レーヴァティン
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第五十八話 神仏の存在その十二
「外交や軍事もあるが」
「まずは内政じゃな」
「治水だけではない」
今言ったこれと、というのだ。
「そしてだ」
「田畑に道に橋にのう」
「町も整え商いも盛んにさせる、出来ればな」
「出来れば?」
「楽市楽座か」
この政も挙げるのだった。
「それもしたい」
「信長さんみたいにか」
「そうだ、そうして商業を盛んにさせてな」
そうしてというのだ。
「国自体を栄えさせたい」
「そう考えちょるんじゃな」
「そうだ、国が豊かになればな」
「それがそのまま国の力になるからのう」
「だからだ」
それだけにというのだ。
「そうもしていきたい」
「成程のう」
「どうだ、この考えは」
「まっことよかぜよ」
当季は笑みを浮かべて英雄に応えた、見れば右手は着物の衿のところから出ていて袖には何もない。
「それでな」
「そうだな、関所を置くと密偵を入れなく出来るが」
「そこはあれじゃのう」
「地域の治安を徹底させてだ」
「防ぐんじゃな」
「そうする、賊を取り締まるだけでなくな」
「そこまで考えちょるとはのう」
当季は笑みを浮かべて述べた。
「おまん見事ぜよ」
「実際にしてみるまではわからないがな」
「いや、事前にある程度考えておくこともじゃ」
「大事か」
「それでいいぜよ、ほなな」
「名古屋に入りだな」
「街も見てな」
内政のそれをというのだ。
「そしてだ」
「召喚士にも会うぜよ」
「そうする」
英雄はここでも強い声で言った、そうして船で名古屋に向かうのだった。川の中の船は休むことなくその名古屋に向かっていた。
第五十八話 完
2018・3・15
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