転生とらぶる
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ペルソナ3
2078話
「ペルソナ!」
荒垣のその言葉と共に、カストールが姿を現す。
以前はその潜在能力の高さから荒垣に制御出来ない事もあったが、タルタロスで鍛え人類最後の日を潜り抜けた今の荒垣にとって、カストールを制御するのは難しい事ではなかった。
少なくても、俺が見る限りではかなり余裕を持ってコントロールしている。
「パーティの時も伊織だっけ? あの子のペルソナを見たけど、また随分と違うのね」
レモンがカストールを見ながら、不思議そうに呟く。
まぁ、順平のトリスメギストスと荒垣のカストールはペルソナという点では同じだが、その外見は大きく違う。
トリスメギストスは、明確な人型。
カストールは馬に乗っている騎士。……もっとも、その馬はチェスでいうナイトのような感じの馬だが。
「そうだな。ペルソナというのは、その人物の個性が大きい。私のアルテミシアも他のペルソナとは大きく違うし、S.E.E.Sに所属している……いや、していた者達もその点は同じだ」
レモンの言葉に、美鶴がそう言葉を返す。
今日はペルソナ世界の面々がホワイトスターにやって来て、ペルソナの調査をする事になっている。
当然ながらここはホワイトスターであっても、魔法球の中ではない。
美鶴やゆかりのようにシャドウミラーに所属する予定の者であればまだしも、付き合いはあるがシャドウミラーに所属していない者には魔法球の事を漏らす訳にはいかなかった。
だからこそ、ホワイトスターの使っていない場所を臨時の研究室として整える事になった。
そして、当然のようにいつもは魔法球の中に引き籠もっている事の多い技術班の面々も、珍しく魔法球を出てこの場にいた。
「うわっ、凄えな。ねえ、荒垣君だっけ。このカストールってペルソナは、君の思い通りに動くの?」
「ああ。ただ、ペルソナには潜在能力みたいなのがあるらしくて、それによってはペルソナが制御から外れる事もある」
荒垣がこうして技術班の面々の質問に素直に答えているのは、俺に対して大きな借りがあるからだろう。
もっとも荒垣自身カストールに色々思うところがあるというのは、間違っていないのだろうが。
「ほう。面白い。あの爺がこれを見れば、興味深そうにするだろうな」
エヴァもまた、興味深そうにカストールを眺めている。
本来なら技術班でもないエヴァだが、ペルソナとはいえ生身での戦闘に関係しているという事で一応呼んでみたんだが……正直なところ、まさか来るとは思っていなかった。
ちなみにエヴァの言う爺ってのは、ネギま世界の近右衛門の事だろう。
麻帆良にいた時は近右衛門を邪険にしていたエヴァだったが、その住居をホワイトスターに移した後も交流は続いているらしい。
何日か前にも囲碁だか将棋だかで、近右衛門が大事にとっておいた秘蔵の酒を奪ってきたと自慢していたし。
「そやね。お爺ちゃんならこういうのを喜ぶかもしれんね」
「このちゃん、そうなったらそうなったで、色々と面倒な事になりそうな気がするんですが」
木乃香の言葉に、刹那が少し呆れを混ぜて呟く。
実際、近右衛門の性格を考えると、刹那の言ってる事は間違いという訳でもないのがな。
「茶々丸さん。愛とはなんでしょうか?」
「……すいません。私にはちょっと分かりかねます」
少し放たれた場所では、アイギスと茶々丸が話している。
同じアンドロイドという事で、あの2人は結構気が合ってるみたいなんだよな。
まぁ、友人が増えるのは茶々丸にとって良い事だろうが。
エヴァも、そう思っているから何も言ってないんだろうし。
ちなみに技術班の面々は、そんな茶々丸の様子にほっこりとしている。
いつもは茶々丸に追われている技術班だったが、エキドナと違って普段は愛されてるんだよな。
「データの方はどう?」
「問題ないわ。ただ、出来ればここからのデータだけじゃなくて、しっかりと身体データを取ってみたいわね。セシル、そっちの準備はどうなってるの?」
「え? あ、はい。各種機器は運んでおいたので問題ありません」
「そう。……言っておくけど、ロイドが妙な真似をしていたら……わかってるわね?」
「はい、分かってます! ロイドさんには絶対に何もさせません!」
マリュー、レモン、セシルの会話は、まぁ、いつも通りと言ってもいいだろう。
もっともこれでいつも通りというのは、微妙にちょっとアレな感じがしないでもないが。
「次、お願い出来る? ……ねぇ、アクセル。一応聞くけど、本当にこの子もペルソナを召喚出来るの?」
マリューやセシルとの会話を終えたレモンが尋ねてくる。
まぁ……次にペルソナを召喚するのはコロマルだしな。
そう考えれば、レモンの気持ちが分からないでもない。ただ……
「安心しろ。コロマルは俺と一緒にタルタロスを攻略してきた、頼りになる仲間だ。それに人の言葉をしっかり理解出来る頭の良さも持っている。……正直なところ、ホワイトスターの牧場にいるワイバーンよりもよっぽど頭が良いと思うぞ」
ワイバーンも、それなりに頭がいいのは間違いないが……それでも、しっかりとこっちの言葉を理解している訳ではない。
「わん、わんわん! わう!」
俺の言葉が聞こえていたのか、コロマルは嬉しそうに尻尾を振りながら前に出る。
……俺やゆかり、S.E.E.Sの面々にとっては特に注目すべき光景という訳ではないが、それはあくまでも俺達だから……何度となくコロマルがペルソナを召喚する光景を見ている為だ。
だが、そんな俺達とは違い、他の面々はどうしてもコロマルの様子に視線を集中せざるをえない。
「わおおおおおおおおおおおんっ!」
そんな雄叫びと共にコロマルのペルソナ、ケルベロスが姿を現す。
そしてコロマルがペルソナを召喚したのを見た他の面々は、全員が驚きの表情を浮かべていた。
「これは……アクセルから聞いてたけど、本当に犬がペルソナを召喚出来るなんて。そうなると、ペルソナ世界以外の人間がペルソナを召喚出来るという可能性は……」
「いや、でもコロマルもペルソナ世界の住人……いえ、人じゃないけど、生き物でしょう? だとすれば、そちらはまだ難しいんじゃない?」
レモンとマリューがそれぞれ話し合い……
「ペルソナについての研究をするというのに、私をのけ者にするというのは、どういう事ですか!」
そう叫びながら部屋の中に突撃してきたのは、ロイド……ではなく、葉加瀬だった。
「あのね、一応私は呼びましたよね?」
セシルがそう葉加瀬に返事をするが、葉加瀬の方はそんなセシルに不満そうにぶーぶー言っている。
俺が聞いた話だと、現在葉加瀬はET-LINKシステムとは似て非なる操縦システムの開発をしているらしい。
何でも、魔力を使った操縦システムで、理論上ではET-LINKシステム以上、T-LINKシステム以下といった具合になる……という事らしいんだが。
ただ、魔力となると人によって持っている量が違う。
例えば俺や木乃香、ネギなんかは極大とも言えるだけの魔力を持っているが、ムウなんかは平均よりちょっと上程度でしかない。
こんな風に魔力は人によって大きく違うのを考えれば、例えば魔力が大きい方に合わせると魔力が小さいパイロットは操縦出来ないし、小さい方に合わせると、魔力が大きいパイロットの魔力ではシステムが耐えきれない。
葉加瀬は科学と魔法を取り入れた魔法科学とも呼ぶべき手段を使ってコックピットに増幅装置を入れて、魔力が足りなければ増幅装置を、素のままで問題ないなら普通に……と、そんな感じでやろうとしているらしいが、まだ完成には程遠いらしい。
ともあれ、そんな訳でセシルが呼びに行った時も自分の研究に熱中していたのだろう。
「私は聞いてないです!」
「あー、もう。そもそも、葉加瀬さんはちゃんと寝てるんですか? 最後にお風呂に入ったのはいつです? ちょっと臭いますよ?」
「それは……」
そんな葉加瀬とセシルのやり取りを眺めていると、コロマルがケルベロスと共にこっちに近づいてくる。
「わう」
「ああ、気にするな。あいつもお前のペルソナを見たかったんだけど、自分の興味のある事に集中していると、どうしても他の事を気にしなくなるんだよな」
「わふぅ」
俺の言葉にコロマルは短く鳴くと、不意にケルベロスを動かす。
言い争いをしている、葉加瀬とセシルの下に。
「きゃっ! え? ちょっと、これ……」
「わぁっ、これがペルソナですか。私が聞いていた話と、随分違うようですが……」
あっという間に言い争いは終わり、葉加瀬はペルソナに夢中になるのだった。
『おや、アクセル代表。随分と久しいのう』
ペルソナの調査をしてから、数日後……俺の姿は、ホワイトスターにある通信室にあった。
空中に浮かぶスクリーンに映し出されているのは、各世界の代表達。
いやまぁ、中には今俺を見てからかうように言ってきた近右衛門のように、世界ではなく1つの組織の代表という者もいるが。
「ああ、そっちにも連絡は行ってるだろうが、つい最近ペルソナ世界から戻ってきたからな」
『ああ、聞いている。新しい世界だったな。ペルソナとかいう特殊能力があるとか。カガリも興味深そうにしていたよ』
ウズミが、俺の言葉に興味深そうに告げてくる。
そうなれば、他の面々も……特に魔法というのを最大の特徴としているネギま世界の近右衛門は、その視線が鋭い。
勿論他の面々……ギアス世界の星刻や、マクロス世界のハワード、ナデシコ世界のアカツキ、W世界のノベンタといった面々も同様だったが。
マブラヴ世界は、どうやら相変わらずこの会議に参加する事は出来ないらしい。
アカツキは俺がナデシコ世界に行った時に直接会っていたから、その辺は大体理解していたのだろう。
そして、W世界からはやはりノベンタが顔を出していた。
……まさに、各世界の首脳が大集合って奴だな。
まぁ、実際には近右衛門やアカツキを見れば分かるように、本当の意味で首脳とは言えないような面々も含まれているのだが。
「そうだな。ペルソナという特殊な存在を召喚する事が出来たり……」
と、ペルソナ世界についての説明をする。
当然のように、皆が興味深そうにその説明を聞いていた。
「まぁ、そんな感じだな。詳しくは後で情報を渡すから、それを楽しみにしていてくれ」
現在政治班の面々が各世界に流してもいい情報を纏めている。
当然その情報の中には、隠しておくべき事は書かれていない。
あくまでも、俺達シャドウミラーが……正確には政治班が流しても問題がないと思う情報だけが、記されている筈だった。
いやまぁ、近いうちに武治もこのメンバーの一員になるのだから、詳しい話はそっちで聞いて貰えばいいんだろうが。
『ふむ、それでアクセル代表。今までのパターンから考えると、アクセル代表もペルソナ世界で何らかの力を得たと、そう考えてもいいと思うのだが……どうかね?』
ハワードのその言葉に、映像スクリーンに映し出されている者達の表情が俺に向けられる。
そこに期待が込められているのを見て、俺は頷きを返す。
どうせこの件は隠しておいてもすぐ知られる事だ。
なら、ここで見せておいてもいいだろうと。
「そうだな。ネギま世界で得た召喚魔法を使って、ペルソナ世界のモンスター……まぁ、正確には違うんだが、それと召喚の契約をした」
『ひょっ!?』
驚きの声を発したのは、近右衛門。
まぁ、近右衛門は何だかんだと俺がどれだけの魔力を持っているのかを分かっているのだから、召喚の契約がどれだけ難易度が高いのか……そして、俺の血に耐える事が出来る存在は、それこそその辺のモンスターとは比べものにならないだけの強さを持っていると、知っているのだろう。
今日はこうやって映像スクリーン越しに会っているから、ニュクスとの戦いで俺の魔力がどれだけ増えたのかも分からないだろうが……直接あったら、ポックリ逝くんじゃないかと思ってしまう。
まぁ、魔力が上がったのは、俺がPPを使ったからこその話なんだが。
「百聞は一見にしかずって奴だな。……いいか?」
呟き、俺は軽く地面を……正確には俺の影を踏む。
瞬間、影から姿を現す刈り取る者。
『ぬおっ!?』
近右衛門……だけではなく、他の面々も同様に驚きの声を上げる。
まぁ、刈り取る者の姿は、どこからどう見ても異形と呼ぶに相応しい姿だしな。
どうしたって、そんな風に思ってしまうのは仕方がない。
もっとも、正直なところを言わせて貰えば、恐らくだがもし刈り取る者と契約を結ぼうとした時に、俺が今の魔力……SPであれば、恐らく刈り取る者も俺の血の魔力に耐える事は出来なかっただろう。
それだけ、今の俺の魔力は上昇しているのだから。
つまり、これでまた一段と俺が契約を結ぶことの出来る相手が減った訳だ。
その事を残念に思いつつも、俺は刈り取る者を横に置いたまま、各世界の首脳達と話を続けるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:5
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1389
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