空に星が輝く様に
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438部分:第三十四話 夜空にあるものその二
第三十四話 夜空にあるものその二
「とにかく」
「ああ、とにかく」
「聞くなっていうのね」
「そう。一つの話が終わっただけだから」
星華とのことをだ。これだけで終わらせるのだった。
「それだけだから」
「終わったのか」
「何かはわからないけれど」
「そう、終わった」
また言う椎名だった。
「それだけ」
「何かわからないけれど終わっていい話なんだな」
「それは間違いないみたいね」
「その通り」
二人は気付かないが話は椎名の望む方にいっていた。
「そういうことだから」
「そうか。まあ何はともあれよかったな」
「そうよね」
二人はそれで納得したのだった。そしてだった。
赤瀬がだ。その膨大なハヤシライスを食べながら一同に言うのであった。
「あの」
「何だ、ハヤシライスか?」
「そっちのこと?」
「ああ、違うよ」
そうではないとだ。赤瀬はそれからだった。
「ハヤシライスじゃなくてね」
「じゃあ何だよ」
「斉宮達のこと?」
「そうだよ。吹っ切れたんならね」
どうかとだ。彼も言うのだった。
「よかったね」
「まあ吹っ切れたっていうことにもなるかな」
「そうですね」
二人もその言葉を否定しなかった。
「やっぱりな。今はな」
「落ち着きました」
「そう。ただ」
ここでだ。また椎名が言う。
「謝る時に謝ること」
星華達のことだった。
「それができたから」
「ああ、そうだな」
「そうよね、それは」
二人がだった。彼女の言葉に頷くのだった。
「本当によかったよ」
「私もそう思います」
「そして謝るべき相手がいる」
椎名はこうも言った。
「謝ってはいけない時、相手もいるけれど」
「人に謝罪を強要したりする人ってね」
ここで赤瀬も言った。星華達のことは知らないがそれでもだ。
「自分は絶対に謝らないから」
「ああ、そういう奴いたよ」
「うちの中学に」
狭山と津島もそれはわかった。
「もうな。自分じゃ絶対に責任を取らなくてな」
「人に信頼を取り戻せとかお説教言って」
「用事での絶対に秘密にしないと情報相手に平気で流してどうたら言ってな」
「背信行為と呼ぶなら呼べとか開き直って」
「それ何でそんなことしたの?」
椎名はそもそもどうしてそうなったのかを尋ねた。
「無茶苦茶な理由みたいだけれど」
「何か向こう。おかしな連中にな」
「学校のお金が絡んだお話で」
そうだとだ。二人は話すのだった。
「美化委員会のな。お金の使い方と置いている場所」
「窃盗の常習犯にそれ教えたのよ。何でも秘密にするのよくないって」
「いや、そういうのは秘密にしないと」
「それで教えて開き直ったんだよ」
「背信行為とでも呼ぶがいいってね」
「それでそいつどうなったの?」
椎名はその教えた人間がどうなったのか尋ねた。
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