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レーヴァティン

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第六十七話 宗教都市その三

「一度に何人もとかな」
「そうなのか」
「ああ、ちょっと有り得ないだろ」
「俺にとっては普通だがな」
「普通じゃないからな」
 英雄自身が普通だと言っても久志も他の者もそうは思わないというのだ、主観と客観が違う一ケースであろう。
「絶対に」
「そうか」
「ああ、しかし何はともあれそっちもかなり順調だな」
「俺達もか」
「ああ、こっちもな」
 自分達もとだ、ここで久志は英雄に話した。
「順調にな」
「仲間を揃えたか」
「遂にな」
 久志はここで明るい笑顔になった、そうして英雄に話した。
「十二人全員な」
「御前は揃えたか」
「ああ」
 その通りという返事だった。
「見事にな」
「そうか、御前の方が先になったか」
「あっちの世界の時系列じゃ殆ど同じだろ」
「そうだな、それはな」
「けれどな、ちゃんとな」
「十二人全員揃えたか」
「後は旗揚げだよ」
 この段階に至ったというのだ。
「今はその場所を考えてるんだよ」
「そこまでいったか」
「こっちはな、それじゃあ今からな」
「そのことを話すか」
「そうしていいか?」
「なら話してもらおう」
 これが英雄の返事だった。
「是非な」
「それじゃあな、しかしな」
「しかし。何だ?」
「御前も十二人揃ったら旗揚げするんだよな」
 久志は英雄にこのことを尋ねたのだった。
「そうだよな」
「当然だ」
 これが英雄の返事だった。
「最初からそう考えているしな」
「やっぱりそうだよな」
「場所はもう決めている」
「何処だよ」
「大坂だ」
 あちらの世界のこの地だとだ、英雄は久志に答えた。
「あの地で旗揚げをする」
「大坂か」
「大坂城に入ってな」
「そうしてか」
「あの城を巨大な城にしてだ」
 そうしてというのだ。
「それからだ」
「あちこち攻めたりか」
「外交で組み入れたりしてだ」
 そうしていってというのだ。
「統一していく」
「そうしていくんだな」
「それが俺の考えだ」
「そっちももうすぐだな」
「そうだな、そしてだ」
「俺達の話だな」
「それを聞かせてもらう」
 今からとだ、英雄からも久志に言った。
「いいな」
「わかったぜ、それじゃあな」
「話を聞こう」
「話すな」
 こうしてだった、久志は自分達の島のことを話しはじめた。そこで何があったのかを。
 留奈を仲間に加えた一行は冒険の旅を続けていた、その道中で久志は仲間達に馬車の中でこんなことを言った。 
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