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レーヴァティン

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第五十七話 東へその十

「どうもな」
「新たな仲間はぜよ」
 当季は少し残念そうに述べた。
「加わりそうにないぜよ」
「そうだな、いそうにないな」
「噂を聞かないぜよ」
「残念なことにな、しかしな」
「それでものう」
「伊勢のことは聞いた、それに名古屋にも行く」
 この街のことも話す英雄だった。
「それならだ」
「誰かに会うかも知れないぜよ」
「仲間になる者でな」
「人と人の出会いは不思議じゃ」
 こうも言った当季だった。
「ばったり人と会う、そしてな」
「その出会いがのう」
「大きいものとなる、あいつともそうだったな」
「ああ、有栖川君が」
「あいつともだ」
 久志のことも話すのだった。
「今思うとな」
「彼とは会ったことがないがのう」
 同じ大学でもとだ、当季は笑って話した。
「しかしのう」
「興味があるか」
「一度会って話したいわ」
 当季は笑って飲みつつ述べた。
「彼とはな」
「そうか、ならな」
「機会があればぜよ」
「話すか」
「会ってのう」
 こう英雄に述べた。
「そうしたいわ」
「ならそうすることだ、起きた時もな」
「そうじゃのう」
「そしてだ」
 さらに話す英雄だった。
「人と人の出会いはだな」
「そうぜよ、運命ぜよ」
 たまたま出会う様に思えてというのだ。
「不思議な、人間ではわからんものじゃ」
「偶然に思えてな」
「それは運命じゃ」
 そうしたものだというのだ。
「神様か仏様か知らんが」
「そうした存在が導いているか」
「そうしたものじゃ」
「運命は神仏が司るか」
「そうぜよ、この世界でもそうじゃ」
 今いるこの夢の世界でもというのだ。
「人と人の出会いはじゃ」
「俺達もだな」
「神仏が導いておるんじゃ、そもそもな」
「俺達がこの世界にいるのもな」
「それもぜよ」
 まさにと言う当季だった。 
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