レーヴァティン
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第六十話 召喚士その七
「では最後にだ」
「忍者さんがだっちゃな」
「そうだ、あいつが戻るまではな」
「この名古屋の街を見て回るっちゃな」
「そうしてこの街を知る」
見て回ってというのだ。
「そうする」
「そうして街を知ってっちゃな」
「この街を領土にした時にな」
その時にというのだ。
「どう治めるのかについてのだ」
「参考にするっちゃな」
「そうする、だからな」
「今はっちゃな」
「全員で街を見て回ろう」
「わかったっちゃ。しかしだっちゃ」
「しかし。何だ」
「いや、名古屋は賑やかだからっちゃ」
そうした街だからとだ、愛実は英雄に話した。
「どうしてもっちゃ」
「飯や酒や服にか」
「目移りしてしまうっちゃよ」
「それは先程見世物小屋の主に言われたな」
「覚えてるっちゃよ」
しっかりと、というのだ。愛実も。
「無駄遣いはっちゃな」
「しないことだ」
「お金は大事にっちゃな」
「俺達はあることはあるが」
これまで多くの魔物を倒してきてだ、巨人達も多く倒してきたので銭はそれこそ腐る様にまであるのだ。
「しかしだ」
「旗揚げの時にはっちゃ」
「政には銭が必要でだ」
それでというのだ。
「そしてその銭はだ」
「幾らあってもです」
謙二も言ってきた。
「足りないものです」
「そうだな」
「あればあるだけです」
まさにというのだ。
「必要です」
「それが政における銭だな」
「やるべきことは幾らでも次から次と出て来てです」
「止まることはないな」
「はい、ですから」
「銭はだな」
「幾らあろうともです」
まさにというのだ。
「足りません」
「俺達が今持っているだけの銭もな」
「あれ位と言うべきです」
冒険者としては腐る程持っていると言える、しかしそれはあくまで『冒険者が』持っているだけのものとしてはというのだ。
「そうです」
「だからだな」
「はい」
まさにというのだ。
「その程度です」
「それだけ銭は必要だな」
「政においては」
「多くあればあるだけ使う」
「そうなっていきますので」
だからだというのだ。
「やはりです」
「この程度の銭になるな」
「はい、それでは」
「無駄遣いもだな」
「多少ならいいですが」
しかしとだ、謙二は愛実を見て言った。
「それでも極端は」
「駄目だっちゃな」
「お気をつけ下さい」
くれぐれもという口調で愛実本人にも話した。
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