レーヴァティン
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第六十六話 自分達の船その四
「かえってしくじる」
「それはその通りっちゃからな」
「高校時代何度言っても焦りクラスの大切な仕事を周りが止めても勝手に暴走して行って完全に潰した奴を見た」
「同じクラスだったっちゃ」
「そいつは仕事を完全に潰しても嘘を言って逃れ続け責任を取ろうとせずその仕事は進まなくなってしまった」
「それでその仕事はどうなったっちゃ」
「そいつからクラス全員が権限を完全に剥奪した」
その仕事に関するそれをというのだ。
「そして以後何の仕事もさせなかった」
「除け者にしたっちゃ」
「そう言うと悪い例えだが仕事をさせるとだ」
その者を信頼してだ。
「勝手に焦って潰して責任を取らないのではな」
「どうしようもないっちゃ」
「何でも部活でも部の予算を入れてある場所の鍵を他の部の奴に合鍵を渡したこともやらかしたらしい」
「それ普通するっちゃ?」
この話には流石に愛実も呆れた。
「部のことは部でっちゃ」
「手前勝手な理由をつけて行ってだ」
そうしてというのだ。
「背信行為と呼ぶなら呼ぶといいと言ってだ」
「部から叩きだされたっちゃ」
「そうなった、クラスでもその話が話題になってな」
「クラスでもっちゃ」
「誰も相手にしなくなった」
「責任を感じることがなかったっちゃ」
「そうだ、誰の忠告も聞かないしな」
それでというのだ。
「しかも何も出来ない、言えば動くのは自分だと言った」
「貴方の忠告は聞きません宣言っちゃな」
「あまりに酷いので怒鳴られたら罵られたと言ってだ」
「自分が悪いと思わないっちゃ」
「そうだ、自分は常に被害者だった」
そうした考えの持ち主だったというのだ。
「そうした奴だったからな」
「完全に相手にされなくなったっちゃな」
「クラスの誰からもな」
「それは頭がおかしいっちゃな」
愛実はその輩の話を聞いて完全に呆れてしまった。
「それでそいつを見てっちゃ」
「俺は焦らない様にする様になったと思う」
「だから回り道もっちゃな」
「する様にしている」
必要と感じればというのだ。
「その様にな」
「そうっちゃな。それでそいつどうなったちゃ」
愛実はそのあまりにも愚かな輩の結末を尋ねた。
「誰からも相手にされなくなってから」
「適当な理由で逃げる様に転校した」
「そうなったっちゃ」
「しかしどうせ転校先でもだ」
「全然反省しないではっちゃな」
「同じことを繰り返すに決まっている」
そうならない筈がないとだ、英雄は言い切った。
「人の話を聞かず責任も感じないのではな」
「禁治産者っちゃな」
「やがてそう認定される」
正常な社会活動なぞ全く出来ない、そうした輩にというのだ。
「そしてその結果だ」
「破滅するっちゃ」
「そうなるに決まっている、しかもそいつは何も学ぼうとはしなかった」
「余計に悪いっちゃな」
「白痴の様な奴だった」
「人並の知能がなかったっちゃ」
「普通に喋って学校の成績も普通だったがな」
そうしたことは出来ていたというのだ。
「だがそれでもな」
「そうしたことが全部っちゃな」
「明らかに欠如した奴だった」
「世の中凄い奴もいるっちゃな」
「今はどうしているか知らないが結末はわかっている」
確信している、そうした意味でだ。英雄は言い切った。
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