巨乳撲滅運動
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第一章
巨乳撲滅運動
アドラジオン、本名芦原麻友の将来の目的は世界征服である。だがそれ以前に彼女がどうしても果たさねばならないと考えていることがある、それは。
「巨乳!巨乳をこの世からなくすのよ!」
「こいつまた言ってるよ」
「また巨乳のこと言ってるよ」
彼女が通っている某大学の機械工学科の面々は小柄で貧乳の彼女を見て呆れて言った。
「本当に巨乳嫌いだな」
「というか嫌い過ぎだろ」
「巨乳ってそんなにいいか?」
「あんなの飾りだよな」
「そんなの気にしなくていいだろ」
「気にしたら負けだよ」
「あんた達はわかっていないのよ」
麻友はその彼等に顔を向けて言った、外見は目不足故の目の下のクマが気になるが小柄美少女と言っていい。
「巨乳の害毒が」
「巨乳の害毒?」
「何だそりゃ」
「そんなのあるのか?」
「初耳だな」
「巨乳に惑わされて人類がどれだけ過ちを犯したか」
こう血走った目で言うのだった。
「それを思うと私はいてもたってもいられないわ」
「その過ちって何だよ」
「精々痴漢位だろ」
「悪いことだけれど人類の過ちか?」
「魔女狩りとか十字軍の方が酷いだろ」
「愚かな。魔女狩りも十字軍も確かに過ちだけれど」
それにより恐ろしいまでの酸鼻な事態が起こったからだ、このことは麻友にしてもわかっているこだ。
しかしだ、ここからが麻友が麻友たる所以だった。
「巨乳は人類を惑わし道を誤らせてきたのよ」
「具体的にどういうことだよ」
「そこがわからないんだよ」
「巨乳ってそんなに悪いか?」
「弾圧とか虐殺の方が問題だろ」
「実際にそれで酷いことになってるしな」
「巨乳派そのあらゆる弾圧や虐殺の元凶なのよ」
麻友の脳内ではそうなのだ、彼女の中だけで完成されている話である。
「そして私は巨乳撲滅の為に!」
「また変なことするんだな」
「マジックハンド開発したり」
「おかしなマシンの設計図描いたりか」
「そうするんだな」
「そうよ、悪を倒す為に」
まさにその為にというのだ。
「私は戦うわ!」
「どう見ても世界征服よりそっちを優先してるよな」
「ああ、ミスコン批判する団体みたいだな」
「フェミ言ってる学者みたいになってるな」
「ミスコン?フェミ?どうでもいいわ」
麻友はそんなことには一切興味がなかった。
「私にとっては。問題はあくまでよ」
「巨乳か」
「巨乳こそが問題か」
「そうなんだな」
「そうよ、私は今度はね」
その考えをここで言った。
「巨乳を傷つけずに中の脂肪だけを吸引して貧乳になる吸引機を開発するわ」
「巨乳を?」
「大きな胸をか」
「そうするっていうのか」
「そうよ、例えば日笠〇子さんや伊〇静さんがよく演じている巨乳キャラみたいな見ているだけで全部切り取りたくなる胸」
これまたあからさまに言う麻友だった。
「ああした胸は見ているだけで殺意抱くけれど」
「アニメキャラに殺意抱くなよ」
「幾ら何でも大人気ないだろ」
「それ掲示板荒らす奴と変わらないぞ」
「キャラを叩くのもよくないが演じている人は絶対に叩くなよ」
「演じている人は別だからな」
「私は演じている人は叩かないわ」
麻友もこのことは弁えていた、人間として最低限の常識だからだ。
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