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異世界にやってきた俺は、チート能力を駆使して全力でスローライフを楽しむ!

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説明台詞

 あちらの世界の“英雄”と呼ばれるだけあるな、と捕まえた“闇ギルド”の人達は言った。
 俺は聞かなかったことにしたかった。
 だってそれではこの人物たちの目的が“俺”だったように聞こえる。

 否、この前の町に現れたあの怪物も俺が目的だったように感じる。
 だが“英雄”と呼ばれる人物は何人もいて、ミシェルだってそのうちの一人でもあったのだ。
 だから俺ではないかもしれない、そう俺は思いたかったのだが……どこかの物語のように、勝手に“闇ギルド”の捕まえた人物が説明という名の愚痴を始めた。

「そもそも“姫”と“英雄”が合流したら脅威となるから異世界人の“英雄”の方を何としてでも片付けろ言われて、こんなに色々と持ってきたというのに……」
「……俺がエイダと一緒にいるのは、たまたまだぞ?」
「“英雄”だから、あの方は自分を必ず倒しに来るだろうといっていましたが」
「……俺、前の世界では、とりあえず巻き込まれたのもあって戦っていただけなのですが」
「え? い、いや、だまされんぞ。真っ先にあの方を狙ってきたと……」
「う~ん、ああ、なるほど。毎回戦闘時、俺たちはその軍団の中の司令官を狙って攻撃に向かうようにしていたから、そのお前たちの言う、あの方は自分が狙われたと思ったのか?」
「だ、だが偽装していても見抜かれたと……」
「いつら大抵偽装しているから事前に表面の様子などを調べてから司令官に攻撃をするようにしていたが……そういえば、何人か倒し損ねたのがいたな」

 そこで俺は、幾度となく戦った“魔王の軍団”の二桁以上にわたる集団を思い出しながら俺は、あともう少しの所で数人ほど逃がしてしまったことがある。
 結局あの戦いの後まで出会うことはなかったので、仲間のうちの誰かがとどめを刺したのか、もしくは彼らの味方にとどめを刺されたのかと思っていた。
 だがこの“闇ギルド”の人物たちが言うには、どうやら生きていたらしい。

 そして俺を狙っているらしい。
 面倒なと俺は思っているとそこで、

「ま、まあいい、お前たちがそこの“姫”の城に入った時点で、我々が勝利する。あのお方も徹底的に罠を準備しているからな」
「そうか。うん、分かった。じゃあ……他に何か言いたいことがあるか?」
「! ……くくくく、あの城に入った時が“英雄”お前の最後だぁああああ」
「そうですか。では」

 俺はそう答えてから“闇ギルド”の人を気絶させておいた。
 後は仲間に回収させることに。と、いうか、

「この“闇ギルド”の人は俺に殺されると思っていたように聞こえるが……どんな話になっているんだ? 前の世界では人間は極力殺さずにこちら側に取り込めるよういろいろしたはずなんだが……謎だ」
「殺されると思ったら必死で攻撃するという考えなんじゃない? “英雄”さん?」

 そこでエイダがそう答えてとげのある言い方をする。
 だが俺としては、

「他にも沢山“英雄”はいたんだ。俺とは限らない」
「でも私の城を襲った“闇ギルド”はあなたが“英雄”だと思っているようね」
「……俺でないとよかったのに、俺が目当てか……はあ」

 俺は残念な気持ちになり呻いているとそこでエイダが、

「でも、これで彼らが貴方を気にいしているようだし、この展開は私にとって渡りに船だわ」
「そうだよな。でも忘れているようだが、俺は今ここで逃げることだってできるんだぞ」
「逃げるの?」

 そこでまた不安そうに聞いてくるエイダに俺はため息をついてから、

「ミシェルがもうどうにかしてしまっていそうな気もするが、一応は行って……手伝えそうなら手伝うよ」

 そう俺は返してから、相変わらずこちらを監視しているなと思いつつ、馬車の方に戻ったのだった。 
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