空に星が輝く様に
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340部分:第二十五話 キャンプファイアーその十二
第二十五話 キャンプファイアーその十二
「無理することはない」
「何だよ、引くのかよ」
「いいの?」
「無理する必要はないから」
それでだというのである。
「だから」
「じゃあ何でそんなこと言ったんだよ」
「キスなんて」
「二人にはそろそろと思ったから」
「それだけか?」
「それだけなの」
「そう、それだけ」
また言った椎名だった。
「二人がどうしてもっていうんならいい」
「ったくよ、心臓が止まるかと思ったよ」
「凄く驚いたけれど」
「二人の初々しさにかなり驚いてる」
椎名はそんな二人を見てまた話した。
「キスもまだなんて」
「それで今もっていうのかよ」
「そうなの」
「そう。かく言う私も」
「まだっていうのか?」
「まさか」
「そのうちする」
椎名の頬が少し赤らんだ。そのうえでの言葉だった。
「そう、そのうち」
「何だよ。結局一緒なんだな」
「そうなのね」
「そうなる。それを言ったら」
「同じだよな」
「そうですよね」
月美はここでは陽太郎に話していた。そうしてだった。
二人はだ。ここで息を合わせてこう椎名に話した。
「まあ俺達は」
「今日は夜空でも見ようかしらって」
「ロマンチストね」
「そういえば椎名って」
「うん」
「あれだったよな。天文部だったよな」
「その通り」
こう答えた椎名だった。
「覚えていてくれて有り難う」
「じゃあ星見るの一緒にどうだ?」
「よかったら教えて」
陽太郎だけでなく月美も彼女に行ってきた。
「それじゃあ今から」
「どうかしら」
「わかった。じゃあ」
「ああ」
「一緒にね」
「赤瀬も呼んで」
彼もだというのだった。
「一緒に観よう」
「あれっ、何か楽しいこと話してるか?」
「何の話なの?」
ここで狭山と津島も来た。まさにいつもの面子だった。
「よかったら俺も入れてくれよ」
「メンバーは多い方がいいわよね」
「ああ、それじゃあな」
「六人で」
陽太郎と月美が二人の申し入れを受けた。そうしてだった。
「じゃあ行くか」
「今から屋上に」
「ナイスポイント」
また椎名の言葉である。
「それじゃあ今から皆で屋上に」
「よし、何かよくわからないけれどな」
「屋上ね」
狭山と津島は細かいことはこだわらずにこう言ったのだった。
そしてだ。その二人が早速動きだした。
「行こうぜ」
「今からね」
「赤瀬も呼んで」
椎名は携帯を取り出していた。素早い指の動きでメールを入れた。それで終わりだった。
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