オズのガラスの猫
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第一幕その九
「それで私も好きですし」
「他のロシアの人達もなのね」
「好きな人が多いと思います」
「そうなのね」
「フランス文化に憧れがあるんです」
「そういえば貴女の服も」
「はい、私の服ですね」
黒いドレスです、ひらひらしたフリルが一杯付いています。
「日本のファッションですけれど」
「ゴシックロリータだったわね」
「ゴスロリっていいます」
「そうだったわね」
「このファッションはイギリスの流れっていいますけれど」
それがというのです。
「私の服はフランス風なんです」
「そうなのね」
「そうしたデザインになっています」
「成程ね」
「イギリスよりもフランスですね」
「ロシアで人気があるのは」
「ファッションにしても」
そうなっているというのです。
「私の見ている限りは」
「その服似合ってるわよ」
つぎはぎ娘がナターシャに言ってきました。
「それも凄くね」
「似合ってるのね」
「ええ、とてもね」
実際にというのです。
「ナターシャお肌白くてブロンドの髪の毛を伸ばしてるでしょ」
「ええ」
「それにお顔が人形みたいに整ってるから」
だからだというのです。
「とてもね」
「このファッションが似合ってるのね」
「そうよ」
実際にというのです。
「凄くね」
「有り難う、そう言ってくれると嬉しいわ」
「白いお肌とブロンドの髪には黒い服って似合うわね」
楽しい感じで言うつぎはぎ娘でした。
「そうしたひらひらしたデザインで」
「それは何よりよ。じゃあこれからもね」
「ゴスロリでいくのね」
「そうするわ」
「それでいいと思うわ。異色なお姫様って感じがするから」
「異色なの」
「ドロシーもオズマも黒いドレスとかは着ないから」
オズマはいつも金色か銀色か白の光る感じのドレスです、そしてドロシーは明るい色のドレスが好きなのです。
「異色なのよ」
「そうなのね」
「それがゴスロリならね」
さらに言うつぎはぎ娘でした。
「いいものね、まああたしはね」
「つぎはぎ娘はね」
「そう、この身体自体がね」
まさに布をつなぎ合わせているその身体自体がというのです。
「服だからね」
「服と身体が一緒になってるのよね」
「あたしはね」
まさにそうだというのです。
「だから他の服は着ないの」
「そうなってるわね」
「それにこの服が一番好きだし」
つぎはぎのそれがというのです。
「色々な色があって派手で目立つでしょ」
「ええ、とてもね」
「だからこれが一番いいから」
それでというのです。
「他の服はいいわ。奇麗とか思っても」
「それでもなのね」
「着たいとかはね」
そうした感情はというのです。
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