マイ「艦これ」「みほ3ん」
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EX回:第59話(改1.5)<未来の贈り物>
前書き
海岸通りにブルネイの提督がやってきた。旧交を温める二人。そこで美保司令は旧友が既婚者であることを知った。
「レシピ情報、あれはすごい」
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マイ「艦これ」「みほちん」(第3部)
EX回:第59話(改1.5)<未来の贈り物>
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傾いた夕日をキラキラ反射させた海が眩しく見えた。
私は重いカメラバックをそっと地面に置くと、そのまま砂浜に腰を下ろした。
向こうの水辺では金剛姉妹を中心に艦娘たちが遊んでいる。龍田さんたちは二人で話し込んでいた。
「おお、ここか、やっぱり」
後ろから声をかけてきたのはブルネイ提督だった。彼はまだ制服だった。
「よく此所が分かったな」
「連絡を貰ったからな」
その言葉に私は、あの運転手を思い出した。
私は彼に詫びた。
「悪いなぁ……お前は、まだ勤務中なのに、こっちは遊んで」
「気にするな。はるばる本土から来て、そっちこそ大変だろう」
ブルネイ提督は私の横に腰を下ろした。
「どうだ? 彼女たちは」
彼は艦娘たちのことを心配しているらしい。
「ああ、あの量産型も含めて、みんな元気そうだよ」
私は波打ち際で遊ぶ彼女らの影絵を眺めながら答えた。
「そうか、それは良かった」
そういえばブルネイ提督は学生時代からイケメンで女性にも優しかった。彼らしい気遣いだなと思った。
「はぁ」
(……ため息?)
それは意外だった。こいつに似合わない。
すると帽子を取った提督は言った。
「俺にも娘が居てな。まだ小さいんだが艦娘たちを見ていると、どうしても他人事ではない気持ちになるんだ」
「え? お前、結婚してたのか。知らなかったぞ」
好奇心が湧く。
「で、相手は? まさか艦娘……なわけないか」
「ここ、ブルネイの人なんだ」
それを聞いて、あれ? と思う。
(確かここの鎮守府が設置されたのが半年前で、こいつの着任もその頃で)
……で子供がいる?
「計算が合わないぞ」
私が複雑そうな顔をしているのを見て彼は言う。
「なんだ? その顔は。俺は東南アジアを転々としているんだ。ブルネイは二度目の着任で提督になった。うちのと出会ったのは、その前だよ。ただ最初の頃は、まだ正式な鎮守府じゃ無かったが」
「なんだ、そうか」
(鎮守府着任前は、ここに居ない……って早合点した)
まあ、こいつの場合イケメンな上に語学堪能で要領も良いからな。
(いつか奥さんに会ってみたい。美人かな?)
そう思って彼を見るとブルネイ提督の表情も少し緩んでいた。
彼は続ける。
「技術参謀の持ってきた例のレシピ情報、あれはすごいらしい」
「そうなのか?」
「技師が狂喜していたよ。俺には良く分からんが専門的な目で見ると建造開始した時点で、ある程度分かるらしい」
私は頷いて心で思った。
(未来の情報だから、やっぱりというか当然だけど)
彼はメモを見ながら続ける。
「そこで今回は戦艦が2、正規空母が1、あとは軽巡に重巡だ。問題なければ明日の朝の演習は建造された彼女たちが相手になる」
それを聞いて私はちょっと引いた。
「戦艦に正規空母って? ……急にすごいのが出始めたな」
だがブルネイ提督は平然としていた。
「なんだ? 錬度は美保のほうが高い。そっちだって金剛に比叡は戦艦だ。正規空母の赤城だっている。もともと基礎データ収集のための演習だ。互角ぐらいがちょうど良いだろう」
「それは、そうだけど……確実な艦種はまだ分からないか?」
「小さいのは確か、もう建造が終わっていたが……天龍だったかな?」
「よりによって天龍か」
しかも今度は未来のブルネイから仕込んだ『完全レシピ』だから手ごわそうだな。
(ウチの龍田さんにも、あとで言っておくか)
ブルネイ提督は時計を見た。
「そろそろ戻っても良いだろう」
「ああ。そうだな」
私はポケットにインカムが入っているのを思い出した。それを装着すると艦娘たちに、そろそろ引き上げるように指示を出した。
『了解デス』
金剛の返事が返ってきた。
それを見たブルネイ提督がちょっと驚く。
「それ、すごいな小さくて。本土は,そんなに技術が進んでいるのか?」
「あ、まぁ……」
そういえば、これは元々は未来のブルネイからの備品だ。でも説明しにくい。
苦し紛れに私は言い放った。
「明日の演習が終わったら、やるよ」
「良いのか? お前の私物か」
後ろめたいが、あくまでも『返す』とは言わない。
「あ……まぁ、そんなところだ。役立ててくれ」
ややこしくなるから、そういうことにしておく。時代が違うとはいえ返してしまえば私も少しは気が晴れる。
「そっか。それは技師が喜ぶな。お前、昔から小物が好きだったよな」
「いや、別に」
本当は嫌いではない。だが最初は此れだって逆さまに付けてた。
徐々に艦娘たちが戻ってくる。私は改めて確認した。
「そういえばどうやって鎮守府に戻る?」
ブルネイ提督は言う。
「お前は、歩いてきたのか?」
「いや、送って貰った」
彼は言う。
「迎えのトラックが来てくれるから皆、乗れるだろう」
「トラック?」
軍用車か。
海岸の方から金剛姉妹に龍田さんペア……向こうから日向と伊勢も来る。
「ありがとうございました!」
量産型の伊勢が頭を下げている。
「司令、どうも」
青葉さんもカメラバックを抱え上げた。
「人数点呼……問題ないか」
日向が報告をする。
「では駐車場へ」
みんなでブルネイ提督の案内でゾロゾロと駐車場に行く。そこで少し驚いた。派手なトラックが停っていたのだ。
しかも明らかに軍用ではない。荷台がオープンになっていて意外にしっかりした座席が付いている。
おまけに赤城さんと夕張さん、それに祥高さんと寛代までが既に座っていた。
「ここから、このまま行くのか」
すると聞き覚えのある声。
「はぁい、お待たせネ」
「あ?」
運転台には、さっきの運転手さんだぞ。
どういうことだ?
以下魔除け
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後書き
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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PS:「みほ3ん」とは
「美保鎮守府:第三部」の略称です。
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