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空に星が輝く様に

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285部分:第二十一話 見てしまったものその二


第二十一話 見てしまったものその二

「お米には大勢の神様がいるから」
「パンには?」
「多分いる」
「パンは多分なんだ」
「そう、多分」
 多分だというのであった。
「いる」
「麦はわからないんだ」
「そう、神様はありとあらゆるものにいる」
「よく言われるよね」
「だからパンにもいる」
 椎名はこう主張する。
「そういうことだから」
「ううん、それでも椎名さんはお米なんだ」
「特にお握り」
「お握りは僕も好きだけれどね」
「今は食べてない」
「あれなんだよ。お握りって僕には小さ過ぎて」
 相変わらずの身体の大きさである。小柄な椎名と比べるとだった。赤瀬の巨大さはさらに引き立っていた。そこまで巨大な彼であった。
「だからね」
「それじゃあ爆弾持って来るから」
「爆弾?」
「明日のお昼楽しみにしておいて」
 彼女は言った。
「その時を」
「うん、それじゃあね」
「じゃあ」
 二人はこんな話をしていた周りでも皆それぞれ食べている。そしてであった。
 陽太郎はだ。かなり疲れた顔で椎名の傍にいた。そうしてであった。
「疲れたな、今日は」
「ああ」
「そうよね」
 一緒にいる狭山と津島も彼の言葉に頷く。
「今までずっとだったからな」
「働き詰めだったしね」
「だからだよ」
 陽太郎はこう言いながらハンバーガーを口にしている。
「いや、疲れたよ」
「じゃあ食った後はな」
「シャワーを浴びてよね」
「ああ」
 二人の言葉に頷く。
「寝るか」
「そうするか」
「それじゃあね」
「待って」
 しかしだった。ここで椎名が彼等に言ってきた。
「寝る前に」
「おっ、何だ?」
「何かあるの?」
「二人は適当にやっておいて」
 狭山と津島にはこう言うだけだった。
「勝手にしていいから」
「じゃああれか」
「斉宮なのね」
「そう」
 まさにその通りだというのである。
「斉宮だけれど」
「ああ」
「御飯食べたら一時間待ってるから」
 時間を指定してきた。
「三十分でシャワーと歯磨き終えて」
「三十分かよ」
「できるわよね」
「まあな」
 椎名の言葉にすぐに答える。
「それはな」
「じゃあ。待ってるから」
「場所は?」
「屋上」
 そこだというのである。
「そこにいるから」
「何で屋上なんだよ」
「それも来ればわかる」
「相変わらず秘密主義なんだな」
「秘密主義の方が面白いから」
 それが理由だというのが実に椎名らしい言葉だった。
「そういうことだから」
「それでか」
「そういうことだから」
 そしてであった。椎名は教室をすっと出ようとする。
 
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