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ドリトル先生と奇麗な薔薇園

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第四幕その十二

「白薔薇だよ」
「あの人はそちらね」
「白薔薇なのね」
「そして二つの薔薇が咲いて」
「そのうえで散っていくのね」
「その散る時もね」
 作品の結末を思い出している先生でした。
「最高の名場面なんだよね」
「そうよね」
「あの漫画は結末も素敵よね」
「バスチーユでのあの場面も」
「あの時まで」
「あの革命は実は奇麗なものじゃなかったけれど」
 先生は歴史学者でもあるのでこのことも知っています、フランス革命は実は謀略と暴走と虐殺に彩られたものだったのです。
「けれどあの漫画はね」
「立派な名作よね」
「そのタイトルに相応しい」
「とても素敵な作品よね」
「何よりも」
「僕もそう思うよ、それではね」
 ここでこうも言った先生でした。
「あの漫画も読みかえしてみようかな」
「いいね」
「あの作品は読みごたえあるし」
「無駄に長くもないしね」
「きちんとストーリーを組み立てているから」
「何もかもをね」
 作品の全てをというのです。
「緻密に考えて描いていっているね」
「だからあそこまでの作品になったんだね」
「ただ美形キャラが出て衣装や宮殿が奇麗なだけじゃなくて」
「性格描写も恋愛もちゃんと描いてて」
「時代検証も確かで」
「全てに凄く配慮して描いていっていて」
「ストーリーもね」
 こちらもというのです。
「無駄に長くないのよね」
「ちゃんとキャラクターの年齢を経ることも描いてて」
「それに従って成長していっていて」
「時代も進んでいっているから」
「あるよね、無駄にだらだら続いている作品が」
 先生はこうした作品も知っています。
「アニメ化して主題歌とか予告を抜いた二十分を殴り合いだけで終わらせているとか」
「そんな作品あるの?」
「その作品三十分のアニメよね」
「実質二十四分なのに」
「そのうちの二十分それって」
「酷いね」
「そうした無駄な引き延ばしばかりしている作品もあるけれど」
 日本にも残念ながらこうした大ヒット作があります。
「ベルサイユの薔薇は違うから」
「安心して読めるね」
「そうしたことからも」
「だから読んでいくよ」
 作品の方もというのです、日本では薔薇はこうしたジャンルの文化にも影響を及ぼしていることに素晴らしさを感じている先生でした。 
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