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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第七十話 何進、姿を現すのことその六

「そのうえでわらわを都より追放したのじゃ」
「随分なことがあったのね」
「そうなのね」
「そうじゃ。今はとてもじゃ」
 どうかと話すのである。
「この頭巾を外せぬ」
「病気なのか?」
 華陀は何進の口調からそれを察した。
「それでそうしているのか」
「病気、違うな」
「じゃあ何だっていうんだ?」
「これは呪いじゃ」
 それだというのである。
「呪いになっておるのじゃ」
「呪いだというのか」
「そうじゃ。御主は医者だったな」
「ああ、そうだ」
 またこの話になった。その通りだというのである。
「それはその通りだ」
「それなら観ればわかるか」
「ああ、呪いの類もな」
 それについてもだ。どうかと答える華陀だった。
「学んでいる。解くことができる」
「では。見てもらえるか」
「見せてくれるか」
 是非そうしてくれとだ。答える華陀だった。
 そうしてだ。何進に対してあらためて言うのだった。
「貴殿のその頭のことをだ」
「私達も呪いには強いから」
「医術のこともわかるわよ」
 妖怪達も言う。
「だから見せてくれるかしら」
「マジカルナースにね」
「そうじゃな。御主達にもわかるのならじゃ」
 どうかとだ。話す何進だった。
「見てもらいたい」
「それではな」
「見せて」
「是非ね」
「ではじゃ」
 こうしてだ。何進はその頭の頭巾を外した。そうしてだ。
 彼女のその頭を見る。そうしてだ。
 華陀がだ。こう何進に対して述べた。
「それは治るぞ」
「治るというのか」
「ああ、それは薬を飲まされてそうなったな」
 こうだ。何進に対して言うのだった。
「そうだな。薬を飲まされたな」
「その通りじゃ。あの張譲めにじゃ」
「それだ。それは猫子丹だ」
「猫子丹じゃと」
「人を猫に変えてしまう薬だ。そういうものもある」
 何進のその頭を見ながらの言葉だった。その耳が猫のものになってしまい頭の上に生えてしまっているものを見ながらである。
「そうした薬は。封印されてきたのだがな」
「ええ。妖術師達が持っていたけれどね」
「魔道にいる仙人とかがね」
「となるとやはりそうか」
 ここでだ。華陀は確信したのだった。その顔が鋭くなる。
「今は」
「そうね、間違いなくね」
「裏にいるわね」
「政の話じゃな」
 何進は三人の今の話はそれだと察した。そのうえで三人に言うのだった。
「それか」
「いや、もっと根が深いな」
「政治ではあるけれどね」
「もっと複雑な話よ」
「ううむ、ややこしいことになっておるのかのう」
 何進は事態を完全には把握し理解してはいなかった。だがそうした状況であることはだ。おおよそだが察することができたのである。
 しかしだ。彼女は今はこう言うのだった。
 
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