ドリトル先生と奇麗な薔薇園
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第六幕その六
「是非ね」
「お花はね」
「もっとだね」
「多くあるべきだね」
「この世界に」
「そうも思うよ、勿論薔薇もね」
このお花もというのです。
「見ていたら心が安らかにもなるから」
「華やかになるだけじゃなくてね」
「そうもなるから」
「だからね」
「是非共ね」
「うん、平和の象徴に使いたいね」
こう言うのでした、そしてです。
皆で色々とお話をしました、そしてまた薔薇を観てそれと共に薔薇のティーセットを楽しみたくてです。
この日の午後植物園の薔薇園に動物の皆と一緒に行きました、ですが。
今薔薇園では若い人達が朗読をしていました、その朗読は日本語でしたが先生はどの作品の朗読かすぐにわかりました。
「真夏の夜の夢だね」
「あっ、シェークスピアの喜劇ね」
「日本語での朗読ね」
「昔の英語じゃなくて」
「日本語でそうしてるのね」
「うん、シェークスピアは世界中で読まれてるから」
そこまで有名な作品ばかりなのです。
「日本ではそうだよ」
「日本語で読まれてるね」
「そうだよね」
「ここは日本だから」
「日本語訳になるね」
「そうだね」
「うん、この文章は」
その日本語の朗読を聞いてまた言った先生でした。
「福田恒存さんの訳だね」
「福田恒存さん?」
「どんな人?」
「日本の英文学で有名な人だったんだ」
皆にその福田恒存という人の説明もしました。
「確かな教養と文章力、識見を持った人でね」
「凄い人だったの?」
「そうだったの?」
「二十世紀の日本を代表する知識人の一人だよ」
こうまで言っていい人だったというのです。
「保守派の重鎮でもあってね」
「それでなんだ」
「シェークスピアの日本語訳でも知られているんだ」
「そうなのね」
「うん、非常に多くの現代語訳の作品も残しているんだ」
シェークスピアのそれのというのです。
「文庫本にもなっていてそれぞれの解説も凄いよ」
「ううん、そんな人だったんだ」
「そんな人が日本にいたんだ」
「シェークスピアの現代語訳を沢山書き残した」
「そうした人が」
「日本のシェークスピア研究の権威だったんだ」
そうでもあったというのです。
「日本の保守系言論人の重鎮でもあったしね」
「色々凄い人だったんだね」
「何かと」
「そんな人が日本にいたんだ」
「そうだったんだ」
「そう、その人の訳だね」
今の朗読はというのです。
「日本語の」
「ううん、薔薇園でシェークスピアの朗読なんて」
「素敵なことしてるわね」
「イギリスの国花にイギリスの古典」
「それがあるから」
「そうだね、日本語の朗読は」
本当にというのです。
「これもまたいいね」
「そうだよね」
「僕達も聞いているといいと思うよ」
「他の国の言葉でのシェークスピアもいいね」
「昔の英語だけじゃなくて」
「シェークスピアの作品は本当に素晴らしい作品だから」
それでとお話する先生でした。
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