転生とらぶる
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機動戦士ガンダム
2128話
ケンの妻が動き出すと、事態が進むのは早かった。
すぐに建物の中にいる者達を集めると、それぞれに俺が預かってきた映像データを渡し、それを確認していく。
それを見ても俺を信じられない視線で見ている者もいた――外見が10代半ばなので無理はない――が、炎獣や影槍といった、こういう時にいつも使っている魔法を見せる事で納得させた。
……納得させた代わりに、得たいの知れない存在を見るような視線を向けられもしたのだが。
ともあれ、ケンの妻の説得もあって全員が脱出する事になった。
正直なところ、この中にキシリア機関から買収されているような奴がいてもおかしくはないと思うんだが……まぁ、ホワイトスターに隔離されてしまえば、連絡のしようもないので良しとする。
最終的にはルナ・ジオンに移住する事になると思うが……そこまで事態が進んでしまえば、ここに集まっているのは素人である以上、出来る事はない。
いや、破壊工作の類をしようとしても、それこそバッタとかにあっさりと見つかってしまうか。
ともあれ、そんな訳でボルドーを脱出する事になったのだが……人質生活とはいえ、ここで暮らしていた以上はどうしたって自分の物は増える。
そうである以上、荷物をどうするかという問題があったのだが、その辺りは俺の空間倉庫で無理矢理解決した。
荷物の類は片っ端から空間倉庫に収納されていったのだが、それを見た者達は、ただ唖然とする事しか出来ない。
中には自分の大事な玩具が消えた! と騒いでいる奴もいたが、何とか宥める事には成功した。
ともあれ、そんな訳で準備が出来た全員を一旦ここに残し、宇宙港まで行って宇宙服を奪い、出発しそうな輸送艦を確認し、人質達の場所に戻り……
「こうして、マハルまでやってきた訳だ」
「いや、アクセルが言いたい事は分かる。分かるが……何だってわざわざマハルなんだ? 一旦避難するなら、もっと別の場所があっただろうに」
コッセルが呆れたように言ってくるが、俺は家族達と抱き合っている外人部隊の面々を見ながら、口を開く。
「そう言っても、これだけの人数だぞ? どうしたって一時的にいられる場所ってのは限られるだろ」
人質の数は20人以上。
外人部隊の主要メンバー……ケンを含めたMSパイロットや、整備員、その他雑用といった具合に、ケンのチームの面々の家族だ。
それでもこの程度の人数ですんだのは、チームの規模がそこまで大規模ではなかったから。
……ただし、人質になっていた家族の中には、寂しそうにしている者もいる。
外人部隊として戦っていたケン達だったが、これまでの戦いで戦死者が1人も出ていなかった訳ではない。
そうなれば、当然人質になっていた者の中には、自分を迎えに来てくれた相手がいないという事も有り得る。
そんな者達にしてみれば、ある意味で多くの家族が再会を祝っているこの光景は、残酷なのかもしれないな。
とはいえ、その顔に恨みの類はない。
いや、恨みを抱いているのかもしれないが、それはケン達ではなく、自分達を引き裂いたジオン軍についてだろう。
「ねぁ、貴方がケン達の家族を助けてくれたの?」
そう言って俺に声を掛けてきたのは、俺と同い年――あくまでも今の俺と、だが――くらいの女だ。
興味深そうな視線を俺に向けている。
周囲にはコッセルを始めとして海兵隊の面々がいるにも関わらず、少しも恐れている様子がない。
妙に度胸があるな。
「ああ、そうだ。……で、お前は?」
「え? あたし? あたしはメイ・カーウィンよ。これでもジオニックの技術者なんだから!」
えっへん。
そんな擬音が似合う感じで胸を張るメイ。
……悲しいくらいに平坦なその胸が、どこか哀れさを誘う。
特にレモンを始めとして巨乳と呼ぶべき女達を知っているだけに、余計にそう思うのかもしれないが。
それを言えば色々と不味い事になりそうなので、黙っておくが。
にしても……カーウィン? それにジオニック……
そこまで考え、どこでその名前を聞いたのかを思い出す。
「そう言えば、凛が接触した相手がカーウィン家だったな」
そのおかげで千鶴はMIP社と接触する事が出来たのだ。
……今にして思えば、最初に千鶴と接触したMIP社の人間が下っ端だったのは、ジオニック社と関係の深いカーウィン家が仲介したから、という可能性もあるのか。
「そうなの?」
だが、てっきりその辺りの一件を知っているとばかり思っていた俺の言葉は、メイによってあっさりと切り捨てられる。
本人がまだ小さいのを考えると、それも無理はないのか?
「とにかく、ケン達の……そして皆の家族を助けてくれてありがとう。そう言いたかったんだ」
そう言い、頭を下げるメイ。
ただ、顔を上げた時は、その顔に心底残念そうな表情が浮かんでいた。
「でも、これからあたし達ってジオンを離れるんでしょ? うーん……MSとかに触れないのは痛いなぁ……」
技術者であるだけではなく、メカニックでもあるのだろう。
メイがMSに触れない事を残念に思っている様子を見て、技術班の事を教えるかどうか迷う。
この年齢で既にジオニックの技術者として働いているということは、このメイという少女は間違いなく天才の域に入るのだろう。
それがシャドウミラーの技術班に入れるくらいの才能があるのかどうか……というのは分からないが、とにかく天才の一種であるのは間違いない。
そうなると、シャドウミラーでPTやAM……ましてや、他の世界の機動兵器なんかの存在を知れば、間違いなく興味を抱くだろう。
いや、興味を抱くのはいいが、それを調べて他の世界の技術を習得してしまう可能性が高い。
それは悪くないのだが、そうなれば当然のようにメイはその技術を使ってMSを開発するだろう。
それは、UC世界のMSはUC世界の技術で発展していって欲しいという、俺の……そしてシャドウミラーの希望から外れてしまう。
もっとも、その辺りは俺が心配する事じゃないか。
それは技術班が説明し、メイが納得した上で判断すればいい。
「これから行く場所には、色々と面白いものがあるから、MSよりもそっちを楽しみにしていたらどうだ? ……ああ。いや。MSって事なら、俺のFS型ならいじれるけど、どうする? ケン達のMSもあるだろうし」
外人部隊として働いている以上、当然ながらケン達にもMSが支給されている。
もっとも、S型でもなく、FS型でもなく、普通のF型だが。
それでも最初期のMSとして、ザクの完成度は高い。
FS型を調べたレモン達が言うには、かなりの拡張性が見込まれるって話だし。
「うーん、でも……出来れば他の機体にも関わりたいんだけどね。どうにかならない?」
「その辺りを俺に言われてもな。まぁ、ジオン軍と敵対する事になったら、向こうのMSも入手出来るだろうけど。後は、シャドウミラーの方で色々と見てみると面白いかもな。魔法とか、興味ないか?」
この年代なら魔法とかに興味を持つ筈。
そんな風に思って言ったのだが、メイから返ってきたのは気が乗らなさそうな視線。
「あたしは、魔法とかよりもMSに興味があるの!」
「……そうか。まぁ、これから行く場所でなら、そういうのにもそれなりに興味深い物を見られるかもしれないから、それを楽しみにしてるんだな」
うん、メイに関してはもう技術班に丸投げしよう。
そっちの方が、ここで下手に俺が考えるよりも問題はない筈だ。
「そう? まぁ、そう言うのなら、ちょっと我慢はするけど……お父さん達もそっちに行くって話だし」
カーウィン家は、父親もジオニック社に勤めているのだろう。
ダイクン派ということで、目を付けられていたにも関わらず、それでも今まで無事だったのはそういう理由からか。
もっとも、メイという格好の人質がいる以上、当然のようにザビ家が動く可能性はあったが。
それもあって、凛との交渉に乗ってきたんだろう。
まぁ、ダイクン派の中でも有名だったラル家や、何よりもアルテイシアがいるというのが響いているのだろうが。
ともあれ、俺がメイと話している間に、再会の喜びも一段落した。
正確には今は出来るだけ早くここから移動しなくてはならないと、そう判断したのか。
「アクセル、こっちの準備は出来てる。いつでも出発出来るぞ」
俺とメイが話している間に、出発の準備を整えたのだろう。コッセルがそう告げてくる。
「分かった。じゃあ、早速出発するか。……偽装の方は問題ないな?」
「あのなぁ。誰がボルドーとマハルを繋げるんだよ」
「一応、ボルドーにも街中には監視カメラとかはあるんだろ? なら、そこから俺に辿り着くのも不可能じゃない筈だ」
「不可能じゃないかもしれないけどな。そもそも、どうやってアクセル1人でこれだけの人数を助け出すんだよ。影のゲートだったか? あれについて知らなければ、どうしようもないだろ」
呆れたように俺を見ながら言ってくるコッセル。
まぁ、そうだろうな。人質達がいなくなったと上の人間達が知る事が出来るのはいつになるのかは分からないが、それで調べれば建物の中に家具の類は全く何も残っておらず、しかも外人部隊の人間も全員揃って兵器諸共に行方不明。
……普通なら、どうやって脱出させたのか、絶対に分かる筈はない。
ジオン公国としては、MS諸共に連邦軍に亡命される……ってのが最悪の結論だろうな。
とはいえ、ジオン軍も外人部隊を何も警戒していなかった訳ではなく、ジェーンを派遣したりもしていた。
ジオン軍にとって想定外だったのは、ジェーンが既にザビ家を……ジオン公国を見限っていた事だろう。
結果として、ムサイ諸共にMSもそのまま行方不明になるのだから。
ちなみに、その辺の手配をしたのもシーマ達海兵隊と、ジェーンが手を組んだ結果だ。
何だか最近、海兵隊万能説って説を思い浮かべるようになってきたんだが……実際にそれだけの実力を発揮しているのだから、その説も間違ってはいないだろう。
「ジオン公国はいずれこの傲慢を償う事になるだろうな」
コロニー公社の人員を人質にとって、ジオン軍の為に働かされていたのだ。
それが公になれば、当然のようにジオンは非難されるだろう。
そして連邦もジオンを責める内容があるのであれば躊躇はしない筈だ。
……ジオンも、外人部隊が消えたという事を知れば必死にその行方を追う筈だ。
シャドウミラーやルナ・ジオンという存在は認識出来ていなくても、ボルドーに俺がいた事から、こっちに辿り着く可能性がない訳でもない。
エデンを見張っている連中は魔法で誤魔化しているが……それも、いずれは破綻する筈だ。
そうなると、そろそろ本格的に動く必要が出てくるのは間違いない。
まだ接触していない重要人物として、首都防衛隊のアンリ・シュナイザーがいる。
そちらとも出来るだけ早く接触するようにした方がいいな。
出来れば、首都防衛隊という戦力も引き入れたいところだ。
聞いた話によると、首都防衛隊というのは戦傷によって前線で戦えなくなったMSパイロットがメインの戦力らしい。
まぁ、腕がなくなったり、足がなくなったりすれば、MSは操縦出来ない……訳じゃないが、以前よりも難しくなるのは間違いないだろう。
だが、レモンの持つ技術力があれば……手足を培養して繋ぐ事も、不可能ではない。
あるいは、生身と変わらない能力や見た目を持つ義手を用意する事も可能だろう。
そうなれば、間違いなく首都防衛隊の面々は戦力となる。
今の状況でも十分に戦力はあるのだが、それでも戦力というのは多い方がいい。
何をやるにしても、数は力なのだ。
……質で量を圧倒するニーズヘッグに乗っている俺が言っても、あまり説得力はないが。
「アクセル、そろそろ行くぞ!」
「ん? ああ、分かった」
コッセルの言葉に頷き、俺はリリー・マルレーンに乗る。
正直なところ、パプア級で移動してもいいんじゃないかと思ったが……俺だけなら、何らかの間違いで連邦軍のパトロール艦隊とかと遭遇しても問題はないが、今回は一般人も多い。
そうである以上、やはり万が一の事を考えて今回はリリー・マルレーンでの行動となる。
「悪いな、いいように使って」
「気にするな。シーマ様が望んでいる事だ。それに……俺も、故郷と呼ぶべき場所は是非欲しいしな」
そう告げ、笑みを浮かべるコッセル。
強面の顔が特徴的なコッセルだったが、笑った顔はそこまで怖くはない。
……いや、コッセルがその辺りを意識しているとは思えないが。
ともあれ……俺達はジオンに見つかるよりも前に、マハルからリリー・マルレーンに乗って出航するのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:235
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1435
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