レーヴァティン
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第六十七話 宗教都市その十四
「それだったらな」
「一転して有能な働き者になるじゃない」
「無能な怠け者も一緒にか」
「有能な働き者になるけれど」
「要は適材適所か」
「けれどね、どうしようもない奴はね」
ここでは正が言う馬鹿女議員つまり今の日本の野党にいる女性議員達のことだ、他人を責めることは三度の飯より好きだが自分のことには一切言わない様な。
「もう有能とか無能とか働き者とか怠け者以前に」
「どうしようもないか」
「つまり屑がいるのよ」
「よく言われる四段階の下にか」
「まさに橋にも棒にもならない、煮ても焼いても駄目」
「完全に駄目ってことだな」
「こんな連中は論外でね」
それこそと言う留奈だった。
「絶対に使ったら駄目、陣営に近付けることもね」
「駄目か」
「そんな奴がいるわね」
世の中にはというのだ。
「正直ね」
「そうか、それでどうやら十人目はか」
「出来るわね、まあ枢機卿になるにも色々で」
「謀略とかか?」
自分達の世界のバチカンの歴史からだ、久志はこう返した。ローマ=カトリック教会は長い間神に仕える場所ではなく陰謀渦巻く世界であったのだ。
「悪い意味での政治か」
「それかも知れないわね」
留奈も否定しなかった、彼女もバチカンの歴史を知っているからだ。
「もうあらゆる手段を使っていってね」
「枢機卿になったか」
「実際そうした人も多かったし」
あちらの世界のバチカンの歴史ではだ。
「こちらでもやっぱりね」
「あるか」
「人間の世界には付きものでしょ」
「人間は醜いものか」
「そうでもあるからね、特に権威とか権力がある世界は」
そうした場所はとだ、留奈は赤ワインを飲んでからさらに言った。
「余計にそうでしょ、まあそれはね」
「相手に会えばよくわかるな」
「まあどんな娘でも仲間になる娘ならね」
「仲間にするか」
「聖女でも妖女でもね」
どちらでもとだ、留奈はこのことは達観した声で言った。そうして一行はその留奈も交えて飲みつつ話していった。その十人目のことを。
第六十七話 完
2018・5・23
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