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仮面ライダーエグゼイド バグ技 仮面ライダープロット

作者:紡ぐ風
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最終回『終わり向かうGame』

8月15日、コミックマーケット92の三日目、レイズ達バグスターウイルス研究所はサークル参加者として配布作業に勤しんでいた。
「こちら三人の列になって下さい!こちら三人で並んで下さい!」
助六は係員と一緒に列の誘導をしている。
「New work for fifteen please.」
「okay,¥60,000yen please.」
レイズは売り子に任せず、自ら販売している。
「ジョーカーズストライクを一つ下さい。」
「はい、2,500円になります。」
一般参加者はお金を渡す。すると、
「お客様、こちら五百円ではなく500ウォンです。」
レイズが呼び止めると一般参加者の一人は逃げ出す。
「待って下さい!あの抱きつかれティーシャツを着て今年の公式のバッグを持ったあの人、料金詐欺しています!」
レイズが係員に言うと、係員はすぐにメガホンでアナウンスする。すると、他のサークルの列に並んでいた一般参加者達が料金詐欺をした一般参加者を囲い、取り押さえた。
「お客様、困ります。」
レイズが言うと、一般参加者はしぶしぶ支払った。
「ただいまグランドランナー売り切れました!」
そんな中でも、配布物は着実に売れていた。
「あ、レイズさん。お久しぶりですね。」
「あぁ、ドライアイスさんこそ、前回は落選したと聞いて残念でした。」
「そんな、言っていただきありがとう御座います。スクロールスイーパー、なかなか難しく作ってありますね。僕4面までしか行けませんでした。」
「いえいえ、あれを全面クリア出来るには運も絡んできますから。あ、そうだ。こちら、今回の新作です。」
レイズは成人指定版のトゥルーアドベンチャーを一つ渡す。
「あ、すみません。ではこちらも。」
知り合いのサークル参加者もレイズに新作の配布物を渡す。
「ありがとう御座います。」
レイズ達が話していると、
「新作、全て完売です!」
助六の声にレイズは驚いた。
「これなら、早めに撤収出来そうだな。」
レイズは時間を見る。
「あ、僕の方はまだ回る所がありますので。ここら辺で。」
「お疲れ様です。」
レイズと知り合いのサークル参加者は分かれて配布作業戻る。

その日、バグスターウイルス研究所は過去最大の売り上げを出した。
「今年もやっぱり海外からの転売屋がたくさんいたね。」
「ああ。だけど、日本で売らず、そいつが海外で知人に売る分には目を瞑ってやるつもりだ。売れた時点で俺達の売り上げは確定する。それに向こうで俺達の名前も広まる。向こうだって、会社員とかで必ず休みが取れるわけじゃない。そうなればそういう仕入れする奴がいる方がいいだろ?俺が嫌なのは、むしろあの料金詐欺をする輩だ。」
「ホント、こっちはわざわざお品書きを載せているんだから、払う気がないなら来ないでほしいよね。」
「まったくだ。さて、次回の冬コミ用に向けて、新作の制作に入るか。」
レイズはトゥルーアドベンチャーのゲームエリアにあるパソコンを開く。
「ねえ、レイズ。プロットはもう戦えない。そろそろ、終わりにしましょう?」
「助六、俺はあの日、プロットの意志は俺が継ぐって言った。これはプロットの戦いでもあり、俺の戦いでもあるんだ。」
「でも、ドーズフロップは全てプロットしか使えない。」
「だから、冬コミ用の新作を作る。そうすれば、それは俺のアカウントで変身出来る。」
「…わかった。応援しているよ、レイズ。キャラクターが決まったらいつも通り台詞の収録だね?」
「ああ、頼んだぞ。」
レイズ達は、新作のドーズフロップの制作に入った。

それから1週間後、カイデンバグスターの出現情報を確認し、レイズは向かう。
「己が名はカイデン。位、99段也。」
「レベル99。中級とはいえ、かなりレベルアップしているな。こっちも、新作の力、みせてやる!」
《パーソドライバー起動……ロード完了》
「アナザーステップ!」
《トゥルーアナザー!》
「変身!」
《ガ セット ロード レベルアップ!♪底辺からの逆転劇!決めろ!true another!》
レイズはアーマーカラーが異なるアドベンチャーゲーマー、仮面ライダーレイズ アナザーアドベンチャーゲーマーに変身する。
「行くぜ!」
仮面ライダーレイズはカイデンバグスターに向かってゆく。
「甘い!」
カイデンバグスターは二刀流をマスターしていることでレイズの軌道上と回避する可能性のある位置に刃を放つ。しかし、仮面ライダーレイズはあえてダメージを受ける覚悟でカイデンバグスターの懐に入りキックでカイデンバグスターにダメージを与える。
「んで、ここでベストセレクト!」
《回復》
回復のエナジーアイテムと、トゥルーアナザーの効果で仮面ライダーレイズのライダーゲージは完全回復する。
「次は、確か─」
仮面ライダーレイズが触れたセレクトは、バッドセレクトであった為、ライダーゲージの四分の一を失い、更に、
《挑発》
バッドステータスのエナジーアイテムを取得してしまう。
「おぬし、愚弄しておるのだな!」
カイデンバグスターは乱れ斬りで仮面ライダーレイズを攻撃し、仮面ライダーレイズのライダーゲージは大幅に減少してしまう。
「ここでベストセレクトを取らないと…」
仮面ライダーレイズはエナジーアイテムのシンボルに飛び込む。しかし、
《混乱》
バッドセレクトであった為、ライダーゲージは減少し、エナジーアイテムの効果で意識が混沌としてしまう。
「今が好機!居合の太刀、一閃!」
カイデンバグスターの攻撃を受けて仮面ライダーレイズのライダーゲージはゼロになってしまう。
「まさか!馬鹿な!」
仮面ライダーレイズの身体がデータになり始める。
「まさか…中級バグスターに…負ける…なんt…」
仮面ライダーレイズの身体は完全に消滅してしまう。

「竜城ぃぃぃ!」
ゲームエリアにいた助六は叫ぶ。

装着者を失ったパーソドライバー落下し、
《バッドエンド ゲームオーバー…》
渇いた音声が鳴り響いた。

「こんな時、プロットが無事だったら…」
助六は、ショックで泣き崩れる。

その頃、プロットは電脳救命センターの特殊隔離病棟に閉じこめられていた。
「…よっしゃ、今回もランキング1位だ。」
プロットは既に誰もログインしていないダーティネスリバースのイベントで1位になりはしゃいでいる。あの時、置いていかれたプロットは衛生省に捕獲されるが、ゲームに手を出せないとすぐに自殺しようとする為、衛生省も会話が行えず、飛彩の案により、ゲーム医療関連である為、電脳救命センターに特殊隔離病棟を設置し、プロットを隔離して、プロットにゲームをさせ続けている。
「ゲンム、プロットをどうにかできねえのか。」
「花家先生、あなたも見たでしょう。先輩の大脳皮質は、ゲーム関連の用語のみのわずか6%を残して機能が壊れてしまっていた。いくら神の力をもってしても、出来ることと出来ないことがある。」
「無免許医、かつて自分が治した患者の一人であるサークル主があんな姿になって、悔やむ気持ちは分かる。だが」
「そうじゃねえ。これだけ医療が進んでいるのに、あいつが治せないのが悔しいんだ。」
「卓弥さん…僕は、あなたの笑顔を取り戻すって言ったのに…」
「永夢、君は勘違いをしている。先輩はある意味、あの状態の方が幸せだとも言える。」
「どうしてですか、黎斗さん!」
「考えてもみたまえ。先輩はどの道あの力に手を出していた。君は、ポッピーを失いたいのかい?」
「それは…」
「そうなれば、我々とも戦うことになっていた。君はドクターとして、先輩の命を奪わなければならない。違うのか?」
「それは…」
「それならば、自分で選んだ選択肢を楽しみ、全てから閉ざされた世界。その方が、先輩の、君たちの幸せと言うものだ。」
黎斗の言葉に、返せる者はいなかった。

冬になり、助六は支援してくれた人を売り子にしてトゥルーアナザーを販売。しかし、バグスターウイルス研究所の赤字は過去最大を記録し、バグスターウイルス研究所は解散となった。
This game is bad end equal true ending. 
 

 
後書き
この度は、当作品を閲覧いただき、誠にありがとう御座います。作品内では転売屋は人によりけりと書きましたが、筆者自身は、他の購入者の妨害にしかならない為、断固否定です。
内容的に納得出来ない方も多々いらっしゃるかと思いますが、筆者がこの作品で描きたかった内容は、エグゼイド本編で語ることがなかった『精神性の病』、『オペを拒否された患者の未来』です。読者の皆様に伝わったか分かりませんが、楽しんでいただけた方、憤慨なされた方、是非感想を送って下さい。
最後に、もう一話だけ、トゥルーエンディングを用意いたします。興味のある方は是非、そちらも閲覧して、この作品の真のページを閉じて下さい。本編を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。 
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