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レーヴァティン

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第五十九話 名古屋の街その七

 当季もういろうを食べた、それは他の面々も同じで七人共七種類のういろうを楽しんだ。それが終わってからだった。
 店を出て名古屋の街を見て回りその七人目の召喚士を探した、その中で。
 ふとだ、峰夫は名古屋の町中を見回してこんなことを言った。
「ここもかなりでありますな」
「賑わいが凄いでござるな」
「はい」
 智にも応えて言う。
「見事なまでに」
「全くでござる、城も見事で街もでござる」 
 その両方がというのだ。
「どれも見事でござる」
「おそらくでありますが」
 こう前置きしてだ、峰夫はこうも言った。
「この辺りでは一番賑やかな街でござるな」
「城もでござるな」
「はい、どういった領主殿か存じませんが」
「優れた領主でござろうな」
「だからこれだけの街になっていてでござる」
「城にしても」
「見事なものでござる」
 こう言うのだった、その五層七階の天守も見て。天守は華麗かつ勇壮なその姿を今も誇示するかの様に街の中央にそびえ立っている。
「実に」
「ほなそれがしはあっちに行くわ」 
 耕平は城の話がでたところでこう一同に言った。
「そしてや」
「城の中をでありますな」
「見ておくでござるか」
「そうするわ、ただな」
 ここでこうも言う耕平だった。
「出来れば領主さんとかもな」
「見ておきたい」
「そうでござるか」
「どんな城も人があってこそや」
 こう二人に述べた。
「そやろ」
「はい、その通りでござる」
 まさにとだ、智は耕平のその言葉に答えた。
「武田信玄公の言葉でござるが」
「人は城やな」
「人は石垣、人は堀でござる」
「ほんま人次第や」
 まさにとだ、耕平はまた述べた。
「それでや」
「人をでござるか」
「見ておくわ、これだけの街を築いて繁栄させてるしな」
「領主としても」
「かなりみたいやしな」
 二人の話を聞いての言葉だ。
「それやったらな」
「是非にでござるな」
「領主さんも見ておきたいわ」
 是非にという言葉だった。
「それでや」
「これかでござるか」
「見ておくわ」
「それでは」
「今から行って来るわ」
 こう言ってだ、耕平はまさに忍者そのものといった風にどろんと煙の様に消えた。そうしてであった。
 英雄は耕平を見送ってからだ、残っている面々にあらためて話した。
「では今からな」
「はい、その召喚士のところに行きましょう」
 謙二が応えた。
「そうしましょう」
「探してな」
「これより」
「ああ、そうしよう」 
 英雄の言葉と共にだ、一行は城に向かった耕平とは別にその召喚士を探すことにした。すると名古屋の街でも噂になっていてだ。
 何処にいるかすぐにわかった、その居場所はというと。
「見世物小屋にか」
「ああ、街の東にあるな」
 町人達が丁度道で召喚士の話をしていた。
「織田屋にな」
「あの大きな見世物小屋か」
「そこにいてな」
 そのうえでというのだ。 
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