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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第七十一話 劉備、何進を匿うのことその六

「人が猫になろうとしているからな」
「世の中猫好きの娘もいいけれどね」
「そうよね。風ちゃんとかね」
 ここでまた怪物達が話す。
「周泰ちゃんもそうだし」
「董卓ちゃんもね」
「何処でそうしたことを知ったのだ?」
 趙雲はそのことを問わずにはいられなかった。
「一体全体」
「あたし達人の心が読めるのよ」
「それでわかったのよ」
 またわかった二人の異常能力であった。
「勿論貴女達の心もね」
「読もうと思えばわかるわよ」
「何っ、では私の心もか」
 魏延がついつい余計なことを言ってしまった。
「私の桃香様への赤い心を」
「赤っていうか桃色ね」
「そちらね」
 二人はそれだというのだった。赤ではなく桃だとだ。
「もういつもね」
「見ているし想ってるわね」
「赤ではなく桃色だというのか」
「妄想は禁物よ」
「度が過ぎてるし」
「やっぱりね」
 馬岱がその魏延を横目で見ながら述べた。
「あんた、桃香様と頭の中で」
「違う、私は桃香様に何かしたりはしない」
 頭の中でもだというのだ。
「あくまで。桃香様からお誘いがありだ。この心も身体も」
「つまり桃香様のお誘いを待ってるのね」
「桃香様に何かする輩は絶対に許しはしない」
 確かに忠誠心はある。見事なものがだ。
「だが。お許しがあれば。私はこの全てをだ」
「全く。完全にそのつもりじゃない」
「私の全ては桃香様の為にあるのだ」
 劉備の真名をだ。これでもかと出す。
「だからこそだ。私はだ」
「はいはい、わかったから」
 いい加減呆れてしまっている馬岱だった。横目で見るその表情にもそれが出ている。
「あのね、それあの人達に読まれているのよ」
「おのれ、やはり人間ではなかったか」
「まあ蒲公英もあの人達が人間かどうか疑問だけれど」
「恐ろしい奴等だ。しかも」
「隙ないしね」
 この二人を以てしてもだ。怪物達に隙はなかった。
「わかる、尋常でない強さだ」
「この国を二人で破壊し尽くせるかも知れないわね」
「あら、あたし達そんなことしないわよ」
「平和が好きなのよ」
 ウィンクして顔を赤らめさせて答える妖怪達だった。
「これでも愛と平和の使者なのよ」
「美少女戦士なんだから」
「ここまでおっかない目に遭ったのははじめてなのだ」
 張飛の顔が真っ青になっている。
「世の中とても広いのだ」
「そうだな。おそらく私達全員で向かってもだ」
 関羽も彼等を見ながら話す。
「一撃で倒されるな」
「そうね。敵でなくて何よりだわ」
 黄忠もそのことに安堵している。
「そのことはね」
「あの、それでなのですが」
「南蛮象のヘソのゴマを持って来ました」
「呼んだニャ?」
 猛獲が来ている。今まで舞の胸を触って遊んでいたのだ。
 その頭にはその南蛮象がいる。パヤパヤだ。
「何の用ニャ?」
「パヤパヤちゃんのおヘソのゴマを欲しいんだけれど」
「いいかしら」
「いいニャ」
 満面の笑みで答える猛獲だった。
「何か人を助けないといけない状況なのはわかるニャ」
「うん、だからね」
「御願いしたいの」
「御安い御用だニャ。それならニャ」
 こうしてだった。あっさりとだ。南蛮象のヘソのゴマも手に入った。そしてそのうえでだ。他の薬の材料は既にあった。そうしてだ。
 
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