転生とらぶる
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ペルソナ3
2079話
俺がペルソナ世界からホワイトスターに戻ってきてからそれなりに時間が経ち、ペルソナ世界で入手した各種マジックアイテムや黄昏の羽根についての研究も開始され……そうなれば、当然のようにペルソナ世界でも時間は流れ、月光館学園の卒業式が行われ、それが終われば大学の入学式が行われる。
本来なら俺も卒業式や入学式に顔を出そうかと思っていたのだが、退学した以上は出来るだけ顔を見せない方がいいと武治に言われてしまってはそのような真似も出来ない。
もっとも美鶴はホワイトスターにある俺の家に引っ越してくるので、今日はそのパーティと美鶴の大学入学パーティを合同でやる事になっていた。
ちなみに美鶴が大学に提出した住所は、当然のようにホワイトスターではない。
巌戸台にあるマンションの一室を借りて、そこが現在の美鶴の住所となっている。
もっともそこには誰も住んでおらず、郵便とかそういうのを受け取る為だけの部屋となっているのだが。
ああ、でも対シャドウの組織、シャドウワーカーの一応の事務所という事にもなっているので、全く使い道がない訳ではないか。
……ちなみにこのシャドウワーカー、現在のところ所属しているのはS.E.E.Sの面々だったりする。
そういう意味では別に巌戸台分寮をそのまま使ってもいいんじゃないかと思うが……一応あそこは学生寮という扱いなので、そうもいかないらしい。
日本でも最難関の国立大学にあっさりと合格した辺りは美鶴らしいのだが……うん。何だか大学に行くよりもシャドウワーカーとしての活動の方が重要視されそうな気がするな。
ともあれ……
「美鶴の高校卒業と大学入学、シャドウワーカーの設立を祝って……乾杯!」
『乾杯!』
そう言い、皆がコップを掲げる。
もっとも今日のパーティはあくまでも俺の家でやる、本当に限られた者だけ……それこそ、俺と恋人達、それとルリやラピスだけが参加するパーティだ。
料理の方はマリューや千鶴が作ったのもあれば、四葉に頼んで作って貰った物もあるし、適当にピザや総菜の盛り合わせを買ってきたりもした。
……それでも、料理が余るという事は基本的にないんだよな。
いざとなれば俺が全部食えるのだから。
「えっと、その、色々と分からない事もありますが、よろしくお願いします」
いつもとは若干違う、丁寧な言葉遣いで頭を下げる美鶴。
そんな美鶴を、ゆかりは羨ましそうに眺めていた。
いやまぁ、ゆかりはまだ高校生で、今度は3年だ。
もう1年月光館学園に通わなければならない訳であり、女子寮から引っ越すような真似は出来ないのだ。
「ふふっ、羨ましい?」
「……ちょっと」
シェリルのからかうような言葉に、ゆかりは反発もせず素直に答える。
ここにいるのがゆかりにとっても家族のような存在だと、そう理解しているからこそ、ゆかりも素直なのだろう。
言わば、甘えているのだ。
「だってさ、アクセル。今日はこの2人を優先的に可愛がってあげたら? ああ、勿論私達もきちんと愛してね?」
「なっ!?」
シェリルの口から出た言葉に、ゆかりは顔を赤くして何かを言おうとする。
まぁ……そういう行為に慣れていても、こうして大勢の前で言われるというのは恥ずかしいのだろう。
ちなみにシェリルの言葉はルリやラピスにも聞こえるくらいの声の大きさだったが、ラピスの耳をルリが塞いでいたので、ラピスはいつも通り無表情な様子で小首を傾げているだけだ。
……もっとも、ラピスの耳を塞いだ影響により、ルリはシェリルの言葉をそのまま聞く事になってしまったが。
その結果として、ルリの顔は赤く染まる。
元々肌が白いルリだ。見るからに真っ赤になってるその様子は、いっそ見事ですらある。
「あら、この程度で照れている程度じゃ、アクセルとはやっていけないわよ? それとも……帰る?」
半ば……いや、完全に挑発以外の何物でもないレモンの言葉に、ゆかりは数秒前の戸惑いを消して、躊躇いなく返答をする。
「泊まっていくに決まってるでしょ!」
「……哀れな」
「うむ」
コーネリアとスレイがそれぞれ短く呟く声が聞こえてきた。
「でも、私達にとってはアクセルに対する戦力が増えるんだから、いいんじゃない?」
「それは分かっている。分かっているのだが……シェリル、こういうのはスケープゴートと言うんじゃないか?」
「まぁ、アクセルの一番元気な時に捧げられる羊と考えれば、間違ってないかもしれないわね」
コーネリアとスレイの会話にシェリルが混ざっていたが、俺はそれを聞き流しながら、ハムカツのサンドイッチを食べる。
トンカツ、ビーフカツ、チキンカツのサンドイッチってのはよく食べるけど、ハムカツのサンドイッチってのは珍しいな。
「あ、アクセル君。その、それ……私が作ったんだけど、どうかな?」
「円の手料理か。うん、美味いぞ」
それはお世辞でも何でもなく、このサンドイッチは普通に美味い。
「てっきり円の事だから、牛丼サンドとか作ると思ってたんだけどね」
「ちょっ、美砂! それは私が牛丼を好きなのは否定しないけど……だからって、牛丼をサンドイッチにしたりはしないわよ!」
「あら? やろうと思えば出来るわよ?」
「……本当?」
やらないと言った円だったが、それを聞いた千鶴の言葉に疑わしげな視線を向ける。
だが、そんな円の疑問は俺も同様だ。
どうやれば牛丼をサンドイッチに出来るんだ?
周囲で話を聞いていた他の面々……特にこの家で千鶴と並んで料理が得意なマリューは、興味深そうに千鶴の話を聞いていた。
「簡単に言えば、汁を少なめにして卵とじにしてパンに挟むのよ。もっとも、パンに汁が染みないように、しっかりと厚めにバターを塗る必要があるけど」
「……なるほど。ちょっと興味深いわね。けど、やっぱり牛丼は普通に牛丼として食べた方がいいと思うんだけどな」
円の言葉に、皆が頷く。
ネタ的な意味で一度食べてみるのはいいかもしれないが、頻繁に食べるなら、やはりサンドイッチよりも普通に牛丼として食べる方が美味そうなのは間違いないだろう。
と、不意に俺の服が引っ張られる。
何だ? と思って視線を向けてみると、そこではラピスが俺の服を掴んで引っ張っていた。
「どうした?」
「食べてみたい」
短い一言だったが、それでもラピスが何を食べたいと言っているのかは、今の状況であればすぐに分かった。
つまり……
「牛丼のサンドイッチを食べたいのか?」
そう尋ねると、予想通りと言うべきか……ラピスは小さく頷く。
さて、一体どうしたものか。
視線を千鶴に向けると、俺とラピスのやり取りを見ていたのか、笑みを浮かべて頷いてくる。
「分かったわ。じゃあ、ちょっと待っててね。すぐに作るから。他に牛丼サンドを食べたい人は?」
そう尋ねる千鶴の言葉に、何人かが手を挙げて食べたいと告げる。
こういう時、ホームパーティって便利だよな。
もしこれがどこかの店なりパーティ会場を借りてのパーティとなれば、そんな真似は出来ないし。
いや、自由度の高い店でのパーティとかなら、意外と対応して貰えるか?
貰えるかもしれないが……牛丼サンドとかいうのを作ってくれるかと言えば、微妙なところだろう。
ともあれ、食べたいという人数を確認すると、すぐに千鶴は台所に向かって料理を始める。
「うーん、さっと煮込んだだけの牛丼は肉とかタマネギの食感を楽しむのに向いてるんだけど、長時間煮込んでしっかりと味を染みこませた牛丼も美味しいのよね。サンドイッチに向いてるのは、どっちかしら」
そんな千鶴の様子を見て、円が呟く。
牛丼好きなだけあって、色々と拘りがあるのだろう。
その割に自分で牛丼を作ろうとしないのは、以前自分で作った時に出来たのがあまり美味くなかったかららしい。
もっとも、料理というのは練習すれば大抵がその分だけ技量が上がって、美味い料理を作れるようになる。
その理屈で考えれば、円も料理を続ければ十分美味い料理を作れると思うんだけど。
ともあれ、さすが毎日この人数の料理を作っているだけあって、千鶴の手際はいい。
10分かそこらで、大量のサンドイッチを盛りつけた皿を手に、戻ってくる。
「はい、出来たわよ。もっとも、このサンドイッチは取りあえず作ってみただけで、改良する場所はまだ色々とあると思うけど」
そう告げる千鶴は、いつものように慈母の如き笑みを浮かべていた。
……もっとも千鶴の場合、何かあればその慈母の如き笑みを浮かべたまま長ネギを手に迫ってくるので、油断出来ないのだが。
そんな事を考えていると、千鶴の視線が間違いなく俺の方に向けられる。
オホホホホという笑い声がどこからか聞こえてきたような気がしたので、取りあえずそれ以上はスルーしてサンドイッチに手を伸ばす。
先程千鶴が言った通り、パンには汁を染みこませないようにしっかりとバターを塗っており、卵とじにされた牛丼の具が挟まっている。
まぁ、牛丼に生卵を掛けて食べるってのは、そう珍しい事ではなく……寧ろポピュラーな食べ方なので、卵とじでもそこまでおかしくはないのか?
「うん、美味い」
ともあれ、そのサンドイッチが美味いか不味いかで言えば、美味いのは間違いない。
牛肉とタマネギはさっと出し汁で煮ただけなので、まだしっかりとした噛み応えがあり、食べているという実感がある。
そんなサンドイッチを食べながらラピスの方に目をやると、そこではラピスが無表情で……それでいながら、一生懸命に牛丼サンドを食べていた。
当然そうして急いで食べていれば口の周りとか頬とかに食べかすがついたりするのだが、そこは姉のルリがしっかりと拭いてやっている。
そうしてラピスの世話をしながらも、ルリは自分の分のサンドイッチを食べている。
この辺り、しっかり姉妹をしているなとしみじみと感じられるところだ。
「……何でしょう?」
そんな俺の視線に気が付いたのか、ルリが尋ねてくる。
「いや、何でもない。しっかりと姉妹としてやっていけていると思ってな」
「当然です」
こちらもまた、ラピス程ではないが表情を変えず……それでいて、自慢げに呟く。
この辺り、似たもの姉妹といったところか。
そんな風に思いつつ……俺は、パーティを楽しむのだった。
「ん……あああああああああっ!」
艶っぽい声を上げ、限界を迎えた美鶴が激しい息づかいのままベッドに倒れ込む。
白く、柔らかく、女らしさを現している美鶴の身体が、ベッドの上で荒い息によって激しく上下している様子は酷く艶っぽい。
そんな美鶴は、少し息を整えつつ……やがて体力の限界に達したのか、そのまま眠りにつく。
美鶴の赤い髪を撫でながら、ベッドの上を見回す。
そこにいるのは、10人を超える俺の恋人達全員の一糸纏わぬ姿。
その全員が、現在は体力の限界に達して深い眠りに落ちている。
……正直なところ、まだ余裕があるのだが……無理をする必要はないか。
全員が限界まで体力と精神力を使ったのだから、今はゆっくりと眠らせておいた方がいいだろう。
こうしていると、今更ながらホワイトスターに戻ってきたんだなという思いがしみじみとする。
取りあえずニーズヘッグの改修が終わるまでは他の世界に行くような事もないし、暫くの間は骨休めも兼ねてゆっくりとした日々をすごすのもいいだろう。
特にペルソナ世界で桐条グループが運営し、美鶴が実質的な指揮官として動くシャドウワーカーにはちょっと注目している。
荒垣と順平、チドリの3人は、シャドウミラーへの……正確には俺への大きな借りとして、シャドウミラーにてペルソナの研究をするのと同時に、シャドウワーカーで働くという事になっていた。
まぁ、借り云々を抜きにしても、本人達はシャドウワーカーに協力する気満々だったのを考えると、こっちはおまけ的な意味合いの方が強いんだろうが。
もっとも、おまけではあっても正式にシャドウワーカーに所属する事になったのだから、順平とチドリは卒業後の進路が決まってしまった事になるし、荒垣は即座に社員雇用扱いとなる。
……美鶴の性格を考えれば、もし順平達が本当に何かやりたい事がある場合、そっちを優先させると思うが。
そんな風に考えていると……
ドクンッと。
瞬間的に何かを感じた。
いや、これは何かといったものではない。俺にとっては、既に馴染み深い感覚。
そう、間違いなく念動力による感覚。
しかし今までと違うのは、念動力が危険を教えた訳ではないという事だ。
現に周囲を探っても危険の類は一切ない。
そして何より、念動力が何を知らせようとしているのか、俺自身が知っていた。
今までこういう事がなかったので、少し戸惑ったが……恐らく念動力が、俺が本能的に察した行為をする事が最終的には俺にとって大きな利益になると、そう示しているのだろう。
つまり、ゲートを使って未知の世界に向かえという事を。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:5
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1389
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