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空に星が輝く様に

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339部分:第二十五話 キャンプファイアーその十一


第二十五話 キャンプファイアーその十一

「けれどそれと同じ位」
「同じ位?」
「恥ずかしいんだよな」
「恥ずかしいですか」
「俺ってそこまでの人間かなって」
 こう言う陽太郎だった。
「月美にそこまで言われるような」
「それは違う」
 いきなりだった。椎名が出て来た。そのうえでの言葉だった。
「斉宮は充分それに値する」
「うわっ、いつもながら急に出て来たな」
「神出鬼没が私の長所」
「長所だったのかよ」
「そう、長所」
 まずはここからの話だった。そうしてだった。陽太郎にあらためて言う椎名だった。
「斉宮はつきぴーを救った」
「倉庫のあれかよ」
「それはその資格があるということ」
「月美にこんなこと言われる資格がか」
「そう、ある」
 こう話すのだった。
「充分に」
「だといいけれどな」
「それでだけれど」
「それで?」
「別に恥ずかしがることはない」
「それはいいのかよ」
「そう、いい」
 こう話す椎名だった。
「というか恥ずかしがる必要ないから」
「じゃあ喜ぶだけでいいのか」
「そういうこと。たっぷりと喜んで」
 陽太郎に対して告げた。
「思う存分」
「何か妙な表現だな」
「気にしない気にしない」
 さりげなく気にするように言うのがまさに椎名だった。
「何はともあれ」
「ああ」
「夜はまだ長いから」
 椎名はこうも言った。
「充分楽しんで」
「楽しむって何を」
「キスでもすればいい」
 椎名は大胆なことを言ってみせた。
「それでもすれば」
「おっ、おい椎名」
「愛ちゃん、それは」
 陽太郎も月美も今の椎名の言葉には顔が真っ赤になった。
「幾ら何でもな」
「それはかなり」
「大丈夫」
「何で大丈夫なんだよ」 
 速攻で突っ込みを入れた陽太郎だった。
「そう言える根拠は何なんだよ」
「今回はちょっと」
 月美もだ。今回ばかりは困惑していた。椎名の言葉にもだ。
「あんまりじゃないかしら」
「そうだよ。悪ふざけが過ぎるぞ」
「今回は悪ふざけじゃない」
 こう言う椎名だった。
「安心していい」
「余計に安心できねえよ」
「私も」
 陽太郎は声を少し怒らせていてだ。月美は困っていた。
「いきなり。キスなんてな」
「飛躍し過ぎじゃ」
「じゃあいい」
 いいというのだった。椎名はだ。
 
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