異世界にやってきた俺は、チート能力を駆使して全力でスローライフを楽しむ!
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状況を聞く
休暇が返上、といった話になって隊員たちの表情が和気あいあいとしたものから、緊張感が走ったような表情に変わる。
そして、隊員の一人が、
「隊長、一体何があったのですか?」
「姫のいる城が乗っ取られたらしい。“闇ギルド”に」
「ええ!」
「しかもエイダ様のご家族がその“瘴気”の影響で倒れて捕らえられているそうだ。どうにかエイダ様だけは逃げてこられたようだ」
「城の、あの宮廷魔法騎士団たちはどうしたのですか? 魔法使いに騎士に、王たちを守るものはいくらでもいるでしょう!」
隊員が悲鳴のような声を上げる。
どうやら彼らでも予想外の事が起こっているらしい。
それに隊長は、
「それが、その戦力になりそうな魔法使いや騎士たちは大部分が操られているらしい」
「操る……一応はそういったものにも耐性を持つような訓練はされているはずですが」
隊員が青い顔をしてそう告げるとエイダがため息をついて首を振り、
「でも、それでも操られていたわ。黒い光の影みたいなものが、彼らの頭に日本ほど角のように生えていて、目が薄く黒く濁っているような、そんな気色の悪い状態になっていたのですもの」
エイダが体を小さく震わせてそう呟く。
よほど怖いもののように感じたのだろう。
確かにアレは初めて見た時には俺も衝撃を受けたと思いだしながら、
「“魔王の傀儡”か」
「ソウタ、知っているの?」
「……前の世界で何度か目にした。“神聖魔法”での浄化が必要だったはずだ」
「ソウタは、その治す方の“神聖魔法”を知っている?」
そうエイダが俺に聞いてきたので、ここで俺は……頷くべきかどうか迷ったが、
「この世界で通用するかは分からないが、一応は知っている。それにここには竜であるレオノーラや……がいるし、いざとなれば、神聖魔法を使わずに解く方法はあるからな」
そう俺は話すとエイダは安堵したようだった。
とはいえ、おそらくはあの前の世界の魔法を使っているのだから、俺の魔法も通用するだろうと俺は考えていた。
正気に戻すための神聖魔法だと複数種類あって、正気に戻してから気絶させたりした。
ちなみにミシェルは殴って正気に戻していた。
いや、ミシェル以外にも他の仲間も……。
これは思い出さない方がいいだろう、そう俺は自分に言い聞かせた。
そこでハデスが口を開く。
「うちの子達を甘やかしたツケがここにきているのかもしれない。今回の件が終わり次第、“神聖魔法”をを強化するように言っておく」
深刻そうなハデスの声。
彼女は真面目なようなので、実際にそうするのだろうと俺は思っていると隊員の一人が、
「そういえばそちらの方は、どういった方なのでしょうか?」
その問いかけに黙ってしまったハデス。
深刻に考えすぎて、つい口に出してしまったのかもしれない。
だから俺は話を変えるのもあって、
「では、今後の予定はどうしますか? 一応俺やレオノーラは神聖魔法が使えますので、今日の日雇いのアルバイトを終わらせてからエイダとともに城に向かうことになると俺は思っていますが」
そう俺は隊長に話しかけたのだった。
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