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魔法少女リリカルなのは 平凡な日常を望む転生者

作者:blueocean
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第52話 別荘、夜の部

あの後みんなでバーベキューをして、お腹いっぱいになった後、花火をする事になった。

「奥義、四連花火〜!」

「はやてちゃん、すごいですぅ〜」

…………いたなぁ、そんな下らない事するやつ。
その下らない事をしているのははやて。

指の間に花火を挟んで一斉に点火していた。

「キャロ、ルーちゃん、エリオ君、あれは危ないからやってはいけませんよ」

すかさず星がチビッ子達に言い聞かせる。

「そうだよ、あれはダメな大人の典型的な姿だからね」

フェイトきついな……………
それにまだ中学生だし。

でも、これで子供達が真似をすることは無いと思う。
多分………………

「余裕ね、よそ見なんて」
「まあ動かなければいいだけだからな」

アリサにそう言うと悔しそうに手元に集中し直したみたいだ。

今、俺とすずか、なのは、アリサ、ヴィータは、しゃがんで線香花火をしている。
罰ゲーム付きで。

罰ゲームはズバリ、シャマルさん特製栄養ドリンクだ。

別に頼んでもいないのにヴィータの荷物に入っていたらしい。
せっかくなので罰ゲームとして使わせてもらうことにしたようだ。

「お前はあのドリンクの恐ろしさを知らないからそんな風にいられんだ」

げっそりとした顔で言うヴィータ。
恐怖心からか手が多少震えている。

お前が誘ったんだけどな。

「ううっ、足が疲れてきた…………」

なのはがふとそんな事を呟く。
まあしゃがんで動いてないからそうなるだろうな。

「結構きついね…………」

すずかもキツそうだ。

「これは俺の勝ちかな」

俺はまだ十分に余裕がある。
さて、誰が罰ゲームでシャマルさん特製栄養ドリンクを飲む事となるのだろうか?

だが、そんな俺の余裕は、

「いやあ!!こっちに来るな!!」

走って来たセインにより、見事に潰された。

ドン!!

「うおっ!?」

走って来たセインが線香花火をしている俺に直撃、当然俺の線香花火をは地面に落ちた。

「ああああああああ!!」
「ご、ごめんレイ!ネズミ花火に追いかけられてて…………」

それは分かってるけど、問題は…………

「バカだな零治。余裕ぶっこいてるからこうなるんだよ」

笑顔でそんな事を言うヴィータ。
さっきまで苦しそうにしてたくせに何その変わり様…………

「でも、これで罰ゲームは零治で決定だね」
「あ〜足が疲れたよ………」
「私も…………」

なのはとすずかも決まった瞬間リラックスしてるし……………

「ほら、全部飲めとは言わねえから」

ヴィータ……………

「半分で許してやる」

上げて落とすなよ…………
世の中はそんなに優しくなかった。

まあ流石に美由希さんの殺人ケーキよりはマシだろ……………
そう思って、俺は水筒の蓋を開けた。

「「うっ!?」」

まだ側にいたセインが鼻をつまむほどの異臭が漂う。

「……………セイン」

「ごめん、もう行くね!!」

見事なダッシュで逃げ出すセイン。
あのやろう………

「さあ早く飲め!」

ヴィータに急かされ、俺は覚悟を決めて口をつけた。

(うご!?)

何かドロドロしたものが口の中へ入ってくる。
ヤバイ、いれただげでリバースしそうだ………

「飲んだ瞬間に涙目になったわね………」

「それほど不味いのかな………」

「当たり前だろ。シャマルの作ったものは劇物なんだからな」

「ヴィータちゃん、それ零治君死んじゃうから!!」

時すでに遅し、
零治は気合いで半分は飲み干し、そのまま力尽きた。







「はっ!?知らない天井だ………」

目が覚めるとそこは知らない天井だった。
いや、ここは…………

「気分は大丈夫ですか?」

「ああ、なんとか」

側には星がいた。

どうやら俺の看病をしてくれていたみたいだ。
体を起こして時計を見るともう10時になりそうだ。花火を始めたのは8時頃だったから恐らく1時間半位眠っていたのかな?

「悪いな迷惑をかけて………」

「別に構いませんよ。それに………」

そう言うと顔が暗くなった。
どうしたんだ?

そんなとき、誰かが部屋のドアをノックした。

「零治君起きた〜?」

どうやら声の主ははやてみたいだ。

「ああ、起きたぞ」

「ほんまか?なら入るで」

そう言ってはやてが入ってきた。
その後ろには隠れるようにいる赤い髪の幼女が…………

「幼女じゃねえ!!」

俺、喋ってないよな?

「ヴィータ、そんな事言いに来たんちゃうやろ?」

はやてがそう言うとヴィータは黙る。
何か調子狂うなあ……………

「あのな………その…………悪かった!!」

そう言ってヴィータは頭を下げた。

「……………………………何を?」

「何をって、私が罰ゲームなんて下らない事言ったから倒れたんじゃないか!」

「いや、俺も了承したじゃないか。別にヴィータが悪いって訳じゃないよ」

「でもさ…………」

「気にするなって」

「でも………」

ああ、しつこいな。
それじゃあ……………

俺は手を大きくパーにしてヴィータの顔に当てた。

「な、何すんだよ!?」

俺はヴィータを無視し、人差し指を引っ張り、そのまま放した。

「ぎゃ!?」

要するにでこぴんである。
自分でやってなんだが痛そうだ。

「痛い……………」

額を抑えながら呟くヴィータ。
ちょっとやり過ぎたか?

「まあこれでおあいこって事で。この件の話は終わり!」

「…………………」

「何だよ………」

涙目で睨むなよ………
何か罪悪感で押しつぶされそうなんだけど。

「分かった………」

良かった、怒られるって訳じゃなさそうだ。

「零治君も怒ってへんみたいやし、本題に入るな」

………………見舞いがついでかよ。

「実はな、さっきアリサちゃんからおもろい話聞いたんやけど聞く?」

「面白い話?」

「それはな…………」

何でもアリサが言うには、この別荘の裏手にある山の麓で大昔、罪人の処刑が行われていたらしい。
その先は言わずと分かると思うが、要するに……………

「肝試ししたいと…………」

なるほど、さっき星の顔が暗かったのはこれが原因か。

「当たり前やんか!夏と言ったら海と花火と肝試しやで!!夏のイベントを逃してはアカン!!」

熱いなコイツ…………

「だけど星が…………」
「星ちゃん?」

俺たちは黙っていた星を見ると、
見事に真っ青でした……………

「星?」

「は、はう!?」

はう!?

「あ、いいえ何でもないです!!今のは忘れてください!!」

かなり焦ってるな………

「もしかして……………」

「ああ、星はお化けや怖い話が苦手なんだ」

「そうなんか……………星ちゃん、こんな話があるんやけど………」

そう言ってはやては話し始めた。

「ある男が夜、シュウマイを買って帰ってた時の話や。もう周りには人一人誰も居なかったんや。そんな時…………」

もうすでに星は俺の服の袖をつかんでいる。

「後ろから視線を感じたんや。当然後ろを見てみても誰もおらへん。ふとシュウマイの箱の中を除いて見たんや、すると…………」

そこで一旦話を切り、間を置くはやて。

「シュウマイが一個なくなっていたんや…………」

ふと、反対側の服の袖が掴まれてる事に気がついた。
っていうかヴィータかよ…………

俺に厳しいから、内心仕返しされそうで恐いんだけど。

「男は一度慌てず落ち着くことにしたんや。もう一度後ろを見て誰かいないか確認して再びシュウマイの箱の中身を見た。すると…………」

もう一度ここで間を置くはやて。

「今度はシュウマイが2個無くなっていたんや………」

それを聞いてビクッと反応する2人。
今の何処に怖い所があるんだ?

「男は慌てた。一旦蓋を締めて何とか気持ちを落ち着かせようとするんやけど、全然落ち着かん。震えた手でもう一度同じ手順をしたんや。すると…………」

横の二人がゴクンと唾を飲む音が聞こえた気がした。
怖がっていながらも気になるみたいだ。

「シュウマイが全部無くなっていたんや!!」

「「きゃあああああ!!」」

いきなりはやてが大きな声を出したもんだから2人もビックリして大声を上げた。
悲鳴を聞いてはやてはニヤリとした。

「そして男は怖くなった!!絶対に近くに何かがいる!!そうして蓋をしようとしたときに男は気がついたんや」

「「…………………」」

「シュウマイは蓋の裏にくっついとった」

「「………………えっ!?」」

キョトンした顔ではやてを見る二人。
まあそんな顔をするだろうな。

「どうやった?怖かった?」

あらら、そんな火に油を入れるような事言ったら……………

「「バカー!!」」

「へぶ!?」

ビンタを喰らうわな……………




「さあ、みんなで肝試しするで!!」

「いいっスね姉御!じゃあ星姉は1人で来てくださいっス!」

「いいい、嫌です!!今日は疲れましたし、早く寝ましょうよ…………」

それ以上星をいじめるなよ……………
しかもウェンディがはやての事を姉御って呼んでるし。

面倒な師弟関係が出来てしまった……………

さて、それはともかく、俺がリビングに帰ってくる時には時刻は既に10時を回っており、子供達4人(リインも含む)は既に夢の中。
そして大人達は酒宴を開いており、何かカオスになっていた。
シャイデにくっつかれ、美由希さんと忍さんも負けじと恭也さんにくっついている。

頑張ってください…………

俺はそう言う願いを込めて、恭也さんに敬礼しといた。






「さて、みんな揃った?」

「大丈夫っス!、ちゃんと星姉も確保してるっス!」

腕を縄で縛られ、引っ張られてくる星。
流石に可哀想だな……………

「おい、はや…………」

「ルールを説明するで!!」

俺の言葉は遮られ、はやてはルールを説明し始めた。

「ルールは簡単!2人1組になって山の中にある神社のくじ引きをして帰ってくるだけや。道はこの先の山道を登っていけば、途中に階段があるからそこを登っていけばOK。あっ、1人余るから1組は3人な」

そう言ってポケットから割り箸を取り出す。

「さあ、順番に引こか」

そう言われて俺達は順番に引き始める。



結果……………

なのは、フェイト

はやて、ウェンディ

アリサ、夜美

フェリア、ディエチ

セイン、桐谷

ヴィータ、星

俺、すずか

ノーヴェ、加奈、ライ

とこんな結果になった。

「さて、みんな順番に行こうか!!」

そうはやてが言って、肝試しがスタートした…………






「ああ、暗くて怖かった…………」
「何か出てきそうだったよね…………」

そう言いながら帰ってきたなのはとフェイト。
手をしっかりと握ったまま。

………………まあ余計な詮索はしないようにしとこう。




「うん、普通に怖かったわ」
「そうっスね、姉御」

笑顔で帰ってきてよくそんな事が言えると思う。
何かいたずらを仕掛けてきたって顔だ。

「次は私たちね」

「夜美………」

「分かってる、気をつけろだろ?」

流石、夜美。やっぱり気づいていたか。






「アンタたち〜!!」

帰ってきたアリサは真っ直ぐはやてとウェンディの所にやって来た。

「どうしたんや?アリサちゃん」

「どうしたじゃないわよ!!何で途中に世にも奇〇な物語のテーマ曲が流れてくるのよ!?」

「さあ、分からないっス………」

「………………夜美」

「大丈夫だ、ちゃんと回収しといた」

そう言って夜美は俺にミニラジカセを渡した。

「正直、これを聞いたとき、恐怖心よりくだらなさで一気に萎えた…………」

「まあそうだろうな…………」

スイッチを入れるとお馴染みの不気味な音楽が。
俺と夜美はそれを聞いて溜息をついたのだった。




その後も…………

「これはなんなのだ?こんにゃくがぶら下がっていたのだが」

「暗いからライトを当てないと見えないし、進みずらいから邪魔だったんだけど………」

ディエチがそう言いながらこんにゃくを渡してきた。

あの二人……………




「どうだった?」

「いきなり後ろから人形が飛んできてびっくりしたな〜」

「それでこれがその人形だ」

桐谷から渡された人形は金髪のビクトールなのだが、よくありがちの生きてるようなビクトールだ。
普通に見ても不気味な作りになっているのだが…………

「暗くて顔が全然見えなかったから、普通に叩き落とした」

「「………………」」

失敗したって顔をするはやてとウェンディ。
もう少し考えよう二人共。





とこうして順番は順調に進んでいった。

そして次が一番問題の…………

「「………………」」

震えてる二人である。

「大丈夫かな?」

「いや、恐らくヤバイと思う…………」

そんな事言っている内に、二人は手をつないで登り始めてしまった。





15分後……………

「遅い…………」

そんなに遠くないので10分位で帰って来れるはずなのだが、2人は帰ってきてない。

段々不安になってきたな…………

「すずか………」

「うん、行こう」

名前を呼んだだけで分かったみたいだ。

「ちょっと二人共!?」

「悪いが俺達は行くぞ!2人を見つけたら帰ってくる!!」

止めようとしたはやてにそう言って俺とすずかは中に入って行った。






「星〜!ヴィータ〜!」

俺は呼びながら歩く。

「星ちゃ〜ん!ヴィータちゃ〜ん!」

すずかも名前を呼びながら歩く。

「いないね…………」

「ったく、どこ行ったんだか………」

こうなるんだったら無理してでも2人と行くべきだった。
道を外して迷ってなければいいが…………

「零治君、落ち着いて。取り敢えず先に進もう」

「……………ああ、そうだな」

すずかの言うとおりだ。
焦っても仕方ないな。

「ありがとうすずか」

「うん、どういたしま………きゃ!?」

「すずか!?」

咄嗟にすずかの手を掴み、俺の体に抱き寄せた。

「大丈夫か!?」

「う、うん、ありがとう…………」

ライトを当て、地面を見てみる。
どうやら、地面にあった溝に足を引っ掛けてしまったみたいだ。

転んだ先に大きな岩があったから危なかったな……………

「れ、零治君………」

「ん?どうした?」

「助けてくれたのは嬉しいんだけど…………」

そう言われて俺は今の状況を確認してみる。
すずかを抱きしめている俺。

これって、やばくね?

「ごめんなさい…………」

直ぐにすずかを離した。

「う、ううん、助けてくれてありがとう…………」

暫く、二人には気まずい時間が流れていった……………





「取り敢えず神社についたか………」

階段を登りきり、俺は呟いた。
やはり暗いため、中に誰かいるのか分からない。
俺はライトを照らしながら、2人の名前を呼んでみた。

「星〜!ヴィータ〜!」

呼びかけても返事がない。

「ここにも居ないのかな?」

「そうみたいだな…………一体何処に………」

そんな時だ。

「レ…………イ………」

「この声は星!?どこだ!?」

俺はすかさず声のあった方へライトを向けると、

「ううっ…………」
「ぐすっ…………」

境内の社に小さく座っていた二人を発見した。
よかった、無事みたいだな。

「大丈夫か二人とも?」

俺がそう言った瞬間、

「レイ〜!!」
「零治〜!!」

抱きついてきた二人によって、地面に頭を打った。





「何でいきなり抱きついてくるかな…………すずか、血とか出てない?」

「大丈夫、出てないよ」

取り敢えず、めっちゃ痛かったので、2人に正座をさせてるが…………

「くぅ…………くぅ…………」
「すぅ…………すぅ…………」

安心したのかそのままぐっすり寝始めてしまった。
正座のままで……………
どうやらこの二人、神社まで頑張ってついたのはいいが、持ってきてた懐中電灯の電池が切れたらしい。

はやて、ウェンディ………

「早く帰ろうか…………」

「そうだね…………」

俺は星、すずかはヴィータをおんぶして山を降りることになった…………





「おっ、大丈夫やったみたいやな」

「全然大丈夫じゃねえよ…………」

そう言って俺は星達の事を説明した。

「はやてちゃん………」
「ウェンディ…………」

なのはとフェイトが睨みながら二人の名前を呼んだ。
他のみんなもはやてとウェンディを睨んでいる。

「えっと…………みんなどないしたん?」

「はやて、ウェンディ、俺たちが言いたいこと分かるよな?」

「えっと………零治君、私分からないんやけど………」

「へえ、懐中電灯が2つとも電池が切れるなんてな。そんな偶然あるんだな」

「そうっスね、そんな偶然あるんスね…………」

苦笑いしながらそう答えるウェンディ。

未だに逃げようとするなんてな…………

だけど、言い逃れしようとするほどみんなの視線がキツくなっていく。

で、結局…………

「「すいませんでした!!」」

土下座して2人は謝りました。





「あれ?そういえば、最後の3人は?」

「あれ?帰りに会わなかった?」

「いや、会ってないけど………」

なのはにそう言われ、一旦俺達は静かになる。

「まさか迷った?」

「い、いや、加奈もいるし大丈夫だと思う…………」

聞いてきたフェイトに俺はそう返した。
そう、加奈もいるし、ノーヴェもああ見えてしっかりしてると思うし大丈夫だろ。

そう思って待ってると、5分後には普通に帰ってきた。

「ああ、面白かった!!」

ライが先頭でそんなことを言っているが、後ろにいる二人は何かとてつもなく恐ろしいものを見たような顔をしていた。

「あのねレイ!幽霊って本当にいるんだね!!」

………………………………………………えっ!?

素晴らしい笑顔で爆弾発言するライ。
ここの空気が一気に凍った気がした。

ライを除いて…………

「私たちね、道に迷っちゃって、正しい道を教えてくれたのが足が見えないおじさんだったんだ!!何でも400年前に無実の罪で処刑された農民なんだって。随分平和な世の中になったって言ってたよ」

俺は信じられなかったが、後ろの2人の様子を見ると、どうやら本当みたいだ。

「他にもね、戦で200人斬りした人や、元お姫様もいたよ〜。みんな優しかったな」

俺はこの時、ライの事をレアスキル認定するべきだと心から思ったのだった…………
星とヴィータが起きてなくて良かった…………



こうして肝試しは幕を閉じたのだった。




次の日……………

「お兄ちゃん、昨日はどうしたの?」

「キャロ、人生には知らなくていいことがあるんだ…………」

船の中、海を見ていた俺にキャロが話しかけてきた。
元気な子供たち以外、他の皆はくたびれている。

大人達は飲みすぎで二日酔い。

肝試し組は昨日のことでテンションがかなり低い。
特にはやてとウェンディまで大人しいのだ。

ライは除くけど…………

ライはエリオとルーテシアとモンバスをやっている。

「でもお兄ちゃん顔色が悪いです」

「大丈夫、少し酔っただけだから…………」

「そうですか………だったらお水持ってきますね!」

そう言って船のキッチンに向かうキャロ。

「キャロ!」

「なんですか?」

「楽しかったか?」

これは今回の旅行で俺が一番気にしていた事だ。
キャロが楽しめたのならここに来てよかったと心から思える。

「とても楽しかったです!またみんなで一緒に来たいです!!」

笑顔でそう言って、キャロはキッチンに向かった。

「そうか………だったら来てよかったな……………」

何かものすごく疲れたけど、本当に来てよかった。
今度、アリサに何かお礼しないとな…………………

「だけど、今度は違う場所にしてもらおう…………」

俺はそう心に決めた。 
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