ドリトル先生と奇麗な薔薇園
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第十幕その四
「中国の代々の易姓革命だってね」
「その都度大変なことになってるし」
「何か革命ってね」
「よくないんだね」
「革命は劇薬だよ」
先生は革命をこう表現しました。
「だから社会を急激に変えてもね」
「副作用もある」
「そうしたものなんだね」
「そしてそう考えるとね」
「決していいものじゃないんだ」
「比較的流れた血が少なくて済んだ日本の革命でもだよ」
その革命はといいますと。
「明治維新でもね」
「ああ、あれね」
「日本が江戸時代から一気に変わった」
「あの時だよね」
「幕末の」
「かなりの人が死んでいるね」
先生は日本の明治維新のお話もしました。
「黒船が来てから」
「民衆の人達の犠牲は殆どなかったけれど」
「凄く沢山の人が死んだよね」
「日本を何とかしようとした人が」
「本当に沢山の人達が」
「そう、吉田松陰も死んで橋本左内も死んで」
まずはこの人達を挙げた先生でした。
「坂本龍馬も死んでいるね」
「武市半平太だって」
「そして近藤勇だってね」
「色々な人が死んだね」
「あの時に」
「あの人が生きていたらって思うことが多いみたいだね」
先生は明治維新のことをさらに思うのでした、もっと言えばそれに至る幕末の動乱期のことをです。
「坂本龍馬にしてもね」
「あの人が一番かな」
「凄く恰好いいしね」
「薩長同盟を結ばせたし」
「海援隊も組織したしね」
「見事な革命家だったよ」
先生は坂本龍馬をこう表現しました。
「あの人はね、そして実業家でもあったしね」
「何か坂本龍馬を革命家って言いますと」
トミーは首を少し傾げさせて思うのでした。
「日本の人達は違和感を感じるみたいですね」
「その様だね」
「はい、どういう訳か」
「志士と呼ぶよね」
「日本の人達はそうですね」
「あの人だけでなく他の幕末の勤皇派の人達は」
「革命家と呼ばずに」
「志士と言うね」
それが日本の表現だというのです。
「けれど僕達から見るとね」
「やっぱり革命家ですね」
「だからチェ=ゲバラもね」
キューバ革命で活躍したこの人もというのです、キューバと言う国でも革命が起こって国が変わったのです。
「坂本龍馬を尊敬する革命家として挙げていたんだ」
「そうだったんですね」
「うん、それでね」
だからだというのです。
「あの人もね」
「革命家として尊敬していましたね」
「坂本龍馬をね」
「ですが当の日本では」
「坂本龍馬は志士だよ」
この立場の人達だというのです。
「革命家と呼ばれると違和感を感じるよ」
「そうですね」
「うん、けれど本当にね」
「革命は」
「血が流れ過ぎるものだよ、そしてね」
さらにお話をする先生でした。
「それをよしとするから」
「革命で人が沢山死んでも」
「それがいいってだね」
「そう言うんだね」
「行き過ぎは付きものだってね」
沢山の人達が死んでもというのです。
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