転生とらぶる
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機動戦士ガンダム
2099話
「ラル大尉!?」
ズム・シティにある酒場、エデン。
その酒場の中に、ラルの腹心……いや、副官か? ともあれ、エデンを任されていたクランプの声が響く。
店の中にいるのは、クランプの他に何人かだけ。
まぁ、今は昼間……UC世界の基準で考えれば午後1時ちょっと前といった時間だ。
そんな真っ昼間から酒場に来るような奴が、そういる筈がない。
ランチメニューでも出している居酒屋じゃあるまいし。
「ここが、お母様が働いていた……」
影から出て来たセイラが、パイロットスーツのヘルメットを脱ぎながら感慨深く周囲を見回す。
昨日は結局ホワイトスターにある俺の家に泊まり、今日このUC世界に戻ってきたのだ。
セイラをサイド7ではなく、ジオン公国……いや、ザビ家のお膝元のズム・シティまで連れて来たのは、これからラルがダイクン派について説得したりする時にセイラの……正確にはアルテイシアの存在が必要になる可能性が高いからというのが大きい。
セイラが1人でサイド7にいるのは、現状だと色々と危険かもしれないという思いがあったのも間違いないだろうが。
ともあれ、そんな訳でホワイトスターの転移区画から月の北極に設置したゲートに転移し、ASRSを展開したミロンガ改で月から離れ、ファブニールのシステムXNで転移、ズム・シティに向かっている輸送船に影のゲートを使ってこっそりと密航し、こうしてエデンに戻ってきた訳だ。
……ちなみに、本来ならもう数時間は早く戻ってこられる筈だったのだが、昨夜はゆかりも入れて色々と張り切りすぎた為に寝るのが遅くなって、寝坊してしまったんだよな。
俺達の寝室にラル達が入ってこなかったのは、中がどのような状況になっているのかを知っていたからか。
それでも午前8時すぎには何とか起きて、夜の汚れを落とす為に風呂に入り、それから朝食兼昼食を食べてから色々と用意を済ませ、こうしてUC世界に戻ってきた。
ちなみに月の北極に設置したゲートを中心として簡単な建物を用意し、普通に呼吸出来るようにもしてる。
建物の外側はミラージュコロイドとメギロートが近くから集めてきた岩によってきちんと隠蔽もされている。
場所が場所だけに、素の状態でも簡単に見つからないとは思うが、用心に越した事はないしな。
ともあれ、これでホワイトスターから転移する時に宇宙服やらパイロットスーツやらを着なくても良くなった訳だ。
その建物から外に出ると月なので、結局宇宙服やパイロットスーツを着なくてはいけないんだが。
それでも、転移区画で宇宙服やパイロットスーツを着ている光景を見せなくてもいいというのは、助かる。
その建物も、当然ながらクレイドルをこの世界に持ってきたら壊す事になると思うが。
ちなみに現在、クレイドルの改修作業では中央の市街地のど真ん中に、月のゲートをそのまま入れるようにという形でと調整しているらしい。
簡単に言えば、ど真ん中に穴を開けてゲートはそのまま使えるようにする……といった感じで。
「はい、姫様。この店はアストライア様が有していた店で、それを私が引き継ぎました。店構えも、当時と殆ど変わっていません」
「……そうですか」
セイラは、恐らくこのエデンという店に来た事はない筈だ。
にも関わらず、どこか懐かしそうに店の中を見ていた。
まぁ、ここは酒場だし、セイラがズム・シティにいた時は最大でも7歳の子供だったんだから、そんな子供を酒場に連れて来たりはしないだろう。
「ラル大尉、ご無事で何よりです」
「うむ。何か異常はあったか?」
「特に何もありませんでした。そもそも、ラル大尉達が留守にしていたのは1日にも満たない時間ですから」
「そうか、ならいい。それより……これから、色々な意味で忙しくなるぞ」
「そうですか」
クランプは、ラルの言葉を聞いても特に驚いた様子もなく、それだけを答える。
一瞬事態を分かってないんじゃないかと思ったが、ラルを見る目には強い信頼が見て取れるのを思えば、ラルに言われた事は何でもこなそうと考えているのだろう。
「ラル大尉、俺は海兵隊の方に当たってみればいいんですね?」
「ああ、そうだ。突撃機動軍だけに、接触するのは難しいかもしれんが……」
「マハルの方の伝手を使えば、何とかなりますよ。あそこの連中は何だかんだと仲間意識が強いですから」
そう言い、コズンはエデンを出ていく。
海兵隊ってのは、あれだろう。ラルがホワイトスターで言ってた、自分のせいで汚れ役をさせてしまったって連中。
「ラル、その海兵隊……海兵隊ってくらいだから、実力は間違いないんだよな?」
基本的に海兵隊ってのは、真っ先に敵に突っ込んで拠点を築いたり攻略したりといった真似をする連中で、当然のように損耗率も大きい兵種だ。
だが、そんな激戦の中を生き残るのだから精鋭が育ちやすいし、仲間意識も非常に強い。
……まぁ、それはあくまでも人間の海兵隊の認識だから、MSを使った海兵隊がどういう部隊なのかは、俺にも分からないが。
「うむ。儂も直接会った事はないので噂しか聞いておらんが、戦歴は相当なものだ。……その分、酷使されているとも言うがな」
腕が立つ連中だから、ジオン軍にとっても使いたくなるのか。
その気持ちは分からないではない。
特にジオンと連邦の国力比は1:30、もしくはそれ以上とも言われている。
だからこそ、腕の立つ戦力は有効活用する必要があるのだろう。
ましてや鼻つまみ者だという海兵隊であれば、気遣う必要を感じられないとなっても無理はない。
「そうか。なら、いい。ただ……海兵隊だろうがなんだろうが、もし俺達を裏切るなんて真似をする場合は、こっちも相応の態度に出る必要がある。それは理解しているな?」
「当然だ」
ラルが俺の言葉にはっきりと頷く。
そこまではっきりとしているのであれば、これ以上は俺が何かを言う必要はないか。
そうなると、次の問題は……
「俺はともかく、セイラをどこに住まわせるかだな。安全性を考えればこのエデンに隠れておけばいいのかもしれないけど、ここに来る客はラルの関係者以外にもいるんだろ?」
「それは、否定せん」
「でしたら、姫様には私の部屋に来て貰えばいいかと」
ハモンの言葉に、ラルは少し考えてから頷く。
「儂もそれがいいと思う。姫様、どうでしょう?」
「私は助かりますが、それでいいのですか?」
セイラが視線をラルを向けたのは、つまりそういう事だろう。
ラルとハモンの2人がどういう関係なのかは、それこそ俺でも簡単に理解出来る。
そうである以上、ハモンの家にセイラがいれば……そういう行為は出来ないだろう。
そう思った瞬間、セイラの視線が俺に向けられる。
どこか責めるようなその視線は、ニュータイプの力で俺の考えを悟ったのか、単純に女の勘か。
「ちなみに、ハモンの家ってのはどこなんだ? 出来ればこのエデンから近い場所だといいんだけど。何かあった時、すぐにセイラをここに匿う事が出来るし」
「ここから歩いて10分もしない場所にあるアパートだ」
ラルの言葉に、それくらいなら問題はないかと考える。
てっきりアパートではなくマンションとかに住んでいるのかと思ったが……いや、ラル家が潰されてしまった以上、それもしょうがないのか?
この店を経営していても、この店に来る客は基本的にはラルの知り合いが殆どで、新規の客はそう多くないようだし。
ああ、でもこういう場所にある店だからこそ、海兵隊とかが来てもおかしくはない、のか?
「では、私はハモンさんに世話になるという事で」
「すいません、姫様。出来ればもっと良い部屋を用意したいところなのですが」
「構いません。忘れたのですか? 私はアルテイシアであると同時に、セイラでもあります。以前はともかく、今はごく普通の一般人として生活しているのですよ。実際、サイド7で私が住んでいた家も、決して大きくはなかったでしょう?」
そう告げるセイラだったが、それは間違いのない事実だ。
それでも一軒家だけあって、アパートよりは広かったが。
普通であれば、医療ボランティアに来た相手に、小さくても一軒家を貸すなどといった真似はしない。
それが出来るのは、やはりサイド7がまだ出来たばかりで住人の数も多くないからだろう。
これでもし住人の数が多ければ、とてもではないが一軒家を貸すなどという真似は出来なかった筈だ。
「セイラはハモンの部屋で決まり、と。そうなると俺はどこに住むかだな」
呟き、ラルに視線を向ける。
「何故そこで儂に視線を向ける?」
「いやまぁ、セイラがハモンの部屋なら、なぁ? まさか、俺が適当な部屋を借りるなんて真似が出来る筈もないし」
いや、やろうと思えば出来るが、そのような真似をすれば面倒事に巻き込まれる可能性もある。
それ以前に、未だに俺はこの世界の金を持っていないのだから、現金を用意する必要もあるしな。
「こちらでアクセルの部屋を用意しておく。お前も儂が一緒より、1人の方がいいだろう?」
「1人の方がいいかどうかと聞かれれば、1人の方がいいのは間違いない」
「金の心配ならするな。シャドウミラーからたっぷりと援助して貰ってるからな」
ラルの言葉は間違いなく事実ではあった。
そもそもの話、建国をする為には相当の資金が必要となる。
戦力的な意味ではシャドウミラーで何とかするし、クレイドルに関してもこっちの持ち出しだ。
だが……人を集める為には、相応の資金が必要となるのもまた事実。
特にMIP社とかのような会社と接触するのであれば、当然のように金が必要となる。
ダイクン派だったり、ダイクン派以外でもルナ・ジオンに引き込みたい存在であったりといった連中と会うにしても、当然その場を整える為には相応の資金が必要となる。
場合によっては、土産という名目で何かを持たせるといった真似をする必要も出てくるだろう。
それに使う資金も、当然ながらシャドウミラーからの持ち出しという形になる。
とはいえ、資金といってもシャドウミラーにはUC世界の金がないので、金や宝石といった貴金属の類を渡す事になっており、それらは現在俺の空間倉庫の中に入っている。
シャドウミラー以外では金や宝石というのはかなり稀少な価値を持つのだが、ホワイトスターにあるキブツを使えばそれこそ幾らでも入手は可能なんだよな。
もっとも、そうやってキブツで作った金とか宝石とかを大量に他の世界に流すような真似をすれば、間違いなく市場が荒れる。
場合によっては大恐慌とかそんな感じになる可能性もあるので、その辺は極力避けるようにはしてるのだが……今回に限っては、話が別となる。
建国する為には、ちょっとやそっとの金塊や宝石といった物を使っても構わないだろうと。
意図的にそういう市場を荒らすような真似はしないように、エザリアから注意はされているのだが。
もっとも、連邦政府は絶対民主主義という風に揶揄されるような、一見民主主義に見えて実際にはそうではない政治形態だ。
それだけに、もし金市場とかが荒らされても、上からの権力で強引にそれを何とかしそうな気がする。……しかもその負担はコロニーに求めて。
そうなれば、巡り巡って負担はコロニー……スペースノイドに行くかもしれないというのを、ラル達はよく知っている。
寧ろこのUC世界で長年生きてきただけに、俺達が想像するよりも強くその事を理解してるだろう。
だからこそ、そのような真似をしないと政治班の面々も納得したのだ。
「いいのか? そういう金を早速使って」
「構わん。アクセルの存在は、姫様にとって……ルナ・ジオンにとって切り札となりえる。その為に部屋を1つ用意するくらいは、どうという事もない。……ただし」
一旦そこで言葉を切ったラルは、俺に向けて強い力を込めた視線を向けてくる。
「くれぐれも……くれぐれも、部屋に女を連れ込むような真似はしないように」
ラルも働き盛りの男にして、ハモンのようにな女と付き合っている。
そうである以上、当然のようにそこには肉体関係があるだろうし、それだけに俺が起きてくるのが遅くなった理由……昨夜の一件は当然のように理解しているのだろう。
セイラもラルが言っている意味をしっかりと理解したのか、薄らと頬を赤く染めていた。
ジオンのお姫様であっても、セイラも思春期の年頃の女なのは間違いない。
当然のように、そういう事には興味があるのだろう。
そう言えば、セイラがルナ・ジオンを率いる事になるのであれば、いつまでも独身という訳にもいかないと思うんだが……ラル達はその辺をどう考えているんだろうな。
そう思いつつ、俺はラルの言葉に頷きを返すのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:5
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1389
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