オズのガラスの猫
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第九幕その六
「絶対に何か起こるから」
「猫の国に行くまでも」
「絶対にね、ドラゴンやホビットやリザードマンが出てね」
「泉もあったけれど」
「まだあるわよ」
オズの国の中の冒険に付きものの『何か』はというのです。
「絶対にね」
「それじゃあ」
「そうよ、いいわね」
「ええ、その起こることにね」
「恐れず怯えずにね」
「向かっていくわ」
「その意気よ。じゃあね」
「ええ、それじゃあ」
「今からまた進んでいくわよ」
猫の国にというのです、こうお話してでした。
一行は先に進んでいきました、すると今度はです。
道の左右に壁がありました、そしてその壁の上にです。
狼が後ろの二本の足で立ってそうしてです、こんなことを叫んでいました。
「デュパンが出たぞ!」
「デュパンが出たぞ!」
こんなことを言っています、その狼達を見てです。
神宝がふと気付いたお顔になって言いました。
「あれはデュパンだね」
「自分達で言ってる通りに」
「そうだよ」
こうナターシャにお話しました。
「あの狼はね」
「あれは確か」
今度はジョージが言いました。
「イギリスの妖精だったかな」
「あの国のなの」
「うん、子供の頃にそんなお話を聞いたよ」
「ああ、アメリカは元々イギリスから来た人達が建国したし」
カルロスはこのことから言います。
「だったらね」
「イギリスの妖精がいることも有り得るわね」
「充分にね」
「それでオズの国もなのね」
恵梨香も言いました。
「オズの国はアメリカが反映されるから」
「それでなのね」
「あの妖精もいるのね」
「あの妖精は有名よ」
つぎはぎ娘が五人にお話します。
「ここに出ることでね」
「そうなの」
「ええ、ああして叫んでるけれど」
壁の上に立ってです。
「壁の端から端まで連なってね」
「そうなってるわね、道の左右の壁に」
見れば実際にそうなっています、そうして物凄い数で叫んでいるのです。
「私達を見ないで」
「ここでずっとそうしてるのよ」
「ずっとなの」
「そうよ」
「どうしてそうしているのかしら」
ナターシャはここでこのことを思うのでした。
「ああして叫んでいるのは」
「さて、どうしてかしらね」
つぎはぎ娘はナターシャの今の質問には答えませんでした。
「あたしは知らないわ」
「そうなの」
「変だとは思っているけれどね」
「それでもなのね」
「どうして叫んでいるかはね」
「わからないのね」
「試しに聞いてみたら?」
つぎはぎ娘は質問には答えられませんでしたがこう提案することは出来ました。
「デュパン達にね」
「そうね、本人さん達に聞いたらね」
「そうしている理由がわかるでしょ」
「ええ、それじゃあね」
「聞いてみるわ、どのみちあの道を通るし」
デュパン達がいる壁に挟まれている道をです、こうしたことをお話してそのうえででした。ナターシャは一行の先頭に立ってです。
そうして先に進んで壁の端にいるデュパンに聞きました、見ればこのデュパンは赤毛ですが黒や灰色、白、オズのそれぞれの国の色である青や緑、黄色、紫の毛のものもいてそれぞれの色合いがとても華やかです。
「ねえ、いいかしら」
「何かな」
そのデュパンも吠えるのを止めてナターシャに応えました。
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