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レーヴァティン

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第五十七話 東へその十一

「何でこっちの世界に来たか」
「このこともわかっていないがな」
「それもじゃ」
「神か仏がか」
「動かしているんじゃろうのう」
「そういうものか」
「そうでないとでありますな」
 峰夫も言った。
「わし等にしても」
「そうだな、そして俺達の運命は」
 英雄はその目を鋭くさせて言った。
「やはりな」
「この世界を救うでありますな」
「そうだ」
 まさにとだ、峰夫に答えたのだった。
「それが俺達の運命だ」
「この島、ひいては世界を救う」
「神か仏かは知らない、だがな」
「人よりも遥かに大きな力を持つ誰かが」
「俺達をこの世界に送ってだ」
 寝ているその時にというのだ。
「そしてだ」
「この世界を救う様にしているであります」
「間違いなくな、来たからにはな」
 運命、誰かが決めたそれによってというのだ。
「必ずだ」
「その運命を果たさねば」
「そう思う、使命と言うならな」
「その使命を」
「果たしてやる、俺は長い間神も仏も信じていなかった」
 英雄はこうしたことも言った。
「今は違う」
「それはこの世界に来てからでありますか」
「いや、前からだ」
「といいますと」
「話していいか」
 こう前置きしたのだった、英雄はここで。
「そうしていいか」
「是非」
 他の面々も応えた、そうして英雄は自分が何故神仏の存在を信じる様になったのかを話した。酒と鮎を楽しみながら。


第五十七話   完


                  2018・3・8 
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