転生とらぶる
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
機動戦士ガンダム
2083話
俺はセイラの言ってる内容が理解出来ない。
いや、理解そのものものは出来る。出来るんだが……まさかセイラの口からそんな言葉が出るとは、思ってもいなかったのだ。完全に予想外だった。
もっとも俺が知ってるセイラは、俺がこの世界……サイド7に来てからの1時間ちょっとだけだが。
ああ、ちなみにこのサイド7。実はまだ建設中のコロニーだったりする。
……コロニーの新造をこれ以上はしないと決めたのが連邦政府だったのに、何故ここにきていきなり新しいコロニーを作ったのかは不明だったが。
でもSEED世界の時の事を思えば、もしかしたらこのサイド7でガンダムを開発していたりするのか? サイド7では軍が活発に動いてるって話だし。
しまった。セイラの口から出たあまりの言葉に、半ば我を忘れてしまった。
「セイラの口から出たのは、俺の聞き間違いって訳じゃないよな? 国を作りたいと、そう言ったのか?」
「……ええ、そうよ」
俺の問いに、迷った様子を見せつつも頷きを返す。
その様子を見る限りでは、とてもではないが冗談という訳ではないらしい。
「一応聞いておくか。何を考えて、そんな事を言い出した?」
国を作る。
言うのは簡単だが、実際にそれをやるにはとてつもない労力や金が必要となる。
特にこの世界――ガンダム世界? いや、W世界やSEED世界になぞらえると、UC世界でいいか――では、現在ジオン公国が連邦から独立して明確な独立国家になろうと、今回の戦争を引き起こしたんだし。
ただ、今から1ヶ月ちょっと前に、ジオンと連邦は南極条約とかいう条約を結んでいるらしい。
条約というのは基本的に国と国が結ぶものなのだから、連邦は実質的にジオンを一国家として認めているという事にもなる。……まぁ、ジオンが求めているのは実質的に国として認められるだけではなく、連邦がきちんとジオンを国として認め、独立を承認すると公表する事なのだろうが。
……ただ、コロニー落としとか、ギレンの発表した優性人類生存説。つまり『地球にしがみつく人類は劣った存在で、宇宙に進出して新たな次元に到達しようとしているスペースノイド、特にジオン公国臣民によって、人類は支配管理されるべきである』というのを考えると、独立云々よりも連邦を支配しようと考えているんだから、実質的に独立国として認めている状況でも決して満足出来るとは思わないが。
「このまま私が何もしなければ、恐らくキャスバル兄さんは国か組織か分からないけど、小惑星を地球に落とすわ。……まだ確信は持てないけど、シャア・アズナブルは、キャスバル兄さんに入れ替わっていると思うもの」
確信は持てないと告げるセイラだったが、それは何も証拠がないからだろう。
こうして話している中で次第に確信を高めていったのか、セイラの中では既にシャア=キャスバルという説は間違いないと思っているらしい。
「で、国か?」
「ええ。キャスバル兄さんが小惑星を地球に落とすような真似をするのであれば、当然そこには何らかの組織力が必要になる筈。でも、前もって私が国を作っていれば、そのような事は出来ない……とは思えないけど、アクセルの記憶にあったように容易に出来るとは思えないわ」
ニュクスに喰われた俺の記憶で、シャアが具体的にどのような国や組織を作って小惑星を地球に落としたのか。
それは俺にも今はもう分からないが、それでも国や組織を作るのには当然のように労力が必要となると思うんだが……セイラにしてみれば、その難易度をもっと上げる為に自分が先に国を作るしかないと、そう思ったのか。
ぶっちゃけ、本当に小惑星落としを防ぎたいのであれば、それこそシャアを殺してしまうのが一番手っ取り早いと思うのだが……セイラに実の兄を殺すような真似が出来るとは思えない。
ましてや、俺の記憶ではそうなっているかもしれないが、今のこの世界でシャアはまだ1軍人でしかなく、何かをやった訳でもないのだから。
シャアが小惑星を地球に今落とそうとしているのであれば、殺すという選択肢を選んでもおかしくはないが、それは無理な話だろう。
「シャアを捕らえるというのは?」
「無理よ。これからずっと兄さんを捕らえておくなんて……現実的ではないわ」
そうか? 俺の能力を使えば、その辺はどうにかなるだろうし、それこそアズラエルやパトリックのようにホワイトスターの中に捕らえておくという方法もある。
……ちなみに、最近ではあの2人、お互いに顔を見て会話を出来るようにしているらしい。
お互いにお互いしか話す相手がいないので、半ば言い争いしかしていないが、それでも話はしているとかなんとか。
ここまで来るのに、一体何年掛かったのやら。
ともあれ、それは一旦置いておくとして。
俺が捕らえたり、場合によっては鵬法璽を使う……そういう最終手段もある。
あるのだが、優れたニュータイプとしての能力を持っている相手に、鵬法璽とかが効果あるのかどうかが分からない。
俺の持つ念動力の下位互換的な能力だけに、下手をすれば鵬法璽が壊れたりといった可能性も否定は出来ない。
何より俺をこの世界に導いた念動力が、それは止めた方がいいと主張している。
勿論命の危機が迫った時のような激しい主張ではなく、この世界に来るようにと主張した時よりも大人しいのだが。
それでもやはり、そのように反応しているのは間違いないのだ。
「けど、国を作ると言ってもな。今の状況でそう簡単に出来る事じゃないぞ?」
ジオン公国が連邦から独立する為に、現在の戦争は起きている。
その状況で国を作るような真似をするのが、どれだけ難易度が高いのか。
その辺りは考えるまでもなく明らかだ。
俺達も、今までは現在ある国に協力するといった形でその世界に協力してきた。
例えば、SEED世界のオーブとか、マクロス世界の統合政府とか、W世界の連合軍とか。
まぁ、W世界では軍が政府の上位機関的な立ち位置だったが。
ともあれ、そういう風に既存の国、もしくは既存勢力やら企業やらに協力するという形を取ってきた。
だが、セイラはそこに1から国を作りたいと、そう言っているのだ。
それがどれだけ無茶な話かは、言うまでもない。
ギアス世界では一応建国したが、あれだって半ば中華連邦の幾らかを乗っ取るような形での建国だしな。
「そもそも、国を作ると言ってもどこにだ? 地球は現在は連邦とジオンの戦争の舞台になっているから、そんな余裕のある場所はない。それにコロニーだって俺達で自由に出来るようなのは存在しない。つまり……」
そこまで言って、ふと気が付く。
シャドウミラーに……正確にはナデシコ世界の火星に、丁度良い物が存在したのではなかったのか、と。
そう、マクロス世界の次期新型マクロス級の為のテスト艦、クレイドル。
世界にもよるが、北海道よりも面積の小さな国というのは幾らでもある。
そしてクレイドルは北海道よりも広い。
つまり、クレイドルを国として使うには丁度良い訳だ。
もっとも、クレイドルを国として使うなら当然そこにはゲートを設置する可能性がある。
となると、クレイドルをどこかに着陸、もしくは着水させる必要がある訳で……
今までのシャドウミラーの行動から考えれば、この世界の拠点も火星に設置するのがいいが、それは色々と無理があるのも事実だ。
「その辺は私にあまり候補はないわ。とにかく今は、国を作るという事が大事なの」
「そう言われてもな。……そもそも、国を作るという事は、誰が大統領なり首長なり、総理大臣なりといった風に国のトップに立つんだ? ……今のところ、考えられるのは……」
そう言い、セイラを見る。
この世界での知り合いはセイラしかいないというのもあるが、同時にジオン・ズム・ダイクンの1人娘たるセイラには、大義名分も存在する。
そして、俺がこの世界に来てから得られた情報によると、ジオンには未だにダイクン派と呼ぶべき者達がおり、ジオン公国から弾圧されていた。
もしそこに、ジオン・ズム・ダイクンの後継者たるセイラが姿を現せば?
しかも国を作り、ダイクン派を迎え入れるような事をすればどうなる?
当然そんな真似をすれば、ジオンの独立を表向きは認めていない連邦も、ダイクンを暗殺して実権を握ったザビ家が支配するジオンも、それを許容はしないだろう。
ああ、でもお互いに戦争をしている現状を考えると、ジオンも連邦もセイラを自分の味方にしようとするか?
連邦にしてみれば、ダイクン派とザビ家派の違いはあれど、同じジオンの関係者同士で内乱を起こして喰い合ってくれるのは歓迎だろう。
ジオン公国にしてみれば、同じジオンの名を継ぐ者であっても……いや、それだけに、盾代わりに使って磨り潰しても痛くない戦力だ。
問題なのは新しく作った国がどれだけの戦力を持つかだが、その辺りはシャドウミラーから戦力を派遣すれば問題はない。
「いける、か?」
「何か思いついたの?」
「ああ。ただし……これを実行すれば、もうセイラは2度と安穏な暮らしは出来なくなる。それでもいいか?」
「……私が国の代表になるのね?」
どうやら、セイラもその辺りについてはしっかりと考えていたらしい。
まぁ、俺が視線を向けたのがセイラで、セイラは自分の血筋を知っているのだ。
そうであれば、予想出来てもおかしくはない。
そして俺が頷くと、それを見たセイラは即座に口を開く。
「構わないわ。キャスバル兄さんの蛮行を止める為であれば、私が矢面に立つくらいは何とでもなる」
「そうか。……なら、一応ぱっと考えついた事を言うぞ」
セイラに俺が思いついた内容をざっと説明する。
あの空間で俺についてかなり理解したとは言っても、当然全てを理解した訳ではなかったのだろう。
クレイドルについて聞かされた時は、セイラにしては珍しく大きく目を見開いていた。
「……ちょっと待って。考えを纏めるから」
そう言い、セイラは頭を押さえる。
コロニーの面積が大体800平方kmで、その半分が採光用で、居住可能な場所は400平方km。
それに対してクレイドルは8万5千平方km。
単純計算だが、クレイドルはコロニーのざっと200倍の大きさとなる。
……もっとも、その大きさは山やら湖やらの人が住んでいない自然環境も含めてのものだ。
ただし、コロニーというのは幾つも集まってサイドという集団を形成する以上、単純にコロニー1基と比べてもあまり意味はないのだろうが。
そんな風に考えていると、やがてセイラも落ち着いたのか、改めて俺の方に視線を向けてくる。
「ごめんなさい。分かっていたけど、シャドウミラーが色々と規格外な存在だという事で納得出来たわ」
「それはどうも。……それで、だ。国作りの話に戻るが、セイラが自分はジオン・ズム・ダイクンの血を引く娘だと言っても、誰もが素直にそれを信じはしない筈だ」
「……そうでしょうね」
一応ジオン・ズム・ダイクンは偉大な男だったという事で、その遺伝子情報とかそういうのも残っている筈だ。
であれば、DNA検査とかでその辺りははっきりすると思うが……それを理解してもどこかで調べる髪の毛とか皮膚とかが取り替えられたと騒ぐ奴も出てくるかもしれない。
そういうのをどうにか出来る決定的な証拠……
「ジンバ・ラルだったか? お前達をサイド3から逃がしたのは。そいつは今、どこにいるんだ? ダイクン派をメインとした国を作る上で、色々と助けてくれるんじゃないか?」
そう尋ねるも、セイラは首を横に振る。
「いえ、ジンバ・ラルは地球でザビ家の手の者に掛かって……」
「そうか。セイラとシャアを地球に逃がしたという点では、大きな力になってくれると思ったんだけどな」
そう言うが、セイラの表情はどこか浮かないものだ。
何だ? もしかして、ジンバ・ラルってのは当てに出来ないような奴だったのか?
それでも、セイラ達を逃がしたという事は、ザビ家とは敵対していたのは間違いない。
そう考えれば、国を作ろうとするセイラにとっては、この上ない味方になると思ったんだが……
「他に、お前の素性を知っていて、味方に……」
「セイラよ。お前という呼び方は止めてちょうだい」
俺の言葉を遮るように、セイラが告げる。
その顔が不機嫌そうだったのは、俺がセイラという名前ではなく、お前と呼んだ事が原因なんだろう。
いや、その辺を気にするのは正直どうかと思わないでもないが……もしくは、セイラはアルテイシアから名前が変わったという事もあり、今の自分の名前に拘りを持っているという事か?
ともあれ、今はそれよりもダイクン派についての話だ。
ここで反論して、無意味な言い争いにならないようにした方がいいか。
「分かった。セイラだな。……それはともかくとして、ジンバ・ラル以外にセイラがアルテイシアだと分かるような奴はいないのか?」
その言葉に、セイラは少し考え……ふと、何かに気が付いたかのように、口を開く。
「青い巨星、ランバ・ラル」
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:5
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1389
ページ上へ戻る