オズのガラスの猫
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第一幕その八
「だって食べる必要も寝る必要もないから」
「このまま行くわ」
「私達がすることは」
「旅道具はオズマが全部持っていくでしょ」
ドロシーが考えはじめたナターシャに言いました。
「そうでしょ」
「はい、食べものを出すテーブル掛けや折り畳み式のテントを」
「だからね」
「そうしたことはですね」
「全部オズマがしているから」
「だからですか」
「貴女達はオズマを待っていて」
そうしていればいいというのです。
「こうしてお茶を飲みながらね」
「それだけですね」
「ええ、オズマはそうしたものをバッグに詰めて」
そしてというのです。
「出発するわ、これ自体はすぐに終わるけれど」
「問題はですね」
「留守の間のことをね」
「色々としないといけないですね」
「私も引き継ぎがあるし」
オズマからエメラルドの都を預かっている間何をするべきかと聞いておくのです、その間ドロシーが代理でオズの国全体を治めるからです。
「教授やモジャボロさん、魔法使いさん達もね」
「ドロシーさんと一緒にオズの国を治めるから」
「色々と聞くことがあるのよ」
オズマからというのです。
「それが終わってからね」
「出発ですか」
「そうなるわ」
こうナターシャにお話しました。
「それが終わってからね」
「出発ですね」
「そうなるわ。だから貴女達はね」
「引き継ぎが終わるまではですね」
「こうしてお茶を飲んでいて待っていて」
「わかりました」
笑顔になってです、ナターシャはドロシーに応えました。
そして自分もマカロンを食べて言いました。
「このお菓子美味しいですよね」
「マカロンはね」
「食べやすくて」
丸い色々な色のマカロン達の中から黒いマカロンを取って言うナターシャでした。
「食べる感じも甘さも」
「絶妙なのよね」
「素敵なお菓子ですよね」
「だから私も好きなの」
ドロシーもマカロンを食べています、マカロンは黒だけでなく赤に青、黄色にピンクと五人の子供達のカラーが全部あります。そこにエメラルドの都の緑とギリキンの紫もあります。赤はカドリング、青はマンチキン、黄色はウィンキーの色でもあるのでオズの国の色も全部揃っている形になっています。
「マカロンはね」
「そうなんですね」
「だからよく食べてるの」
「他のお菓子と同じ様に」
「そうしてるの」
「そういうことですね」
「それで今日はマカロンだけれど」
とても甘いミルクティーも飲みながら言うドロシーでした。
「皆気に入ってくれたみたいね」
「はい、とても」
「凄く美味しいですから」
「もっと食べたいです」
「出来れば全部の色のマカロンを食べたいですね」
「沢山ありますし」
「おかわりもあるからね」
ドロシーは五人の子供達の返事に笑顔で応えました。
「どんどん食べてね」
「わかりました」
五人はドロシーに応えて実際にマカロンを食べていきます、その中でナターシャはこんなことも言いました。
「マカロンはフランスのお菓子ですけれど」
「外の世界のね」
「はい、ロシアでは昔からフランス料理は人気がありまして」
「お菓子もなのね」
「人気があるんです」
そうだというのです。
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