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レーヴァティン

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第五十六話 ミラノの街その十三

「だからな」
「それで、ですね」
「ああ、まずはな」
「権限をですね」
「強くするけれどな」
 政府、つまり自分達が旗揚げした勢力のそれをというのだ。
「けれどな」
「強権政治や独裁はですね」
「どうもな」
「統治に限界がありますね」
「そう思うからな」
 久志としてはだ。
「一気に国力を高められてもな、硬直もするしな」
「そうですね、強権政治は最初はいいですが」
「途中からな」
 国家がある程度発展するとだ、このことは独裁国家も同じだ。
「何か硬直してきてな」
「国家運営に支障が出ますね」
「だからな、あまり好きじゃないんだよ」
「それも一理ありますね、ですが」
「ですが?」
「臨機応変でいいかと、強権政治も必要な時がありますし」
 その国家を急速に発展させたいさせねばならない時はというのだ、二次大戦後のアジア諸国がいい例であろうか。
「そうした場合と思えばです」
「強権政治、独裁政治もか」
「必要ですし、そして」
「ある段階になるとか」
「そこで、です」
 その時点でというのだ。
「穏健な政治に切り替えてもいいです」
「そういうものか」
「最初から最後まで同じ統治システムでいくことも」
 順一は久志に冷静に話した。
「それも硬直です」
「それじゃあか」
「はい、まずは旗揚げの段階を迎えることですね」
「その時にどういった状況かでか」
「当地の仕方を決めてばいいです」
 最初のそれをというのだ。
「そしてです」
「統治の仕方を変える段階だと思えばか」
「変えればいいです、変える際は混乱が起こったりもしますが」
「そこを乗り越えてか」
「やっていくべきです」
 統治、それをというのだ。
「そうしたものです」
「柔軟に変えていけばいいか」
「そうです、統治というものは」
「そういうものか、別にどういった統治でもか」
「臨機応変でいいのです」
「強権政治や独裁政治もか」
「無闇に否定するのもよくないかと」
 かえって硬直するというのだ。 
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