【完結】猫娘と化した緑谷出久
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猫娘と期末試験編
NO.055 期末試験、開始
前書き
更新します。
出久と爆豪の予想は果たして当たっているのか切島は一途の不安を感じながらも、期末テスト当日になった。
それぞれこの日のために向けて勉強をしっかりとしてきたために、各自の筆記試験での手応えはなかなかだったらしく、一番筆記に関しては苦手そうだった上鳴と芦戸に関しても思わずの手応えを感じて、わざわざ家にまで招いて教えてくれた八百万にグッジョブサインを送っていたのがとても印象的だったと言えよう。
そして日を跨いで向える実技試験の日。
生徒全員はコスチュームに着替えて駐車場広場へと集まっていた。
「あ、デクちゃん。改修したコスチュームの初見せだね! とってもかっこよくなってるよ」
「ありがとう、麗日さん。足の方にも仕掛けも入っているから前より断然強化されてるんだー」
「そうなんだー」
と、また出久とお茶子の和やかな会話がされている中で、期末試験担当の教師たちがやってきた。
耳郎はやってきた先生の数を見て思わず「多い……」と呟く。
そう、見える限りでは相澤と、他には13号、プレゼント・マイク、エクトプラズム、ミッドナイト、スナイプ、セメントス、パワーローダーの姿があったのだ。
このそうそうたるメンバーに出久は小声で爆豪に話しかける。
「(かっちゃん……これはもしかして……)」
「(……ああ。予想は当たっていたようだな)」
そこに切島も二人の後ろから、
「(まさかお前ら二人の予想が当たるとはな……厳しいぜこりゃ)」
と、もう試験を辛そうにしていた。
相澤が前に出て試験前の言葉を発する。
「よーし……お前らよく集まったな。それじゃさっそくだが演習試験を始めて行く。この試験でも筆記試験同様にしっかりと赤点もあるんだ。だからよ……林間合宿に全員揃って行きたかったら死に物狂いで合格を目指してくるんだな」
もうすでに相澤は眼を鋭くさせて生徒達を威嚇している。
そして続けざまに話す。
「お前らも情報を事前に仕入れてきてんだからどんな内容かは把握できていると思う……」
そう話す相澤。だが、そんな場で試験内容をまだ把握できていない上鳴と芦戸が、
「聞いてますよ! ロボ無双! これに尽きるってね! だから成長した俺らで倒してやりますよ!」
「そうだそうだー! そしてみんなで楽しい林間合宿ー♪」
一学期で成長した力を見せようと二人はすでに楽観的思考に入っていた。
だが、そこで相澤の布の中から校長が顔を出してきた。
「ふっふっふー……残念だったね。諸事情あって今回から試験内容を変更しちゃうのさ!」
「「…………」」
それで言葉を失う上鳴と芦戸。
先生達の人数を見れば想像できるというものだが、ロボを倒して楽にクリアしようという算段は脆くも崩れさった。
「その、校長先生……変更って?」
「それはね……」
校長がそれで説明を開始する。
内容としてはやはりヴィラン連合の雄英侵入から始まるヴィランの活性化に伴い、試験内容も単調なロボ相手をするより、より実戦的な対人戦を考慮した試験内容に変更するという事。
「そういうわけさ。だから諸君にはこれから二人一組を組んで、今ここに集まっている教師の皆さんとそれぞれ戦ってほしい」
「先生方と……ッ!?」
それで一同は驚愕する。
どう見てもあちらはこちらより格上。
手加減でもしてもらわないと勝ち目は薄いだろうという事で、
「対ペアの組み合わせと対戦する教師はすでにこちらから独断で決めさせてもらっている。
似た個性、傾向、成績、親密度……それらを吟味してすでにこちらで決めてあるから今からその組み合わせを説明していく。どんな組み合わせになっても文句は言うなよ?
ヒーローになるって事は、知らない誰かとも組む事も想定しないといけない。よってそういう意味でも事前に話すより直前で話した方が効果的ではある。合理的だろう……?」
そういう相澤の言葉に「合理的だろうか……?」と疑問に思いつつも、確かに事前に組み合わせなどできない事などヒーロー社会に出れば嫌と言うほど痛感し、分かるというものだろう。
どんなヴィランに対してどんな人と組めば対応できるのか即座の判断が要求されていく。
相性最悪なヴィランと遭遇してしまう可能性もゼロではない。
そう言った意味もこめての今回の対人戦である。
そこまで考えた一同。
そしてペアの組み合わせが公開されていく。
まず一回戦目。
セメントス VS 切島鋭児郎・砂藤力道ペア。
二回戦目。
エクトプラズム VS 蛙吹梅雨・常闇踏陰ペア。
三回戦目。
パワーローダー VS 飯田天哉・尾白猿夫ペア。
四回戦目。
相澤(イレイザー・ヘッド) VS 轟焦凍・八百万百ペア。
五回戦目。
13号 VS 麗日お茶子・青山優雅ペア。
六回戦目。
校長 VS 上鳴電気・芦戸三奈ペア。
七回戦目。
プレゼント・マイク VS 耳郎響香・口田甲司ペア。
八回戦目。
スナイプ VS 葉隠透・障子目蔵ペア。
九回戦目。
ミッドナイト VS 瀬呂範太・峰田実ペア。
そして最後の十回戦目。
オールマイト VS 緑谷出久・爆豪勝己ペア。
その組み合わせを聞いて、
「やっぱりオールマイトと当たったね、かっちゃん」
「だな。燃える展開だぜ!」
「おや? お二人さんはすでに把握していたという顔だね?」
オールマイトがそんな反応をする二人にそう話しかける。
それに対して出久は頷きを返しながら、
「オールマイト……挑ませてもらいますね?」
「わかった。なにやら私対策でも立てているようだが、ヴィラン役としてこちらも本気で行かせてもらうぜ、お二人さん」
「かかってこいや!」
と、もう意識は演習に向かっていた。
だが、他の生徒はそこまで行っていないために、
「うおっ……一回戦目からかよ。切島、頼んだぜ?」
「おう。でもやっぱり緑谷と爆豪の予想した通りの展開になったな……」
「そうなのか……? 切島君?」
「おうよ。休日に爆豪の家で三人で勉強がてらに演習内容の予想をしていたんだがな……ここまで当たるなんてさすが優秀組の二人だぜ」
「そうなの。出久ちゃん、爆豪ちゃんもすごいのね。そこまで仲良くなったのも含めて」
「良い事ではあるな」
「うんうん。私もいいと思うよ!」
と、盛り上がっている一方で、
「うわー……ミッドナイトとか。戦い難そう……」
「そう言うなよ瀬呂! こういう時こそな展開だろ!? 運良ければラッキータッチもありえんだぜ!?」
と、やり難そうな顔をする瀬呂と、もうやる気全開の峰田がすでに盛り上がっていた。
そんな会話に気づいたミッドナイトが二人に流し目をしていて、瀬呂は思わず怯えて、逆に峰田は興奮していた。
「校長先生って、どう戦うんだ……?」
「見た目だけじゃ分からないものなのかもね?」
見た目だけなら弱そうではある校長に、上鳴と芦戸は少し安心しているのだが、この後に地獄を見る事になるとは想像もできないであろう。
そして他の一同もそれぞれの対戦する先生達の能力をペアとなって話し合っていた。
そこにオールマイトが一同に向けて試験内容を話していく。
「では試験内容だが、まず制限時間は30分だ。この限られた時間の中で君達はこの……ハンドカフスを先生達にうまく掛けて行動不能にするか、ペアのどちらか一人がステージから脱出するが条件だ。
だが、そう簡単に脱出などはいかないと思っておいてくれ。
でもね、それだと君達には不利になっちゃうから先生の方はこの超圧縮重りをつけるからハンデと言う事になる。
逃げるか立ち向かうかの判断は各々で決めるんだ。考える事もヒーローとして大事な事だからね。みんなの健闘を祈るよ!」
オールマイトの説明に全員は一応は納得の表情をする。
その中で出久、轟、飯田の三名は保須市での一件も踏まえて色々と考えていた。
そして、そのまま時間は過ぎて行ってさっそく第一回戦が始まろうとしていた。
セメントスと切島・砂藤ペアが町の中のエリアへと移動していく中で出久達はその光景をリカバリーガールの出張保健所があるモニター室で見学をしていた。
切島と砂藤はすでに戦う準備は整っていたためにいつでもいけるという感じであった。
「それじゃ試験を始めて行くよ、二人とも。それと……言い忘れていたけどね。我々教師陣も君達を本気で叩き潰していく気だからね?」
そう切島と砂藤の二人に話しかけるセメントスはいつにも増して威圧感があった。
「おぉ!? なんかいつもと違うぞ!? 砂藤、本気で行くぞ!」
「おーよ!!」
切島の呼びかけに砂藤は懐から砂糖を出して一気に口に入れてパワーを増強させて構える。
「…………そうそう。君達の傾向だけどね、消耗戦に極端に弱いところだ。いいかい? 戦闘ってのはいかに自分に有利なところを発揮できるかだよ」
『スターーーーート!!』
というボイスとともに、二人はセメントスに向かって走り出す。
だが、セメントスは慌てずに地面に手をついて個性であるセメントを操る力で二人を一気にセメントの壁で包囲した。
「こんなもの!」
「破壊するぜ!」
二人はセメントの壁を破壊しようとするが、
「さっきも言ったよね? もう、君達は僕の有利なステージの術中に嵌まっているって事を………」
それからセメントスは二人の行動範囲をどんどんと狭めていき、最後にはセメントの波で二人を一気に行動不能にしてしまった。
『切島・砂藤ペア、戦闘不能によってセメントスの勝利』
無情な宣告とともにいきなり演習試験一回戦目は敗退してしまって見ていた出久達は、
「本当に本気で潰しに来ている……」
「こ、こわー……」
いきなりの失格に、全員は戦慄するとともに、同時に勝って見せると意気込みを燃えさせていたのであった。
後書き
始まりました期末試験。
今回はアニメ形式でやっていきますのでよろしくお願いします。
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