくと何も言わずじっとこちらを見てくる。
見た目は決して美形という訳ではないのだが、ただものではないと思わせる雰囲気を有していた。
俺は、それが誰なのかを当然のように知っていた。
何しろ、俺は仮にもシーマ艦隊のパイロットとして働いていたのだ。
つまり、この人物は俺にとっても臨時の上司でもあったという事になる。
「キシリア・ザビか」
『うむ。お前がアクセル・アルマーだな』
短い言葉の交換。
向こうも当然昨日の映像は見ていただろうから、俺がアクセル・アルマーであるというのは、当然のように理解していた。
お互いにお互いを知っている事が前提で、話を進める。
「さて、こうして俺が連絡を入れた理由は、言うまでもなく分かるな?」
『うむ。戦いは見せて貰った。……降伏しよう』
まさか、こうしてあっさりと降伏を口にするとは思わなかった。
いや、勿論現時点で突撃機動軍がどうしようもない程に追い詰められているのは、間違いない。
それこそ、こっちがかなり手加減した上で戦っている状態であっても、ニーズヘッグにかすり傷1つ付ける事も出来ていないのだから。
それは分かっているが……いや、だからこそ面子の問題もあり、こうしてあっさりと降伏してくるというのは、予想外だった。
「降伏をするように言った俺が聞くのもなんだが……本当にいいのか?」
『いいのかどうかで言えば、勿論全くよくはない。だが、あの戦いを見せられれば、こちらとしても士気が上がるような事はないからな。それに、こちらの被害そのものは多いが、人的被害という点では少ない。であれば、私としてはこれ以上被害が出る前に降伏を選択するというのは、決して間違った選択ではないと思う』
そう告げるキシリアに、俺は更に意外な感情を抱く。
シーマ艦隊の例を見れば分かるように、キシリアにとって人とは駒のようなものだという認識だったからだ。
いや、実際自分の駒だという認識は崩していないのだろう。
ただ、このまま俺と戦っても自分達は絶対に勝てない。それこそ、1つの軍隊がたった1人に負けるという、悪夢としか思えない光景に襲われたキシリアとしては、ここは大人しく降伏した方がいいと判断したのだろう。
『ルナ・ジオンの建国の際に、こちらの命は保証してくれると言ったが、それは事実か?』
「ああ、事実だ。実際、今までの戦闘で死んだ奴は……出来るだけ殺さないようにはしたし、0ではないにしろ、間違いなく戦闘の規模としては考えられないくらいの人数だったと思うんだが?」
『うむ。まだ全てを確認した訳ではないが、私の方で今のところ確認している限り、死者はいない』
そう言い切るキシリアの言葉は、これもまたメギロートによって中継されている筈だった。
つまり、この時点で俺が実際に殺した者の数は0だった訳だ。
それは、ステータスの撃墜数でもはっきりしている。……もっとも、俺と戦って暫く経った後、別の要因で死んだ者がいるという可能性もあったのだが。
「そうか、1人も死んでないというのは、そっちにとっても幸運だったな。……それで、これからお前達はどうするのか聞いてもいいか?」
『どうすると言われてもな。私は降伏する以上、そちらに身柄を預けるつもりだが?』
「ああ、それはいい。お前達はすぐに解放する。ただし、持っていけるのは、最低限の物だけだ。機密とか、そういうのには手を出すなよ」
降伏を許可して、グラナダからサイド3に戻るのは許可するが、現在この基地にあるデータや実験機の類を持っていく事は許可しない。
そう告げると、キシリアはあっさりと頷く。
『うむ、分かった。その通りにしよう。こちらは降伏した身である以上、無事に帰して貰えるだけで十分だ』
予想以上にあっさりとしてるな。
仮にも一軍のトップにいる存在が、こうまであっさりとこちらの指示に従うのはおかしくないか?
いやまぁ、もし断って俺の気分が悪くなったら、最悪の場合皆殺しという可能性もある以上、そう返事をするのもおかしくはない。おかしくはないのだが……
もしかして、本当に重要な機密の類は既に持ち出しているとかか?
考えてみれば、昨日の時点でこちらの……ルナ・ジオンとシャドウミラーの力を、これでもかと見せつけていたんだ。
であれば、当然キシリアは自分達の敗北の可能性も考え、そのような手段に出てもおかしくはない。
そして、更にこちらに残っているデータの中にフェイク……欺瞞情報の類が入っていたりすれば、余計にそれは効果的となる。
一瞬してやられたと思ったが、すぐに考え直す。
そもそも、シャドウミラーにはコンピュータ系に強いルリやラピス、それとバイト扱いではあるが、ネギま世界には長谷川もいる。
その辺りの事情を考えれば、それこそ多少欺瞞情報をどうにかしていようが、こちらにとっては問題ない。
データのサルベージや復旧といった行為は、恐らくかなり容易に出来るのだから。
ああ、ペルソナ世界の山岸もコンピュータ系は得意だったか。
……得意というレベルでは、ルリやラピス、長谷川よりは大分劣るのだが。
「なら、退去時間はこれから2時間だ。2時間後にまだこの基地に残っている人物は、こちらに敵対する意思を残している者だとして、今度は命を奪わないなんて真似はしないで、殺す事になる。いいな?」
『承知した。2時間だな。では、早速こちらも色々と動かなければならないので、この辺で失礼させて貰おう』
そう言うと、キシリアの通信が切れる。
さて、2時間か。そう言ったのはいいものの、果たしてそれまで何をどうやって時間を潰していればいいのやら。
いや、今の俺でもやるべき事はまだある。
まずは、クレイドルに連絡する方が先だろう。
それと、一応抜き取ったデータの類をルリやラピスに調べて貰う必要もある。
R-1型やビグロ、その発展系のMAの構想……この辺りは本物であって欲しいところだが。
取りあえずということで、通信機を使ってクレイドルに連絡を取る。
『アクセル、ご苦労様』
映像モニタに映し出されたのは、セイラ。
笑みを浮かべて俺の方を見ている。
当然ながら、セイラ達も生中継されていた映像を見ていたのだろう。
セイラを始めとして、ラルやシーマ、ダグラス、アンリといった主要人物の面々がその映像には出ている。
「ああ、取りあえずセイラとの約束通り、可能な限り人死には避けたぞ。……もっとも、これが具体的にどんな風に影響してくるのかってのは、ちょっと分からないけどな」
『そうね。もしかしたら、ルナ・ジオンにとってあまり良い結果にはならないかもしれないわ。けど、それでもルナ・ジオンの、そしてシャドウミラーの力を示す為には、必要な事だった筈よ』
そう断言するセイラに、俺もまぁ、そうだろうなと頷く。
相手を殺さずに無力化するというのは、非常に難易度が高い。
それを承知の上で、俺は今回それをやったのだ。
こちらの実力をこれ以上なく示すというのと、セイラは人の命を好んで奪うような真似はしないと示す為に。
……今回の標的として選ばれた突撃機動軍にとっては、貧乏くじどころの話ではないと思うが、それでもこの行動によってセイラは決して自分から人の死を望むような者ではないと、認識されただろう。
もっとも、当然のように連邦の上層部にいる連中は、すぐに信じるといった真似はしないだろう。
セイラも、そこまでは考えていない筈だ。
今回の標的は、あくまでも一般市民。
もっとも、連邦の政体は絶対民主主義と揶揄されるくらいだ。
一応民主主義の体裁をとってはいるが、その中身はとてもではないが民主主義とは言えない。
そもそもの話、地球に住む人と宇宙に住む人。アースノイドとスペースノイドではスペースノイドの方が人数としては圧倒的に上だ。
にも関わらず、コロニーの代表を決めるのもアースノイドなのだから、民主主義が聞いて呆れる。
そういう意味では、ジオン公国に期待が集まっていたのは間違いないのだが……コロニー落としのような馬鹿な真似をやらかし、それだけでは足りずにコロニーを攻撃してもいる。
その辺りの事情を考えれば、サイド3に期待するスペースノイドの数が少数になるのは間違いないだろう。
いや、もしルナ・ジオンが登場しなければ、そんなサイド3にも期待を抱くしかなかった人も多いかもしれないが……生憎とこの歴史は、原作になかったルナ・ジオンが存在している。
ジオン軍のやり方に嫌悪感を抱く者は、無理にジオン軍に対して希望を抱かなくても、ルナ・ジオンがいる。
……まぁ、ルナ・ジオンも敵対した相手には容赦しないので、別に平和主義という訳でもないのだが。
分類的には……一体どんな国になるんだ?
セイラが女王として君臨しているのを思えば、王制国家か?
そんな風に考えながらも、俺はセイラとの会話を続けていた。
「ああ、そうそう。突撃機動軍の基地から色々と重要そうなデータを抜き出したぞ。ただ、キシリアの態度を考えれば、全てとは言わなくても結構な数ダミーが入っている可能性が高い。ルリやラピスにデータの検証を頼んでくれ」
『……分かりました』
即断ではなく若干の沈黙の後でそう答えたのは、ルリやラピスのような子供をこの一件に巻き込む事を、心苦しく思ったからだろう。
女王として活動しているセイラではあったが、年下の子供がこういう作業に参加している事に思うところがあってもおかしくはない。
とはいえ、必要となればそれをどうにかする必要が出てくるのが、セイラの立場なのだが。
「じゃあ、頼んだ。それと、キシリア達がこの基地から……いや、グラナダから退去した後で、グラナダを含む基地を占拠する必要があるんだが、ルナ・ジオンからも人を出してくれるか?」
『そうね。今回の一件はあくまでも私達ルナ・ジオンがシャドウミラーに協力を要請して行った事。であれば、グラナダの占拠をアクセル達に完全に任せる訳にはいかない、か』
そう、実際にはシャドウミラーの戦力が主力であり、何か決める際にも、俺達の意見がかなり重要視されているのは間違いない。
だが、それでも……いや、だからこそと言うべきか、対外的にはセイラ達ルナ・ジオンこそが主導権を握っているという形にする必要があるのだ。
とはいえ、ジオンと連邦の上層部もそれを素直に信じるとは思えないが。
ただ、実際はどうあれ表向きにそうなっていれば、ジオンも連邦も迂闊にその辺を突くような真似は出来なくなるんだよな。
そんな訳で、実際に昨日占領した月の都市やジオンの基地といった場所には、当然のようにルナ・ジオンからも人が派遣されていた。
メギロートやバッタ、量産型Wはルナ・ジオンの人間の指示によって動いていたのだ。
もっとも、量産型Wにはルナ・ジオンの人間を監視するという役目もあったので、もし無謀な命令……それこそ、戦いに関係のない民間人を殺せとか、もしくは無意味に建物を破壊しろとか、あるいは金目の物を奪ってこいとか、そんな命令がされた場合は量産型Wは命令に従わず、その命令を出した相手を取り押さえるといったことをしていただろう。
幸い……というか、ルナ・ジオンとしての最初の軍事行動でそのような真似をする奴が出るのは色々と不味いとラル達も理解しており、作戦に参加するメンバーは非常に慎重に選ばれていたが。
もっとも、馬鹿な真似をすればルナ・ジオンから追放されるというのは知っている以上、そんな真似をする奴はいなかったのだが。
少しでもクレイドルで生活をしてみれば、コロニーとは比べものにならない程に快適な場所だというのは、誰でも分かる。
それどころか、きちんと家とかを貰えて仕事がなくて困るという事もないのだから、スペースノイドにしてみれば、ルナ・ジオンは天国の如き場所だろう。
それを捨ててまで一時の欲望を満たそうとする奴は……まぁ、いないとは限らないが、幾ら何でもそういう馬鹿にまで構っているような余裕は俺にはない。
「じゃあ、その辺の配置は任せた。多分大丈夫だとは思うけど、万が一の為にある程度自衛が出来るような奴を送ってくれよ」
こうして、セイラ達と話しながら約束の時間まで暇潰しをするのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:235
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1435
ページ上へ戻る